【タコがマグロより高い】ってニュース見たけど本当!?"魚市場のプロ"が教える真実に→「安心した」「なるほど」
- 2025年02月16日公開
こんにちは、ヨムーノライターのたすくです!
少し前に「タコの価格が高騰してマグロより高い!」というニュースを知り、思わず二度見してしまいました。驚いてしまったのは僕だけではないでしょう。
確かにスーパーでタコの値段を見て、「こんなに高かったっけ......?」と感じるこの頃。
お寿司ネタでタコが一番好きな筆者には死活問題(←)です。でも本当のところはどうなのでしょう?
ということで今回は、魚市場を運営する水産流通の卸売商社「株式会社クラハシ」さんにタコ価格高騰について聞いてきました!
タコが高い!価格高騰の真相を水産流通の卸売商社に聞いてみた

今回、タコ価格高騰のアレコレを教えてくれたのは、広島県福山市地方卸売市場内にある株式会社クラハシさん!
魚市場を運営する「市場事業」のほか、水産加工品・冷凍食品などを総合的に取り扱う「商事事業」の2つの柱に展開する、総合卸売商社です。
- タコがマグロより高いと言われるほど、高騰しているのはなぜですか?
- この「タコ価格高騰」現象はいつから感じてますか?
- 「タコ価格高騰」はいつ頃まで続くと思いますか?
- タコが欠かせない様々な料理で代替するならどんなお魚がオススメ?
上記4つの質問にがっつり答えていただきました。
順番に解説していきます!
タコがマグロより高いと言われるほど、高騰しているのはなぜですか?

クラハシ担当者:「結論から言うと、"特定のマグロの特定部位より、特定のタコの特定部位が高いこともある"と言うのが正解です」
TVニュースでマグロより高いと報道されていたことは知っていますが、タコの種類・部位・加工形態はもちろん、比較となるマグロの種類・部位・加工形態などの説明はありませんでした。
タコもマグロも、種類・部位・加工形態によって価格は全く異なります。同じ種類・部位・加工形態で比較しなければ、「タコがマグロより高い」とはいえないでしょう。
従って、「特定のマグロの特定部位より、特定のタコの特定部位が高いこともある」となるのです。
センセーショナルな切り口でニュースを印象付けよう、という意図があったのではないでしょうか。
タコもマグロも、種類・部位・加工形態が豊富

一口にタコやマグロといっても、それぞれ種類・部位・加工形態は非常に豊富です。
仮に、ボイルされてお刺身用として流通しているタコだとすると、その原材料は少なくとも
- 国産のマダコ(ブランドダコ除く)
- 西アフリカ産のマダコ
- 中国産のマダコ
- 国産のミズダコ
- 国産のヤナギダコ
などがあります。
一方でマグロも、種類だけでもビンナガ、キハダ、メバチ、ミナミマグロ、クロマグロなどがあり、それぞれで生鮮・冷凍・部位・養殖か天然か、と実に豊富です。
タコもマグロもこれだけ豊富な種類があるので、「特定のマグロの特定部位より、特定のタコの特定部位が高いこともある」と言った方が正解なのです。
ヨムーノ編集部:「なるほど!特定の高価なタコと、特定の安価なマグロを比べれば、マグロよりタコの方が高くなる”場合も”ある、ということですね!」
この「タコ価格高騰」現象はいつから感じてますか?

クラハシ担当者:「どちらかといえば、2022年以降に顕著になったと感じます」
タコは輸入原料が比較的多いので、2022年の円安以降が顕著ですが、私の知る限りでは1980年後半頃が底値で、それ以降ずっと上昇し続けています。
「タコ価格高騰」はいつ頃まで続くと思いますが?
クラハシ担当者:「このままの状況が続けば、今後も上昇し続けると予想されます」
特に日本国内では、タコの産卵期などを考慮せず漁を行うことが常です。そのため、国産のマダコについては天然の資源量が回復するのは難しいのではないでしょうか。
よって、漁のやり方が今のままであれば、ジワジワ上がり続けるのだろうと思います。
しかし、世界的に考えると、タコを食べる地域は日本やスペイン、イタリア、東南アジアの一部などに限られていますので、大きな変動はないでしょう。
タコが欠かせない様々な料理で代替するなら、どんなお魚がオススメ?

クラハシ担当者:「これについても、どちらかといえば別の種類のタコになると思います」
これはあくまで私の個人的な意見ですが、タコに関しては特に代用品は必要ないのではないかと思います。
以前、「ウナギの代替としてナマズやサンマをかば焼きに!」というニュースが話題になったことがありましたよね。
この場合も同様に、代用品はあくまで代用品であり、本当にウナギを食べたい人は、価格が高くてもウナギを選んでいたことでしょう。
牛肉の代わりに豚肉を、というのはあるかもしれませんが、魚の場合は「食べたいものを食べる、高ければ食べる頻度が減る」というようになっていくと思います。
様々な種類のタコを賢く使い分け

そのうえで、もし代替するのであれば、「さまざまな種類のタコを使い分ける」のが良いでしょう。
高価な傾向にあるマダコを、目的に応じて他の種類のタコで代替するのです。
- 「炒め物」や「揚げ物」であればテナガダコ(季節及び地域は限定されます)
- 「煮物」や「揚げ物」であればイイダコ(国産は季節や産地が限定されますが、タイなどからの輸入品もあります)
- 「タコ焼き」に入れる小さなものであればシマダコ(カットされた輸入品があります)
- 「お刺身用」や「煮物」であればミズダコとヤナギダコ(ミズダコはマダコとは異なり柔らかいので生食も出来ます)
といったように、使い分けることで代用してはいかがでしょうか。ネット通販などを活用し、入手を検討してみてください。
ヨムーノ編集部:ある意味では"タコに代替品はない"といえますね!目的に応じて別種類のタコで代替、覚えておきます!
タコが高騰して「マグロより高い」は誤り!おいしく食べてみて!

今回の記事では、魚市場を運営する水産流通の卸売商社「株式会社クラハシ」さんにタコ価格高騰について伺いました!
種類豊富なタコ、場合によってはマグロより高い価格の売られ方"も"ある、ということですね。タコ好きな筆者は安心しました。
皆さんもスーパーでタコを見かけた際には、当記事のクラハシさんの解説を思い出してみてくださいね!
※記事執筆時(2025年2月)の情報です
クラハシさんの公式Youtubeも面白いよ
株式会社クラハシのYouTubeチャンネル『株式会社クラハシ【公式】』には、瀬戸内海で獲れるお魚を中心に食欲そそられるレシピや、捌き方がたくさん!
ぜひのぞいてみてくださいね。
会社員とWebライターを両立させる「たすく」です。ヨムーノでは、毎日の中で見つけた「生活を楽しむネタ」を皆さんと共有できたら嬉しいと思ってます(^^)/仕事は常に”楽しみながら面白く”を心がけています。どこまででも取材に行くフットワークの軽さが自慢です。お仕事依頼のメール募集中です!tasukusan1984@yahoo.co.jp
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