【真空パック食品の保存、それやめて!】"管理栄養士さん"が警告!「命にかかわることも」その理由に「ぎくり!」食中毒対策

  • 2025年03月26日公開

こんにちは、管理栄養士でヨムーノライターの安達春香です。

スーパーやコンビニで真空パックの食品が並んでいるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

自炊が面倒なときに大助かりですが、実はこの手軽さの裏に意外な危険が潜んでいるんです。

今年2月、新潟県に住む50代女性が「要冷蔵」の真空パック食品を常温保存したことで、ボツリヌス菌による食中毒を発症。

たったの2~3口食べただけで、口の渇きやろれつが回らないといった症状から始まり、最終的には全身まひで入院する事態に発展しました。

今回はそんなボツリヌス食中毒の恐ろしさや予防のポイントをお伝えします。

出典:TBS NEWS DIG「ボツリヌス菌による食中毒」

知らないと怖い!ボツリヌス食中毒って何?

ボツリヌス菌は、私たちの身の回りにある野菜や果物、肉、魚など、いろいろな食品についています。

この菌の怖いところは、酸素が少ない場所でどんどん増えてしまうこと。

そして、高温や低温など厳しい環境にさらされると「芽胞(がほう)」というバリアのようなものを作って、しぶとく生き延びるんです。

でも実は、ボツリヌス菌そのものよりも、菌が作り出す「毒素」の方が問題。

「最強の自然毒素」と呼ばれるほど強力で、汚染された食品を食べると8~36時間以内に吐き気や視力障害、言葉がうまく話せないなどの神経症状が現れます。

重症化すると全身がまひし、呼吸困難になって人工呼吸器が必要になることも。治療が遅れると命にかかわるケースもあるので、しっかり予防しましょう。

出典:厚生労働省「ボツリヌス食中毒対策」

出典:国立感染症研究所「ボツリヌス症とは」

便利だけど危険も?真空パック食品の落とし穴

ボツリヌス食中毒の原因となるのが、パック入りのお惣菜や自家製のビン詰め、缶詰といった酸素が少ない食品。

真空パックは、食品の鮮度を保つために酸素を抜いているだけで、完全に無菌なわけではありません。

ボツリヌス菌のように酸素がない環境を好む菌にとっては、むしろ増えやすい状況になってしまうことも。

過去には真空パックの辛子れんこんやハヤシライスの具、ビン詰めのオリーブが原因で食中毒が発生し、死亡事故につながったケースもありました。

だからこそ、冷蔵保存が必要な商品は、決められた温度をきちんと守ることが大切です。

レトルトと真空パックって何が違うの?

「酸素が少ない食品がダメなのに、なんでレトルトは大丈夫なの?」と気になりませんか?どちらも袋入りで長持ちする食品ですが、実は作り方に大きな違いがあります。

レトルト食品はパッケージに食品を入れたあと、高温高圧でしっかり加熱殺菌されるので、ボツリヌス菌などの危険な菌も完全に死滅します。

一方で真空パック食品は、必ずしも加熱殺菌されているわけではありません。

万が一、菌が生き残っている状態で常温で保存すると、増殖して毒素を作り出してしまうんです。

出典:公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会「Q&A 02.レトルト食品について教えてください」

これだけ守ればOK!食中毒を防ぐコツ

「要冷蔵」や「10℃以下で保存してください」と書かれている商品は、必ず冷蔵庫に入れて、期限内に食べることが大切。

真空パックで「要冷蔵」と表示されているものには、以下のような商品があります。

  • 煮魚やハンバーグ
  • カレー、ビーフシチュー
  • チーズやハム、ソーセージ

とくにカレーやビーフシチューは常温保存できるレトルト食品と混同しやすいので、必ずラベルをチェックしましょう。

もし真空パックやビン、缶が膨らんでいたり、開けたときに変なにおいがしたりしたら、それはボツリヌス菌が増えているサインかも。

違和感がある場合は、もったいなくても絶対に食べないでくださいね!

今日からできるボツリヌス菌対策

忙しいときの救世主である真空パックのお惣菜ですが、ちょっとした油断が命取りになることも。

保存方法や消費期限の確認はもちろん、開封時の異変にも注意して、安全に活用しましょう。

この記事を書いた人
おいしいと健康を両立させたい管理栄養士ライター
安達春香

趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!

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