"絶対にやってはいけない"麦茶作り【食中毒対策】「ペットボトルも6時間で飲み切って」管理栄養士が喝っ
- 2024年06月22日公開
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こんにちは、管理栄養士でヨムーノライターの安達春香です。
暑さが厳しくなるこれからの季節、ノンカフェインで家族みんなが飲める麦茶が大活躍ですよね。
しかし作り方を間違えると、思わぬ食中毒を引き起こしてしまうことも……!
今回は麦茶を安全に作る方法や、菌の増殖を防ぐコツについてご紹介します。
【水出しVS煮出し】安全に作れるのはどっち?
皆さんは普段どうやって麦茶を作っていますか?
しっかりした風味を楽しめる「煮出し」と、手間いらずの「水出し」。どっちの作り方が安全なのか気になりますよね。
エフコープ商品検査センターでは、次の3種類の麦茶を用意し、作ってから8日目の菌の数を調査しました。
①水出しして冷蔵保存
②煮出した後、急冷して冷蔵保存
③煮出した後、やかんのまま常温で保存
もっとも菌の数が多かったのは③、続いて①、一番少なかったのは②でした。なぜこのような差が出たのか、詳しく見ていきましょう。
「煮出し」はやかんの中で菌が爆増!
煮出して常温で保存した麦茶は、作ってから3日目で菌の数が急増しました。
食中毒を引き起こす菌は30〜40℃くらいの暖かい場所が大好き。
煮沸することで大半は死滅しますが、常温で長時間放置すると生き残った菌がやかんの中で大繁殖してしまうんです。
なお、煮出して急冷したものは菌が活発になる温度帯を素早く通過したため、8日目でもほとんど増えませんでした。
煮出して作りたい場合は容器ごと氷水に浸け、粗熱が取れたらすぐに冷蔵庫に入れましょう。
「水出し」は手軽かつ安全!
煮出しよりもさっぱりした味わいを楽しめる水出し麦茶。
冷蔵庫に入れることで菌の増殖がゆっくりになり、食中毒を予防できます。
煮出しよりも時間はかかりますが、安全かつ手軽に作れて一石二鳥!
時短したい場合は、容器に麦茶パックと少量の熱湯を入れて10分間蒸らし、氷水を加えて薄める方法もおすすめです。
「お茶があとちょっとしかない!」という緊急事態の時にもすぐに作れて便利です。
麦茶パックは長時間入れっぱなしにしていると苦みや雑味が出てしまうので、好みの濃さになったら清潔なお箸で取り出してくださいね。
作った麦茶は、2日程度(麦茶を作った日とその翌日)で飲み切りましょう。
出典:エフコープ商品検査センター「自家製麦茶の衛生的な管理方法」
たった1日で75倍!?飲みかけ麦茶に気をつけて
飲みかけのペットボトル飲料にも、実は危険がいっぱい。
ペットボトルのオレンジジュースと緑茶、麦茶を、ひと口飲んでから30℃で24時間放置したところ、麦茶の菌の数は「75倍」になったという恐ろしい実験結果もあります。
ちなみに、緑茶は59倍、オレンジジュースは34倍でした。
なんとなく、甘いオレンジジュースの方が危険そうなイメージがありますよね。しかし、オレンジに含まれる酸には抗菌作用があるため、菌が増えにくいんです。
一方麦茶は、菌のエサとなる”炭水化物”の量がお茶の中でもトップクラス!時間と共にどんどん増えていくので、口をつけたものは5〜6時間以内に飲むのが理想です。
また、できるだけ冷蔵庫で保存し、持ち歩く際は保冷ホルダーに入れて温度が上がらないように注意しましょう。
食中毒を防ぐポイント
最後に、食中毒を防ぐためのポイントをいくつかご紹介します。まずは麦茶を入れる容器について。
プラスチック製の保存容器はキズがつきやすく、小さな溝に汚れが残ってしまいがちです。そのため、麦茶を入れる前にしっかり洗い、熱湯やアルコールで消毒しましょう。
特にフタの凸凹やパッキンは汚れが溜まりやすいので、定期的にキッチン用漂白剤で除菌するのもおすすめ。
新しい容器を買い直す場合は、洗いやすいものや、キズがつきにくいガラス製のものを選ぶのも良いでしょう。
また、手にもたくさんの菌がついているので、麦茶を作る前には手洗いを忘れずに。
飲んだ後はテーブルの上に出しっぱなしにせず、すぐに冷蔵庫に入れましょう。
麦茶で夏を乗り切ろう!
水分とミネラルを同時に補給でき、熱中症対策にも効果的な麦茶。
作り方や保存方法、容器のお手入れなどのポイントを押さえることで、食中毒を予防できます。
正しい知識を身につけて、暑い夏を乗り切りましょう!
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趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!
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