【内臓脂肪の落とし方】「内臓脂肪」を減らしてヘルシーにやせる3つの方法

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

近年、単なる痩せるダイエットではなく、毎日をヘルシーに楽しみながら痩せやすい体質を目指す「健康志向」がトレンドとなり、暮らしに「お酢」を積極的に取り入れている人が増えています。

では、実際にどんな効能があるのかご存知ですか?今回は、ダイエットやメタボリックシンドロームなどにお悩みの方に嬉しい「内臓脂肪」を減らす効果について、医学博士の渡辺尚彦先生に伺いました。

内臓脂肪とは

脂肪は、体の蓄積部分によって「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2つに分けられます。おなか(上半身)を中心に、内臓のまわりについた脂肪が「内臓脂肪」です。

近年気にする人が大変増えてきた「メタボロックシンドローム」は、「内臓脂肪」が過剰に蓄積されたことによって引き起こされます。また、「糖尿病」や「高血圧」などの生活習慣病を引き起こすリスクとなるのも、「内臓脂肪」です。

内臓脂肪と皮下脂肪の違い

内臓脂肪と皮下脂肪は、蓄積する場所が異なります。内臓のまわりに付く内臓脂肪に対し、皮下脂肪は、腰まわり、おしり、太ももなど皮膚のすぐ下につく脂肪のこと。

肥満には、内臓脂肪がついた「内臓脂肪型肥満(りんご型)」と、皮下脂肪がついた「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)」の2種類があり、脂肪の種類やつき方によって、体型に大きな違いがあります。

「内臓脂肪型肥満(りんご型)」は腹部がぽっこりと出た体型に、そして「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)」は下半身に脂肪がついた体型になります。

内臓脂肪はどこにつく?

おなかの中にある腸間膜(ちょうかんまく)という腸を固定する膜に蓄積します。腸間膜のまわりは、脂肪がつきやすく、落としにくいとも言われます。

内臓脂肪が多いとどうなる?

内臓脂肪が増えすぎると、脂肪細胞からインスリンのはたらきを阻害する物質や、血栓を作る物質(悪玉アディポサイトカイン)が分泌されます。すると、インスリンのはたらきが悪くなるため、脂質異常症や糖尿病の状態となります。

メタボリックシンドロームは、肥満までは至っていなくても、ウエスト周りが男性なら85cm以上、女性なら90cm以上で判定され(※)、すでにこの段階で内臓脂肪が体内に蓄積していると考えられます。

また、内臓脂肪が増えると、肥満(メタボリックシンドローム)につながるだけでなく、高血圧、脂肪肝、動脈硬化など、健康状態に悪影響が及びます。

※…メタボリックシンドロームの判定には、ウエスト周りに加え、高血圧・高血糖・脂質異常の3項目のうち2つに当てはまること、そして、内臓脂肪の蓄積、血圧・血糖値・血清脂質のうち2つ以上が基準値を超えていることが必須条件となります。

生活習慣病を中心とした病気の原因に

肥満に付帯した様々な生活習慣病を引き起こす内臓脂肪。中でも「脂肪肝」には注意が必要です。

脂肪肝は、悪化すると肝臓がんを引き起こす原因にもなります。肝臓に負担がかかるお酒を普段飲まない人でも、生活習慣による内臓脂肪の蓄積は、病気のリスクも高めます。

さらに、認知症の原因になる可能性もあります。

便秘や逆流性食道炎の原因に

飲酒が多く、油っぽいものをよく食べる、ストレス、過食など、胃液をたくさん分泌する生活習慣は、逆流性食道炎のリスクも高まります。

<逆流性食道炎になりやすい人の特徴>
・油っぽいものをよく食べる
・飲酒の機会が多い、過食しがち
・ストレスがある

ダイエットの悪循環の原因に

満腹中枢が鈍くなってしまい、過食につながるため、ダイエットの妨げになってしまいます。

内臓脂肪はどうやって増える?

呼吸や心臓の拍動、体温調整など、私たちの体では自然にエネルギー消費が行われています。しかし年齢とともに、生きていくためのエネルギー消費である基礎代謝の量が落ちていきます。すると、摂取した栄養を消費しきれず、内臓脂肪は増えやすくなります。

つまり、内臓脂肪は「増やさない」こと、そして「減らすこと」を同時に心がけることが、健康的なエネルギーのバランスを保つために大切です。

要注意!内臓脂肪が増える「7大原因」をチェック!医師がダメ習慣をズバリ指摘

内臓脂肪の役割とメリット

内臓脂肪は、健康上は減らすことが大切ですが、最低限必要な脂肪でもあります。内臓脂肪には、内臓の正しい位置を保ち、内臓への衝撃を和らげる役割があります。肋骨ではすべての内臓を守りきれないため、内臓脂肪にもメリットがあるのです。

内臓脂肪が女性につきやすいのは、子宮を守るためとも言われています。また、つきやすいが落としやすいのも内臓脂肪の特徴です。

日本人は内臓脂肪がつきやすい傾向がある?

日本人は、内臓脂肪がつきやすい傾向があると言われています。ただ、日本人だから、というのは一口に言うことはできず、個々人の食生活や生活習慣によって脂肪のつき方には差が出ます。

皮膚の下に蓄積された皮下脂肪型の肥満「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)」は、女性に多く見られる傾向があり、内臓脂肪で上半身の肥満を中心とした体型「内臓脂肪型肥満(りんご型)」は、男性に多く見られる傾向があります。特に、食べすぎや運動不足が大きな原因となるのがりんご型。

また、血圧が高い人は、太っている傾向がありますが、痩せていても血圧が高い人がいるといったように、個体差があります。実は、日本人の4割は、後者に該当するとも言われています。

ガンコは「内臓脂肪」は頑張らなくても燃焼できる!日常生活で効果的な運動・食べ物まとめ

内臓脂肪の落とし方

①運動

筋トレ(ストレッチ)をする

運動をする前後に筋トレ(ストレッチ)を「20分程度」行うと、内臓脂肪が落ちやすくなります。急な運動で、体に怪我をしたり血圧を上昇させないようにしましょう。

有酸素運動をする

ランニングだけでなくウォーキング、サイクリングなども有酸素運動です。体脂肪を燃焼させるには「毎日30分程度」がおすすめ。

30分は1日の目安です。1日おきであれば、1時間。そして、まとまった時間がない時には、15分に分けても構いません。その場合、朝晩の通勤やお買い物の時に駅まで歩いてみるなど、積み重ねができそうな運動にしましょう。「継続」が最も大切です。

歩くスピードも、さっさと少し早めに歩くのがポイント。普段友人と歩きながら話していて息切れしない程度で構いません。

②食事

脂質が含まれる食べ物を避ける

【避けたほうがよい食べ物】

  • お酒
    食欲を高めるホルモンが、胃と脳から分泌されるため、食べ過ぎ・飲みすぎの原因となります。
  • 果実
    果物のやさしい甘さにも脂質が含まれるため、食べ過ぎは避けたほうが良いでしょう。また、満腹になりづらいことから、つい食べ過ぎてしまいがちです。

【おすすめの食品】

  • お酢
    「酢酸」が脂肪を燃やしてくれるたんぱく質を生み出してくれます。

  • 脂肪を燃やすアディポネクチンを含む食べ物
     ・玄米
     ・大豆
     ・トマト
     ・オクラ
     ・ひじき

  • タンパク質を多く含んだ食べ物
     ・大豆
     ・コーヒー
     ・牛肉(和牛肉)
     ・まぐろ(缶詰、油漬け、フレーク、ライトなど加工方法は問いません)

※ただし過剰摂取には注意しましょう。

  • その他(飲み物)
     ・緑茶:「カテキン」は、運動中のお腹の脂肪が燃えやすくなります。適度な運動をしながら摂取しましょう。

  • 食物繊維を多く含んだ食べ物
     ・海藻類(わかめなど)
     ・オクラ
     ・アボカド
     ・ゴボウ
     ・にんにく

余計な脂質は落とす

何事も、余分な摂取は厳禁です。無駄な脂身を食べないこと、そして、鶏肉の皮は落とすといった工夫ができたら理想です。

調理方法は揚げ物よりも煮物

揚げ物は油を多く使うため、なるべく油を避けた煮物中心の食生活を心がけましょう。

③生活習慣の見直し

しっかり睡眠をとる

睡眠が不十分だと、空腹感と食欲を高めるホルモンが分泌されてしまいます。しっかりと睡眠をとることから、生活習慣を見直しましょう。

まとめ

はっきりと、肥満と言えないまでも「メタボリックシンドローム」という判定をされた人、またはその“予備軍”とされる人は、日本で数千万人にものぼると言われています。

病気になってからでは手遅れです。たとえ今、予備軍であっても、血圧の上昇をはじめ、日常にひそむストレスの解消や十分な睡眠、そして食生活と、肥満解消に取り組みながら健康な体を維持しましょう。

【監修者紹介】 渡辺尚彦[ワタナベヨシヒコ]

医学博士。東京女子医科大学東医療センター元教授、愛知医科大学客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学臨床教授、聖光ヶ丘病院内科医師。高血圧を中心とした循環器疾患が専門。1987年から連続携帯型血圧計を装着開始。以来24時間365日、血圧を測定し続けている。『血圧を下げる最強の方法(アスコム)』など著書多数。
渡辺尚彦

【参考文献】
『血圧を下げる最強の方法(アスコム)30年間×24時間 自分の血圧を測り続けている専門医だからわかった正しい降圧法』(渡辺尚彦著)
『高血圧をもっと下げる新常識(笠倉出版社)』(渡辺尚彦著)
『誰でもスグできる! 血圧をぐんぐん下げる 200%の基本ワザ(日東書院本社)』(渡辺尚彦著)

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この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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