“茶碗蒸しが甘い”ってどゆこと!?【青森県】「え、逆に甘くないの!?」すれ違う青森県民と都内出身者

  • 2024年05月21日公開

こんにちは!青森県八戸市で生まれ育ち、15歳から青森市に移り住むと、慣れない津軽の生活に他国に来たのかと思うほどショックを受けてから早28年。

いまや青森市民でも聞き取れない津軽弁も解読出来るほど。同じ青森県でも言葉や食が全く違ったりと驚く事は多々ありますが、それよりも最近幾度と思う「あれ?これ全国的じゃないの?」という疑問。

そうなんです。青森県の生活が全てだった私は青森県あるあるが全国的には通用しないという事実に、今更になって気がつき始めたんです。

今回は他県から見るとびっくりだった!という青森あるある「何でも甘い?」について調査しました。青森県では、茶碗蒸しや赤飯が甘いんですよ。ぜひ最後までご覧ください!

全国民に問いたい!「逆に甘くないの?」

青森県青森市津軽で生活して感じるのは青森県民の味覚はしょっぱいか、甘いかハッキリしていること。漬物が好きで甘い赤飯に甘い茶碗蒸し。

津軽育ちの義母はたくさん使うから、とチラシを見ては塩や砂糖が特売品になると必ず購入していました。

そしてある日、「青森県のお赤飯と茶碗蒸しって甘いですよね?」と担当編集者さんからの質問。いやいや、「逆に甘くない赤飯と茶碗蒸しって何ですか?」という私の逆質問。

またもや出て来た全国では通用しないかもという青森県民あるある!!ここは県民に聞いてみようと、青森県在住の友人にアンケートを取ってみました。

「茶碗蒸しは甘い味付け」が8割!?青森県民のリアル

Instagramと直接聞いた「赤飯&茶碗蒸しの甘さアンケート」の結果です。

赤飯90%、茶碗蒸しは80%が甘い派。私からしたら当然の結果なのですが甘くない方々にも何故甘くないか聞いてみました。

ごま塩で味をととのえる派

青森県では様々な行事で赤飯が出てきますが特にお彼岸やお盆などご先祖様にお供えする物としてスーパーなどでも赤飯が販売されます。

近くのスーパーで赤飯を購入してみましたが味は津軽の実家で食べる赤飯と比べ甘さがかなり少なく感じました。

もしかしたら昔ながらのおばあちゃん達が作る赤飯が代々甘いまま伝わっているのかもと思い、甘い派の方に赤飯は何故甘いのか聞いて歩くと、一貫していたのが家族(祖母、親戚)が作ったのが甘いからそれしか知らないという意見でした。

ちなみに甘い赤飯にごま塩をたっぷり掛けて食べることもありますが、甘くない派の方からも赤飯にごま塩をたっぷり掛けて食べるのが好きという意見も。確かに八戸市の実家にいた時は甘くない赤飯だったような記憶があります。

また茶碗蒸しもめんつゆの味やダシの味で、甘いのを食べたことがないという都会的な方(!?)が青森県の南部には多いなと思いました。

青森県ではこれが普通「甘い茶碗蒸し」の作り方

赤飯は餅米で作ったりサラシで蒸したりと作るのが大変なので簡単に出来る茶碗蒸しを作ってみましょう。

ポイントは「甘栗」です。青森県の茶碗蒸しが甘いのは、甘栗の漬け汁が入っているからなんですよ。

材料(4人分)

【卵液】

・卵2個
・水400ml
・甘栗の漬け汁 大さじ2
・めんつゆ 大さじ1
・顆粒だし鰹節 小さじ1

【具材】

・甘栗4個
・ササミ 1本
・酒 大さじ1(ササミ用)
・冷凍椎茸 2個 (甘煮だとより甘くなります)
・糸蒟蒻 お好み
・ナルト 4枚
・三つ葉 4枚

作り方

①鍋に【卵液】の卵以外を入れます。

②ササミを8等分にし酒を加えておきます。

③お好みのサイズにカットした糸蒟蒻を下茹でしてから①の鍋に入れる。椎茸、ササミも入れて1分ほど沸騰させ火を消して冷まします。

④③が冷めたら(完全に冷え切らなくてもぬるいと感じたら使用して大丈夫です)、卵2個をよくかき混ぜオタマで2杯くらい鍋の汁のみを加えて混ぜていきます。

液がサラサラしているくらいまで汁を加えると卵がこしやすくなります。

⑤卵液がサラサラになったら茶漉しなどで卵液を2〜3回ほど越します。

⑥器1つに対して甘栗1個、鍋から取り出したササミ2個を底に入れます。私は三つ葉が大好きなのでたくさ ん三つ葉を入れました。

⑦鍋から椎茸と糸蒟蒻を取り出して4つの器に均等に入れます。

⑧卵液をゆっくり注ぎ上に三つ葉とナルトを置きます。具が少ないと三つ葉やナルトは沈んでしまうので綺麗な出来上がりが良い方は蒸しあがってから上にのせるか卵液に糸蒟蒻を多めに入れると底上げになって沈まないまま蒸し上がります。

⑨深い鍋に器を並べ2〜3cm水を鍋底に入れて蓋をして、中火〜弱火で沸騰させ10分程煮立て火を消し最後は余熱で蒸しあげます。

⑩完成です!

(茶碗蒸しの器は蓋付きでダイソーで税込110円で購入出来ます)


・今回の味評価
★★★★★
理由:そもそも茶碗蒸しが大好きなので★5つです。甘栗を使用してるので優しい甘味の茶碗蒸しになりました。甘栗の液を全部入れまたは砂糖を入れて激甘にするご家庭もあるそうです。


スーパーでも大量に売ってる茶碗蒸しも「甘い」

こちらはスーパーなどで販売している茶碗蒸しと卵とうふです。卵とうふの味は茶碗蒸しと似ています。どちらも優しい甘味のする人気商品です。全国的には、銀杏が入ってるらしい茶碗蒸しですが青森県では甘栗。

一昔前まで結婚式では必ず茶碗蒸しが出ていましたが最近は変わってきているなと思います。結婚式の配膳の仕事をしていた時、料理の内容に合わせて洋風の茶碗蒸しが提供されたのですが甘栗が入っていないとお客様ならクレームが入ったことがあるほど。そのお客様はその後、茶碗蒸しを口にしませんでした。今思えばその方も甘い茶碗蒸ししか食べたことがなく衝撃的だったのだと思います。

しかしながら、青森県内でも地域によっては甘くない茶碗蒸しだという意見も多かったですし実際、私の親も甘くない茶碗蒸しを作っていました。津軽で生活いているうちに茶碗蒸しは甘いものと記憶が塗り替えられ今では甘い赤飯、甘い茶碗蒸しが大好きになっています。

青森に来た際にはぜひ甘い赤飯、甘い茶碗蒸しを食して青森県民の味覚を味わって頂きたいです。最後までご覧いただきありがとうございました!

編集後記/担当編集者(東京都出身・夫が青森県出身)より

今記事に登場した青森県では普通の「甘い茶碗蒸し」は、みりんのようなほのかな甘さではなく「ガッツリ甘い」です!青森県が実家の夫と結婚して初めて茶碗蒸しを食べたときは、その甘さに衝撃で頭が混乱しました。

見た目は普通の茶碗蒸しなのですがプリンくらい甘いのです!出汁や鶏肉も入ってるのですが、甘いんです。「え?これ普通だよ〜」の親戚のおばちゃまたちの言葉に、もっとびっくりした記憶があります(笑)。

赤飯は、甘い餅米なので「和菓子みたいな感じ……」と思いながらも、普通の食卓のおかずと一緒に出てくるのでもちろんデザートの立ち位置ではないのです。「日本て広いな」と思える魅力が青森県にはたくさん詰まっています!

この記事を書いた人
青森県マニア
lovekuma_emily

ヨムーノライターで木工作家の活動をしながらや100円ショップのオススメアイテムもご紹介しています。また地元青森県のご当地情報や、かなりマニアックな全国的ではない青森の魅力もご紹介していきます。

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