栄養士さん「油断大敵!お餅の食中毒」常温保存していいのは〇〇餅だけ!

  • 2024年01月03日公開

こんにちは、ヨムーノライターの安達春香です。

お正月の食卓に欠かせないお餅。お雑煮やあんこ餅、きな粉餅など、いろいろな楽しみ方がありますよね。

そんなお餅ですが「冬は気温が低いし乾燥しているから大丈夫」と油断していたら、カビが生えてしまった経験はありませんか?きちんと保存していないと、知らないうちにカビを食べてしまっているかもしれません……。

また、これからの時期多くなる「餅つき大会」にも、実は危険がいっぱい。

今回は、カビが生えない保存方法や餅つき大会に参加する際の注意点など、お餅を安全に楽しむ方法をご紹介します。

カビが生えていても削れば大丈夫?

知らず知らずのうちに、ポツポツと生えてくるお餅のカビ。お餅にはカビの大好物である水分や養分がたくさんあるため、冬でも正しく保存していないとカビが生えてしまいます。

「カビの部分を取り除いて食べれば問題なし!」と思っている方もいるかもしれませんが、実は目に見えていないだけで、奥まで根を張っている場合があるんです。

また、カビが作った毒がお餅についている可能性もあるので、食べるのは危険。カビが生えてしまったものは、すぐ廃棄しましょう。

出典:農林水産省「餅に生えたカビ」

カビを防ぐ!お餅の正しい保存法

カビの危険性がわかったところで気になるのが、正しい保存法ですよね。

個包装で真空パックされているお餅は、賞味期限内であれば常温保存が可能です。しかし、一度開封したお餅や手作り餅を常温で置いておくのはNG!必ず冷蔵庫か冷凍庫で保存しましょう。

ここからは、カビを防ぐ正しい保存方法をご紹介します。

【冷蔵保存】わさびパワーでカビをブロック

1週間以内で食べきれそうであれば、冷蔵庫で保存しましょう。

冷蔵保存の際に役立つのが、なんとお寿司などにつける「わさび」。わさびのツーンとした辛み成分「アリルイソチオシアネート」には抗カビ作用があり、カビの発生を防いでくれるんです。

密閉できる容器にお餅を並べて、お弁当用のアルミカップなどにわさびを入れ、フタをして冷蔵庫に入れましょう。この方法は、お餅だけでなくパンやチーズなどを保存するときにも使えますよ。

【冷凍保存】ラップ×保存袋で乾燥を予防

すぐに食べきれない場合やお餅がたくさんあるときは冷凍保存がおすすめです。美味しく冷凍するポイントは、とにかく乾燥させないこと。

少し面倒ですが1切れずつラップで包み、チャック付きの保存袋に入れて冷凍しましょう。食べるときはそのままトースターで焼いたり、電子レンジで温めたり、お好みの方法で加熱すればOKです。

出典:大林製菓「お正月必須の切り餅の保存方法」

毎年全国で発生!餅つき大会での食中毒事例

この時期、カビと同じくらい注意したいのが「餅つき大会」での食中毒。食中毒というとジメジメした梅雨や夏のイメージですが、実は冬にはウイルスによる食中毒が多いんです。

地域のイベントや幼稚園などで開催される餅つき大会で、毎年食中毒が発生しています。

餅つき大会では、多くの人がお餅に触りますよね。手に傷があったり手洗いが不十分だったりするとお餅にウイルスや菌がつき、こねたり丸めたりしている間にどんどん増殖!

ウイルスや菌が繁殖したお餅を食べて、下痢や嘔吐などの症状を引き起こしてしまいます。

出典:東京都内で発生した「餅つきによるノロウイルス食中毒」発生事例

餅つき大会に参加する上で大事なこと

餅つき大会に参加する上で大切なポイントは、「ウイルスや菌をつけないこと」と「やっつけること」。

丁寧な手洗いやアルコール消毒を心がけましょう。

当日、手に傷があったり体調を崩したりしている場合は、お餅に触らないようにしましょう。ビニール手袋を用意しておくのもいいですね。

つきたてのお餅をその場で食べるのが餅つき大会の醍醐味でもありますが、疲れているときや体調が優れないときは避けましょう。

お餅を美味しく安全に

お正月には欠かせないお餅ですが、カビや食中毒などの危険も潜んでいます。

気温が低いから、乾燥しているからと油断せず、正しい保存方法や手洗い、加熱などを徹底して、お餅を美味しく安全に楽しみましょう。

この記事を書いた人
おいしいと健康を両立させたい管理栄養士ライター
安達春香

趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!

管理栄養士

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