【お鍋で残った豆腐、翌日食べないで!】栄養士さん「油断大敵!冬の食中毒」患者数No.1具材は人気の...

  • 2024年09月12日更新

こんにちは、くふうLive!ライターで管理栄養士の安達春香です。

寒い日が増えて、鍋の美味しい季節がやってきました。ヘルシーでいくらでも食べられそうな鍋は、ついつい具材を入れすぎて残ってしまうこともありますよね。

そこで注意したいのが食中毒です。「え!食中毒って夏だけじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は冬も多いんです。

今回は、鍋の食中毒対策についてご紹介します。

油断禁物!冬にも多い食中毒

梅雨や夏のジメジメした季節のイメージがある食中毒ですが、実は冬の鍋料理にも危険が潜んでいます。厚生労働省の発表によると、食中毒は年間を通して発生していて(※1)、冬も夏もあまり変わらないんです。

鍋は作りすぎて余ったり、残った出汁で雑炊を作ったりと、翌日に持ち越しがち。「冬だから大丈夫でしょ!」と土鍋をコンロの上に置きっぱなしにしていると、食中毒を引き起こしてしまう恐れがあります。

菌が繁殖する条件は「温度・水分・栄養」の3つ。水分がたっぷりで栄養が溶け出んだ鍋の中は、菌にとって快適そのものです。

また、鍋を直箸で取り分けるのも食中毒の原因に!口の中にはいろいろな菌がいるため、雑菌混入の原因になります。家族みんなで鍋を囲むときは、できるだけ取り分け用の箸を使ってくださいね。

(※1)参考:厚生労働省 6P「食中毒 月別発生状況」

実は危ない!取扱いに注意したい具材

白菜やねぎ、豆腐、豚肉など、いろいろな具材を入れて楽しむのがお鍋の醍醐味ですよね。いつも何気なく入れている具材が、実は食中毒の原因になるかもしれません。ここからは、取り扱いに注意したい具材を2つご紹介します。

患者数No.1!?”牡蠣”はしっかり火を通して

ノロウイルスは牡蠣やはまぐり、アサリなどの二枚貝に多く潜んでいて、十分に加熱せずに摂取すると感染する恐れがあります。なんとこのノロウイルス、食中毒の原因として患者数が一番多い(※2)んです。

ほとんどの食中毒菌は10万個から100万個以上の菌を取り込まないと発症しませんが、ノロウイルスは10〜100個と少量で下痢や嘔吐などの症状が出てしまいます。

ノロウイルスをやっつけるためには、中心温度85度以上で85〜90℃秒以上の加熱が必要。牡蠣は加熱しすぎると硬くなってしまうので、ついつい早めに取り出したくなりますが、グッとこらえてしっかりと火を通しましょう。

(※2)参考:厚生労働省 23P「病因物質別患者数発生状況(令和4年)」

傷みやすい”豆腐”はその日のうちに食べきるべし!

鍋の定番具材として欠かせない豆腐。淡白な味わいなので、どんな鍋に入れてもマッチしますよね。

そんな豆腐は水分が多く、菌が繁殖しやすい食べ物なんです。

開封後はあっという間に風味が落ち、変色したり、酸っぱい臭いがしたりするので、翌日に持ち越すのはNG。鍋に入れたものは、その日のうちに食べきるようにしましょう。

食べきれなかった鍋の保存法

食べ残した鍋は保存容器に移し替えて冷蔵庫で保存し、2〜3日で食べきりましょう。

土鍋に入れたままキッチンに置いておくのはNG。土鍋は保温力が高く、中の温度が下がるまでに時間がかかってしまいます。

菌は10〜40℃の間で増殖するので、できるだけ短時間で粗熱を取るのがポイントです。浅い保存容器に小分けして表面積を増やすと早く冷めますよ。

暖房がついていない部屋に置いて粗熱をとり、すぐに冷蔵庫に入れましょう。

グツグツ沸かして菌を撲滅!

保存した鍋料理はコンロで温めてから食べましょう。菌をやっつけるには75度で1分以上の加熱が必要。グツグツと沸騰させることで、ほとんどの菌は死滅しますよ。

意外と侮れない!冬の食中毒に注意

具材がたっぷり入ったアツアツの鍋には、食中毒の危険がいっぱい。冬だからと油断してキッチンに出しっぱなしにすると、土鍋の中が菌だらけになるかもしれません!

食中毒を防ぐためには、具材にしっかり火を通したり、小分けにして冷蔵保存したりといった工夫が必要です。

今回ご紹介したポイントをおさえて、鍋を安全に楽しんでくださいね。

参考:農林水産省 冬に食中毒?ノロウイルスの予防と対処法

この記事を書いた人
おいしいと健康を両立させたい管理栄養士ライター
安達春香

趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!

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