胃腸が弱い人は気をつけて!【それ、NGな蕎麦の食べ方】かも。「そうめんと迷ったらこっち!」栄養士が解説

  • 2024年06月30日公開

こんにちは。暑い夏には冷たい麺料理が恋しくなる、管理栄養士でヨムーノライターの安達春香です。

風味豊かでのど越しの良い蕎麦。栄養たっぷりで体に良いと言われていますが、実は胃腸が弱い人が食べると消化不良を引き起こすこともあるんです。

「結局健康に良いの?悪いの?」と混乱してしまいますよね。

今回は、蕎麦が胃腸に与える影響について徹底解説!

「そうめんか蕎麦」「冷か温」など、どちらを食べるか迷ったときの選び方や、おすすめの食べ方もご紹介します。

蕎麦は胃腸に優しい?悪い?

なんとなく「蕎麦=体に良い」というイメージがありますよね。

実際に、うどんやそうめんと比べて、タンパク質やビタミン、ミネラルなどがたっぷり。普段不足しがちな栄養を効率良く摂れる、優秀な食品です。

また、お通じ改善に効果的な「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がバランスよく含まれているのも特徴。

水溶性食物繊維は、便を軟らかくして排便を促したり、善玉菌を増やしてお腹の調子を整えたりする働きがあります。

不溶性食物繊維は、便のカサを増やして腸を刺激し、老廃物を体の外に出してくれます。

食物繊維は「腸のお掃除係」とも呼ばれているので、便秘に悩んでいる方におすすめです。

出典:わかさの秘密「そばの健康効果」

出典:e-ヘルスネット「便秘と食習慣」

「蕎麦」vs「そうめん」胃が弱い人はどっちを選ぶ?

腸内環境を整えてくれる蕎麦ですが、胃の痛みや不快感に悩まされている方は注意が必要です。

「蕎麦」と「そうめん」どっちを食べようか迷った時は、食物繊維が少ないそうめんがおすすめ。胃に留まる時間が短いため、消化に良いと言われているんです。

一方蕎麦は、食物繊維や脂質の量がそうめんの約2倍!胃での滞在時間が長く、お腹に負担がかかってしまいます。

出典:東京都立病院機構「胃腸の調子が悪い時の食事」

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「穀類/そば」

出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「穀類/こむぎ/そうめん・ひやむぎ」

「食物繊維少なめ」で消化に優しく

どうしても蕎麦を食べたい場合は、食物繊維が少ないものを選ぶのがおすすめ。

蕎麦粉の割合が多いほど消化しづらくなるので、蕎麦粉100%の「十割蕎麦」よりも、つなぎが入った「二八蕎麦」を食べると良いでしょう。

また、白く透き通った「更科蕎麦」は食物繊維が少なく消化されやすいので、胃の調子が悪いときにぴったりです。

出典:出雲そば本田屋「蕎麦に含まれる食物繊維の量」

胃が弱い人は「冷」よりも「温」がいい?

じっとしてても汗が噴き出る今の時季、ヒンヤリしたものが食べたくなりますよね。

迷わず冷たい蕎麦を選びたいところですが、胃が弱い人は温かいものを選びましょう。というのも、お腹が冷えると消化が悪くなってしまうと言われているんです。

私たちの体は、口や胃、十二指腸、小腸などから「消化酵素」を分泌して、食べ物を分解しています。この酵素が一番活発になる温度が37℃付近。

冷たい蕎麦を食べると酵素の働きが鈍くなり、消化不良を起こしてしまう可能性があります。

また、大量に冷たいものを摂取すると、体の熱を逃がさないように血管が収縮します。その結果血流が悪くなり、胃の働きも低下してしまうんです。

腹痛や下痢といった辛い症状を引き起こさないためにも、調子が悪いときは冷たいものを控えましょう。

出典:トライイット「5分でわかる!最適温度」

出典:大正製薬「おなかの冷えと腸の関係」

「薬味」や「温玉」で体温アップ

「暑い日に温かい蕎麦なんて無理!」という方は、血流を促して体を温める食べ物を一緒に摂るのがおすすめです。

代表的なものがミョウガやネギといった香味野菜。爽やかな風味を加えてくれる上、体を温めてくれて一石二鳥です。

また、お肉や卵などのタンパク質を摂るのも効果的。

ご飯を食べたときに、体がポカポカするのを感じたことはありませんか?私たちの体は食べ物を消化吸収するときにもエネルギーを消費しています。そのエネルギー消費によって体温が上がるんです。

タンパク質は、ほかの栄養素と比べてたくさんの熱を作り出してくれるので、冷たい蕎麦を食べるときは、豚しゃぶや温泉卵などをトッピングすると良いですよ。

出典:TBS「みょうがの持つ効果で冷え性を撃退」

出典:上毛新聞社「ネギ科植物特有の匂い 硫化アリル」

出典:e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生」

ひと工夫で胃に優しく!

栄養が豊富で体に良い蕎麦ですが、人によっては胃腸に負担がかかってしまうこともあります。

胃が弱い人は、食物繊維が少ない二八蕎麦や更科蕎麦を選んだり、体を温める食材を添えたりするのがおすすめ。無理にガマンするのではなく、ひと工夫して楽しみましょう。

この記事を書いた人
おいしいと健康を両立させたい管理栄養士ライター
安達春香

趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!

管理栄養士

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