お正月やハレの日におすすめ。福島県の郷土料理、食べてみっせ!

  • 2021年12月30日公開

この秋、故郷福島県に引っ越しました!

2021年もあっという間に師走……。
年々、アクセルふかしすぎでは?と思うほど、時の流れが加速している気がしていて驚くほど。

実はこの秋、家族で約5年ぶりに故郷・福島県にUターンし、晴れて新しい生活をスタートさせています。この文章を打っている12月頭にして、すでに足の指が霜焼けになり、東北の冬の厳しさに戦々恐々としています(笑)。

ということで、出産やコロナ禍があり、久しぶりとなった故郷で過ごす年末年始。帰省できずとも、ふるさとの料理を作ってはいたものの、やはり母の味が食べられるとなると今からワクワクしています。

今回は、福島の味をみなさんにもぜひ味わっていただくべく、福島のお正月に食べ親しまれている郷土料理をご紹介したいと思います。

福島県のお正月料理3品をピックアップ

お酒のおつまみに最高な「いか人参」

するめは「寿留女」の字をあて、祝い事を表す縁起もの。

そんなするめを使う、福島県の郷土料理としてポピュラーなのが「いか人参」です。

メディアでの露出も手伝って、全国的知名度も上がってきているのではないかと思います。

▲県内で出回っているいか人参用のきりいか

するめと人参、とてもシンプルな材料ですが、作り方は各家庭様々。一般的な漬けダレは「しょうゆ・酒・みりん」かと思いますが、我が家ではしょうゆのみ。

母はよく、 「いか人参に必要なのは、おいしい人参とよく切れる包丁のみ!」 と豪語しています(笑)。

確かに、シンプルだからこそ、人参の歯ざわりや質は重要だと、自分で作るようになって改めて感じています。

甘めが好きな方は、お好みでみりん等を。めんつゆを使るのもアリかなと思います。

材料(4人分)

・するめ(いか人参用)……40g
・人参……1本
・しょうゆ……大さじ5
・酒……大さじ3

作り方

1. するめをバッドに出し、酒をまぶして30分程漬けてふやかす。

2. 人参は5cmの長さで2~3mm幅の細切りにする。

3. 切った人参をザルに移し、熱湯(分量外)をかけしっかり水気をきる。

4. ジッパー付き保存袋に、1と3、しょうゆを入れて混ぜ、空気を抜いて密閉させて1日~漬ける。

ポイント

●いかのうま味と酒の風味がおいしさの秘訣ですが、アルコールが苦手な方は煮切った酒を使用してください。

●人参は熱湯をかけると色鮮やかになり甘みが増すのですが、かけすぎると歯ごたえが損なわれるため、サッとでOK。

●いか人参用のするめが手に入らない場合は、乾燥するめの胴体のみをキッチンはさみなどで細く切って使用してくださいね。

つまむ手が止まらない「豆数の子」

大豆を青いうちに収穫したひたし豆と数の子で作る「豆数の子」も、福島のハレの日に登場する一品。

出汁の効いた漬け汁と数の子のうま味と塩気、豆の甘味が絶妙にマッチし、つまむ手が止まらないおいしさ。もちろんお酒にもばっちり合います!

「まめに働く」の語呂合わせや、丈夫・健康を意味する豆と、子宝・子孫繁栄を祈る数の子を組み合わせている縁起の良い料理です。

材料(5~6人分)

・数の子……70g
・ひたし豆……70g
・塩……小さじ1

【A】
・酒……大さじ1と1/2
・みりん……大さじ1と1/2

【B】
・しょうゆ……大さじ2
・出汁……1カップ

作り方

<下準備>
ひたし豆を水でよく洗い鍋に入れ、たっぷりの水に一晩浸す。

1. 豆浸した鍋をそのまま火にかけ、沸騰後塩を入れる。泡をすくいながら20分~好みのかたさになるまで茹でる。

2. Aを煮きってアルコールを飛ばし、Bと合わせる。

3. 数の子を食べやすい大きさにほぐす。

4. 茹であがった豆をざるにあけ水気をきったら、温かいうちに2に加える。

5. 冷めたら数の子を加え、保存容器に移す。冷蔵庫で保管し2~3時間味をなじませる。

ポイント

●数の子は塩漬けでも味付けでもOK。塩漬けの場合は塩抜きしてください。

●豆は茹ですぎ厳禁! 歯ごたえがある方がおいしいです。

●薄口しょうゆを使うと色よく仕上がります。

家庭によって様々な味わい「ざくざく」

福島の郷土料理として有名なのは、いか人参の他に、会津地方で食べられている「こづゆ」が挙げられますが、筆者の地元である二本松市では、似て非なる食べ物「ざくざく」という料理が主流。

ざくざくとは、根菜や焼き豆腐、こんにゃくなどをさいの目にざくざくと切った具沢山汁のこと。

家庭によって入れる具材は様々ですし、汁を多めにしておつゆとして食べる家庭もあれば、煮物感覚で食べる家庭も。これといった決まりが無いのが特徴です。

今回は、我が家の味をご紹介します。

材料(5~6人分)

・人参…1本
・大根……1/3本
・ごぼう……1/2本
・里芋……4個
・しいたけ……4個
・こんにゃく……小1枚
・焼き豆腐……1パック
・さつま揚げ……3枚

【A】
・しょうゆ……60ml
・塩……小さじ1(お好みで調整)
・みりん……大さじ2
・酒……大さじ2

・出汁……1リットル

1. 具材をすべて1cmほどのさいの目に切る。

2. 鍋に水(分量外)をはり、焼き豆腐・しいたけ・さつま揚げ以外の具材を入れて下茹でし、ざるにあけておく。

3. 鍋に出汁を入れ沸騰させたら、焼き豆腐以外の具材とAを加えて煮る。野菜が煮えたら焼き豆腐を加える。

ポイント

●ざくざくが出るときにはごちそう確定なので、我が家は肉なしでバランスを取りますが、鶏もも肉を加えるともっとおいしくなるのでおすすめです。

●具材の下茹では、澄んだきれいな汁にするためでなのでサッとでOK。

【おまけ】気になるのでやってみた「ひきないり餅」

大根・人参・油揚げを甘辛く炒め煮した「ひきないり」も、福島の定番総菜の一つ。大根炒りと言う家庭もあり、給食のメニューとしても登場します。

ハレの日メニューではないのですが、このひきないりを餅に絡めて食べる地域もあるそうで、ちょうど餅を食べるシーズンということもあり、気になったので試してみました。

……うん、確かに合う! おいしいつゆを吸った油揚げが餅にマッチして、餅巾着感覚で食べられます。

ひきないり餅として食べるために、汁は多めに作るんだそうです。これは筆者も初知りでした。ぜひ、つゆ多めのレシピでお試しください。

材料(4人分)

・大根……1/4本
・人参……小1本
・油揚げ……1枚

【A】
・しょうゆ……大さじ2
・みりん……大さじ1
・酒……大さじ1
・砂糖……大さじ1
・出汁……2カップ

作り方

1. 大根、人参は長さ5cmほどの細切り、油揚げは半分に切ったものを更に1cm幅に切る。

2. 鍋にサラダ油(分量外)を熱し、大根と人参を加え炒める、少ししんなりしてきたら油揚げとAを加えて蓋をし10分程煮る。

3. 火を止め冷ましながら味をなじませる。

福島県の郷土料理、作ってみてくだっしょ!

みなさんはお正月、どのように過ごされていますか?

私は小さいころから、“元旦からお金は使うな!”と言われて育ったので(笑)、家でのんびり過ごしています。

小さい頃は亡き祖父の家にいとこがみーんな集まって、小銭のつかみ取りをしたものです。

祖父の家には大五郎の4L容器に、10円玉、100円玉それぞれびっしり貯められていて(500円玉はキャベジンのビンだった…笑)、つかみ取りの時にそれをこたつ一杯に広げてつかみ取りをするのです。それがお年玉代わり。楽しかったなあ……。

今回ご紹介したメニューは郷土料理といえど、材料は手に入るものばかりですので、ぜひ今年のお正月に、たまには違ったメニューを取り入れてみてはいかがでしょう。

ご家庭で福島の味を味わっていただけたらとてもうれしいです♪

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