「住民税って?」給与明細から読み解くその仕組み【FP監修】

  • 2025年07月01日公開

こんにちは、ヨムーノ編集部です。

毎月の給料明細を見て、「住民税ってなに?」「結構引かれているけど、どこに払っているの?」と思ったことはありませんか?

所得税ほど目立たないけれど、しっかり差し引かれている「住民税」。

今回は、給与明細をもとに、その仕組みや計算方法、支払いタイミングまで、やさしく解説していきます!

住民税ってどんな税金?

住民税とは、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金の総称です。例えば、東京都世田谷区に住んでいれば、特別区民税・都民税、愛知県名古屋市に住んでいれば、市民税・県民税となります。 ごみ処理や育児支援、救急、学校運営など、地域のサービスに使われる大切なお金です。

会社員でもフリーランスでも、前年の所得に応じて課税されるため、「今年の所得」ではなく「昨年の所得」がベースになる点がポイントです。

給与明細の「住民税」ってどう決まるの?

給与明細に記載されている住民税の金額は、前年の所得をもとに算出され、それを12回に分けて毎月天引きしているものです。

たとえば、ある年の1月〜12月の所得に基づいて、翌年の6月からその金額を月割りで納め始めるという流れ。つまり、いま給与から差し引かれている住民税は、過去の所得がもとになっているということですね。

所得税との違いってなに?

住民税も所得税も「収入にかかる税金」ですが、いくつかの違いがあります。

項目 所得税 住民税
納める先 国(国税) 地方自治体(地方税)
税率 5%〜45%(所得に応じた7段階の累進課税) 原則、一律10%(市区町村6%、都道府県4%)+均等割(市区町村4,000円、都道府県1000円)
※一部の地方自治体で例外あり
納税のタイミング ・その年の所得に対して当年に納税(会社員など)
・翌年の2月16日~3月15日の確定申告を経て納税(フリーランス等)
前年の所得に対して翌年6月から納税

所得税は「リアルタイムで納税」、住民税は「タイムラグがある納税」と覚えておくとわかりやすいです。

参考:総務省「個人住民税」

参考:国税局「No.2260 所得税の税率」

住民税はいつ、どうやって払っている?

【会社員の場合】

会社が毎月の給料から住民税を天引き(特別徴収)し、代わりに自治体へ納めています。

会社には、毎年5月〜6月に各自治体から「住民税決定通知書」が届き、それに基づいて毎月の金額が決定されます。 そのため、6月以降の給与明細を見ると、住民税の額が前年と変わっていることがあります。

【フリーランス・退職者の場合】

自分で納付する必要があり、自治体から届く納付書を使って、年4回の分割払いや一括払いで支払います(「普通徴収」と呼ばれます)。

給与明細の「住民税額」はどう読み解く?

給与明細の中の「住民税」欄には、毎月の天引き額が記載されています。この金額が増減する主な理由は以下のようなケースです。

  • 昨年の年収が上がった(課税所得が増えた)
  • 控除の内容に変化があった(扶養控除の人数が減ったなど)
  • 副業やアルバイトなどの追加収入があった

給与が増えた実感があるのに、手取りがあまり増えていない……というときは、住民税の上昇が一因かもしれません。

まとめ

住民税は、「前年の所得」に応じて「今年に払う」税金。
会社員は自動的に天引きされますが、どのくらい払っているか、なぜその金額なのかをきちんと理解しておくことが大切です。

特に副業や転職で収入が変わった年の翌年は、住民税額がアップする可能性があるため、6月以降の給与明細は要チェックです!

なんとなく流してしまいがちな住民税ですが、「見える化」しておくと、家計管理もぐっとラクになりますよ。

【この記事の監修者:ファイナンシャルプランナー・大野高志さん】

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計 代表取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
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この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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