「レンジの真ん中に置く」「1000Wで一気に温め」【それ、間違ってるかも!?】正しい温め方で【食中毒対策】
- 2024年07月06日公開
こんにちは、管理栄養士でヨムーノライターの安達春香です。
梅雨どきから夏場にかけて起こりやすい食中毒。家族の健康を守るためにも、なんとかして予防したいですよね。
残ったおかずやご飯を温め直すときに、電子レンジを使っている人が多いと思いますが、使い方を間違えると菌が生き残ってしまう可能性も……!
今回は、食中毒を防ぐ電子レンジの使い方について詳しく解説します。
加熱ムラに注意!電子レンジを使った食中毒対策

冷凍食品やレトルトカレーなどをパッケージの記載通りに温めたはずなのに、中が冷たくてガッカリした経験はありませんか?
電子レンジは加熱ムラが起きやすく、十分に火が通らないこともあるんです。
多くの食中毒菌は75℃、1分以上の加熱で死滅するため、温め直すときは電子レンジを正しく使って食材をしっかり加熱することが大切。
ここからは、加熱時の重要なポイントを5つお伝えします。
出典:政府広報オンライン「食中毒予防の原則と6つのポイント」
ポイント①食材は薄く、細かく
電子レンジはマイクロ波という電磁波を当て、食べ物に含まれている水の分子を振動させることで熱が発生します。
そのため、深い器に食品を重ねて入れたり、分厚いものをそのまま温めたりすると、中心までマイクロ波が届かず、うまく加熱できないことも……。
食品は浅いお皿に薄く広げ、大きいものは細かく切ってから温めるのがおすすめです。作り置きを冷凍するときは、あらかじめ平らにしてから保存すると良いですよ。
ポイント②置き場所にも要注意

置き場所によっても温まり方が変わります。
レンジ内にお皿がついているターンテーブル式は、食品を回転させることで満遍なくマイクロ波が当たる仕組みなので、中央から少しずらして置くのがおすすめ。
回転しないフラットタイプは、マイクロ波が庫内全体に拡散しやすい作りになっているため、真ん中に置くと効率良く温まります。
なお、メーカーや機種によって異なるため、取扱説明書を確認しましょう。
ポイント③丸い器やラップを使う
マイクロ波は角張った部分に集中する性質があるので、四角い容器に入れると角だけが温まってしまいがち。丸い容器の方が均一に熱が伝わります。
また、電子レンジ用のフタやラップを使えば、効率的に加熱され、食品の飛び散りも防げますよ。
密閉すると破裂する恐れがあるため、フタをずらしたり、ラップに穴を開けたりして蒸気の逃げ道を作りましょう。
ポイント④低いワット数でじわじわ温め

電子レンジには、200W、500W、700W、1000Wなど、いろいろなワット数があります。
ワット数が大きいほど「強火」のように短時間で一気に加熱ができますが、均一に温まらないこともあるんです。
例えば、強火のフライパンでハンバーグを焼くと、表面だけ火が通って真ん中は生焼けなんてこともありますよね。
電子レンジでも同じ状態になってしまうので、中心までしっかり加熱するなら、低いワット数でじっくり温めるのがおすすめです。
ポイント⑤電子レンジは清潔に

あまり関係なさそうに思えますが、実は庫内の汚れが加熱ムラの原因になってしまうことも。
食品や調味料、油、水滴が付いていると、そこばかりにマイクロ波が当たって食品がうまく温まらない場合があります。
汚れたときはお掃除シートやキッチンペーパーで拭き取り、常に清潔にしておきましょう。
カレーやシチューはお鍋で温めるのが確実

カレーやシチューなどは、コンロを使って時間を掛けて温め直すのがおすすめ。というのも、粘度が高い食べ物は熱が回りにくいので、電子レンジを使うとムラが生じやすいんです。
また、煮込み料理で発生しやすい「ウェルシュ菌」は酸素が大の苦手。鍋底からよくかき混ぜて酸素に触れさせながら、ボコボコと沸騰するまでじっくり火を入れましょう。
これで食中毒対策はバッチリ!
電子レンジは手軽に食品を温められる反面、加熱ムラが起きやすいというデメリットがあります。
高温多湿で菌が増えやすい今の時季は、とくに注意が必要。電子レンジを上手に活用して食中毒を防ぎましょう。
趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!
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