スーパーで買うならこんなの選んで!【おいしい鮭鱒の選び方】"鮮魚のプロ"直伝の「おすすめの見分け方」

  • 2025年05月10日公開

こんにちは!ヨムーノライターのたすくです!

色々な調理方法で楽しめる鮭(鮭鱒)、スーパーの鮮魚コーナーで見かけると食べたくなりますよね。
せっかく買うなら数ある中から「おいしい鮭鱒」を選びたいもの。おいしい鮭鱒にはどんな特徴があるのでしょうか。

今回の記事では、魚市場を運営する水産流通の卸売商社「株式会社クラハシ」さんに「おいしいスーパーの鮭鱒の特徴と"おすすめの選び方"」について教えてもらいました!

【スーパーの鮭鱒】水産流通の卸売商社が教える「おすすめの選び方」

今回、「おいしいスーパーの鮭鱒"おすすめの選び方"」を教えてくれたのは、広島県福山市地方卸売市場内にある株式会社クラハシさん!

魚市場を運営する「市場事業」のほか、水産加工品・冷凍食品などを総合的に取り扱う「商事事業」の2つの柱で展開する、総合卸売商社です。

  • 「こういう鮭鱒はおいしい!」という特徴は?
  • スーパーでよりおいしい鮭鱒を選ぶコツはなんですか?
  • 生の切り身の場合、鮮度や脂ノリはどこでチェックしますか?
  • 旬の時期のおすすめの食べ方を教えてください

上記4つの質問について、がっつり解説していただきました。
順番に解説していきます!

「こういう鮭鱒はおいしい!」という特徴を教えてください!

クラハシ担当者:結論から言うと、旬の時期のもので皮や身にツヤがあるものを選ぶようにしてください。

後述しますが、鮭鱒にはものすごくたくさん種類があるんですよ。
そのため、具体的にとなると種別にそれぞれ解説が必要になりますが、ざっくり「おいしい鮭鱒の特徴」で申し上げると、

  1. 天然物であれば旬の時期のもの(アキサケの場合は河川に入る前に海で獲れたもの)
  2. 皮に傷がなくツヤがあること
  3. 身に厚みがあり、色ツヤが良いこと
  4. 脂身が好みなら養殖か、天然でも腹身を、あっさりが好みなら天然か、養殖なら尾に近いところを選ぶ
  5. 身のやわらかさを求めるなら生(解凍含む)、旨味を求めるなら塩蔵または乾物

などを目安にして選ぶと良いでしょう。

日本人が大好きな鮭鱒は実は数十種類も存在している

鮭鱒は「日本人の好きな魚第一位」という集計もあります。
鮭鱒、サーモンなどとひとまとめで呼ぶことが多いのですが、実際には数十種存在しているんです。

スーパーなどで見かける主だったものでは、

  • サケ(シロサケ、アキサケとも)
  • ギンサケ(ほぼ養殖)
  • ニジマス(トラウト、ほぼ養殖)
  • ベニサケ(ヒメマス海降型)
  • タイセイヨウサケ(サーモン、アトランティックサーモン、ほぼ養殖)

などがあります。

また、お目にかかりにくいですが、

  • カラフトマス(マス)
  • サクラマス(ヤマメ海降型)
  • サツキマス(アマゴ海降型)
  • ヒメマス(ベニサケ陸封型)
  • マスノスケ(キングサーモン、海外で養殖あり)

淡水魚では

  • イワナ、アマゴ(サツキマス陸封型)
  • ヤマメ(サクラマス陸封型)
  • ビワマス

などの名前を聞いたことがあると思います。

余談ですが、上記で( )内に記載してあるように、海に降りるものと、河や湖に留まるのもので、同じ種であっても呼び名が変わります。
また、内水域に留まる場合は小さく、外洋や大きな水域(湖や大きな河川)で生活すると大きくなる傾向があります。

ちなみに、アユ、シシャモ、シラウオ、ワカサギなどもサケ目なんですよ。

ヨムーノライターたすく:普段スーパーで見かけている鮭鱒にそんなに種類があったとは……!驚きです……!共通するのは「旬の時期のもので皮や身にツヤがあるもの」がおいしいということですね!

スーパーでよりおいしい鮭鱒を選ぶコツはなんですか?

クラハシ担当者:お刺身などの生食用か、加熱用かでちょっと違いがあります。

スーパーの場合、生食用(養殖)は柵やお刺身で、加熱用は切身で販売されることが多いので、それぞれ次を目安にするとよいでしょう。

■生食用(養殖)

⓵解凍または養殖であり、生食用の表示があるもの(天然の生鮮は寄生虫リスクが高いので不可)
⓶作ってすぐのもので、出来るだけ柵の方が良い
⓷お刺身を買う場合は、角が立っており、適当な大きさであること
⓸柵は肉厚であること(薄いものは刺身にすると大変です)
⓹脂っぽいのが好みなら腹、肉厚が好みなら背、あっさりが好みなら尾に近い部分を選ぶ
⓺ドリップが出ていないもの、出ていても身と同じ色の綺麗なもの

■加熱用(切り身)

⓵皮身ともに傷がなく、ともに色艶が良いこと
⓶切身自体に厚みがあること
⓷切幅が最低でも2㎝以上のもの
⓸ドリップが出ていないもの、出ていても身と同じ色の綺麗なもの
※薄い切身はドリップが出やすい上に、加熱するとペラペラになるので注意が必要です。

ヨムーノライターたすく:すっごく参考になります!生食用と加熱用で特徴に違いがあるとは思ってもみませんでした!

生の切り身の場合、鮮度や脂ノリはどこでチェックしますか?

クラハシ担当者:あくまで目安となりますが、切り身の場合は次のポイントをお目安に選んでみてください。

■脂ノリ
種類にもよりますが、脂ノリがよいものは、白く脂肪の筋のようなものが見えます。
そのほか、よく見ると身と皮の間に脂肪分が確認出来ることもあります。

■鮮度
全てに共通することですが、下記を目安にすると良いでしょう。

⓵身に張りがあること
⓶色艶が良い物を選びましょう。
⓷茶色っぽいドリップが出ていないこと
⓸切身に加工してすぐのもの

【余談】鮭鱒は皮の色で色々なことが分かる?

鮭鱒の仲間は、産卵期が近付くと婚姻色を呈します。
中には顔付まで変わるものもおり、産卵の時期が近付けば近付くほど濃い色となる種もいるほどです。

「婚姻色」とは、鮭や鱒の仲間が産卵期になると現れる、体の色の変化のことです。
例えば、オスのサケでは体が赤やピンクに染まり、背中が黒ずんだり、口先が曲がって鋭くなるなど、繁殖のための特徴が強調されます。
これは異性へのアピールや、縄張り争いのためと考えられています。

参考:日本水産資源保護協会「サケ属魚類とは」

鮭鱒は産卵後死に絶えてしまうので、この色になったものは、栄養のほとんどを卵巣や精巣に持っていかれています。
その上、産卵期は何も食べずひたすら産卵場所まで遡上するので、とても身が痩せている特徴があります。

そのため、こういった特徴が見受けられる鮭鱒は安価ではありますが、おいしさの面では非常にバラつきがあります。なるべく避けた方がよいでしょう。

ヨムーノライターたすく:皮の色味でそんなことも分かるのですね!理由を伺うと納得です!

最高においしく食べる♪スーパーの鮭鱒「おすすめの食べ方」

ヨムーノライターたすく:旬の時期の鮭鱒をよりおいしく食べるには、どんな食べ方がおすすめですか?

旬の時期のおすすめの食べ方

クラハシ担当者:鮭鱒類は冷凍での流通が多く、種類も多いので、一般的によく生鮮で出回るものの場合は次の通りです。

■サケ(シロサケ、アキサケ):9~12月中旬頃

この時期の鮭鱒は産卵期なので脂ノリはあまり期待出来ませんが、身はとても柔らかいので、揚物、フライ、南蛮漬けなどがおすすめです。
天然の鮭鱒の皮は美味しいので、付けたまま調理して頂きたいのですが、これはお好みです。

背や尾など特に脂の少ない個所については、面倒ですが、つみれなどにしてお吸い物などにするとよいでしょう。
一部、産卵前のものが5月頃水揚げされますが(トキサケと呼ばれます)、産地以外では生鮮での出回りはまずありません。
希少品ですが、産卵期ではないので味はこちらの方が上とされています。

■ギンサケ(養殖):国産は4~7月頃

銀鮭は、鮭鱒の中でも水分量が多く身がとてもやわらかいという特徴があります。

銀鮭は基本的に養殖で、国内でも生産されています。 天然物もあるにはありますが、品質にかなりムラがあるので、養殖の方が無難です。

お刺身用としても流通していますが、身が柔らかくかなり脂が多いので、カルパッチョやマリネなどのように酢やオイルといった調味料を加えた方がよいかもしれません。 加熱しても固くなりにくいのですが、養殖は元々脂肪分が多いので油やバターは控えた方がよいでしょう。 どうしてもしつこく感じる場合は背や尾の部分を選んで調理されると良いでしょう。

気になる場合はウロコをとって調理すると〇

鮭鱒のウロコは小さく柔らかいので、加熱してしまうとあまり気になりませんが、どうしても気になる場合は調理前に取り除いておきましょう。
ほとんどのスーパーではサケ、ブリの類のウロコは付けたまま切身になっているので、注意して下さい。

鍋、煮物、汁物の場合は、細かなウロコが剥がれて汁の中に漂うことがあるので、この類の調理の際には面倒でも取り除いておいた方が見た目が良くなります。

相性の良い他の食材(野菜など)

クラハシ担当者:その他、調理方法によってほかの魚同様に下記の食材との相性がよいです。

ぜひお好みに応じて合わせてみてください。

ヨムーノライターたすく:時期によっておすすめの食べ方にも違いがあるのですね!

卸売商社直伝!「スーパーの鮭鱒"おすすめの選び方"」試して♪

今回の記事では、魚市場を運営する水産流通の卸売商社「株式会社クラハシ」さんに「おいしいスーパーの鮭鱒の特徴と"おすすめの選び方"」について解説していただきました!

鮭鱒には多くの種類があるものの、共通しているのは「旬の時期のもので皮や身にツヤがあるもの」がおいしいということ♪
ぜひスーパーで鮭鱒を選ぶ際に参考にしてみてくださいね!

※地域、店舗、季節、天候などにより流通状況は異なります。

この記事を書いた人
Webライター
たすく

会社員とWebライターを両立させる「たすく」です。ヨムーノでは、毎日の中で見つけた「生活を楽しむネタ」を皆さんと共有できたら嬉しいと思ってます(^^)/仕事は常に”楽しみながら面白く”を心がけています。どこまででも取材に行くフットワークの軽さが自慢です。お仕事依頼のメール募集中です!tasukusan1984@yahoo.co.jp

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