節約嫌いでもできる!頑張らなくても年約6万円トクする「税金を減らす」究極の節約術
- 2023年06月27日更新
こんにちは、キッズ・マネー・ステーション代表、ファイナンシャルプランナーの八木陽子です。
今回は、ちょっと毛色の変わった節約ワザを紹介したいと思います。
私はファイナンシャルプランナーなので、まったく自慢にはなりませんし大きな声でも言えませんが、実は節約を考えるのが苦手です。今日は、そんな私でもできる、節約を紹介したいと思います。普段「節約ワザ」では紹介されない方法かもしれません。
所得税の仕組みを知ろう
節約と聞いたらたいてい、日々の生活の中での「生活費を減らす」。これが一番多い発想ですよね。
そうでなくて「払う税金を減らす」というのが、今回の提案です。
「会社員だもの、税金なんてそんな簡単に減らせるワケないじゃん!」と思ったアナタ、まずは税金がかかる仕組みを知りましょう。図表を見てください。
ご自身もしくは世帯の年収は、ほとんどの人が把握していると思います。手取りではなく、税金などが引かれる前の年収を額面年収と言います。
給与所得控除という言葉は知っていますか?「会社員の経費」といわれるもの。
これは、自営業の人と違って、会社員は税法上定められているので、自分で比率を変更できません。額面年収が決まっていれば、図のように、ステップ2の給与所得控除や給与所得の金額は、スパッと自動的に決まります。たとえば年収700万円なら、給与所得控除が190万円で、給与所得は510万円です。
しかし、次にステップ3をご覧ください。実際に税金(所得税)がかかるもととなる金額は、課税所得です。所得控除といわれる金額を増やすことができたならば、課税所得が減り、かかる税金が少なくなるという仕組みが理解できませんか?
所得控除は家族構成などによって変わるものがあり、そもそも各自違います。そして自分でコントロールできる所得控除もあります。
所得控除にはどんなものがある?
所得控除に入る項目には、自分で選択できるわけでもなく、定められているものがあります。
たとえば、基礎控除といわれるものは、所得税では38万円、住民税では33万円と決められています。
配偶者控除、社会保険料控除になる厚生年金保険料や健康保険料などは、家族構成や会社によって決まってきます。一方で、自分でコントロールして増やす所得控除に、ふるさと納税の寄附金控除、iDeCoなどの小規模企業共済等掛金控除などがあります。
節約が苦手な人もやっている「ふるさと納税」や「iDeCo」
ちなみに節約が苦手な私自身も、ふるさと納税やiDeCoはやっています。
ふるさと納税はご存知な方が多いかもしれませんね。自治体等に寄附をすることで、所得控除を減らすことができ、税金の優遇あり、お礼の品がもらえると有名になった制度です。
iDeCoとは、確定拠出年金の個人型と言われるものです。会社で確定拠出年金に入っていない場合はぜひ検討してみましょう。税制優遇があるのはもちろんのこと、資産運用として老後の備えを積み立てていく制度です。
手間から考えると、ふるさと納税はどこの自治体等に寄附するか毎年選択が必要ですが、iDeCoは一度手続きしたならば、毎月自動的に積み立てていく制度なので、ズボラな人にも向いています。ただし、iDeCoでは投資信託などリスク商品に預けられるので、年に1回ほどは見直しが必要です。
iDeCoではどのぐらい節税になる?注意点は?
実際に、iDeCoを使用して、どれぐらいの節税効果があるかというと、たとえば、毎月2万円をiDeCoの掛金にした場合、年間24万円が所得控除として増えます。
つまり、先ほどの図表の年収700万円の例であてはめてみると、課税所得が340万円になり、所得税は、242,500円。1年間で、所得税だけでも、58,000円の節約になります。しかも、運用で利益が出ても非課税ですから、iDeCoの制度のよさが分かるでしょう。
一度自分の払っている所得税を知って、「所得控除」に注目した節約に興味を持ってみてください。
ただし注意事項として、住宅ローン控除などの税額控除といわれるものは、所得税からそのまま差し引けるので、住宅を購入して、住宅ローン控除をあてにしている人は注意が必要です。
究極の節約をしてみよう
究極の節約とは、一度行うと効果が持続し、日々努力しないで済むものと私は思っています。
当たり前のように支払っている税金、当たり前のように支払っている大きな固定費などから見直しをしてみましょう。
八木 陽子
キッズ・マネー・ステーション代表
株式会社イー・カンパニー ファイナンシャルプランナー
日本では数少ない金融商品を販売しないFP事務所を運営。平成29年に文部科学省検定の高等学校の家庭科の教科書に日本のファイナンシャルプランナーとして掲載される。NHK「ウワサの保護者会」などメディア出演多数。
キッズ・マネー・ステーションとは、「見えないお金」が増えている現代社会の子どもたちに、物やお金の大切さを知り「自立する力」を持ってほしいという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行います。2018年までに1000件以上の講座実績を持っています。
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