連載【今すぐ楽しく!まいにちSDGs①】 選ぶだけで「プラスチック削減・節水・節電」に貢献!洗剤の秘密【花王】

  • 2021年08月23日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

最近よく耳にする「SDGs(エスディージーズ)」。
子どもたちも、その子どもたちの世代も、豊かな環境で暮らせるために、世界で「17の目標」を設定しています。

「未来のより良い世界」のために大切、とは思うものの「具体的なことはよくわからない」「自分に今できることって何?」という方が多いのではないでしょうか。

そこで、ヨムーノでは、「毎日の暮らしの中でできるSDGs」を一緒に考える新連載をスタート。 身近な商品やサービスを通して「まずは知ること」、それを通して「普段の暮らしで今すぐできること」を楽しく学んでいきたいと思います。

第1回は、毎日の洗濯に欠かせない「洗剤」をピックアップ。
「アタックZERO」を中心とした、花王のSDGsに貢献する取り組みを伺いました。

お話を伺ったのは

大谷純子さん【花王 ESG部門 ESG広報担当部長】

2006年 花王入社。花王グループの企業理念「花王ウェイ」の啓発活動、社内広報を経て、13年グローバルコーポレートコミュニケーション推進を担当し、中期経営戦略に基づくプロジェクトを推進。17年より経営サポート部門を兼務し、トップコミュニケーションのサポートを担当。18年より現職。

大人気「アタック ZERO」が新たに「100%再生プラスチックボトル」を採用

サステナビリティに配慮した原料を使用し、"アタック史上最強の洗浄力"がコンセプトの衣類用洗剤「アタック ZERO」。
この4月にバージョンアップした改良品では、洗浄力がアップ。抗菌やウイルス除去、洗濯機防カビなどの成分もプラスされました。
2019年の発売時から、環境に配慮した原料を主成分にしていましたが、今回新たに本体ボトルに「再生プラスチック」を採用。より地球にやさしい商品をめざしています。

ここがSDGs!①「100%再生プラスチック」ボトルの採用

本体ボトルには、使用済みプラスチックを活用した再生プラスチックを100%使用。新しいプラスチックを使わないことで石油の使用量を減らし、CO2削減に貢献しています。

ここがSDGs!②サステナブルな洗浄基材「バイオIOS」の開発

洗剤の原料に適した天然油脂は、世界の総生産量のたった5%。そこで、これまで使い道が限られていた、食用油を採取したあとの固体油脂から、高い洗浄力を持つ洗浄基材「バイオIOS」を開発し、採用。資源の有効活用を進めています。

ここがSDGs!③「すすぎ1回」で節水を実現

洗濯の時間が短縮し、節水効果もアップする「すすぎ1回」。洗剤が繊維に残りにくいので、「すすぎ1回」で、洗剤を十分きれいに落とせます。

「つくる→買う→使う→捨てる」すべての段階で環境に配慮したモノづくり

体を清潔に保ち、きれいな衣類に身を包み、すっきりした住まいで暮らすことで、心地よい毎日を送る。
そんなライフスタイルを支えるのが、さまざまな日用品を幅広く扱う花王がめざすところ。快適で豊かな暮らしを実現するためには、今や環境への配慮も欠かせません。

そのための具体的な行動として、何ができるのか。

製品をつくってお届けし、使っていただいた後はリサイクルする。『循環型社会』の実現に貢献するよう、製品ライフサイクル全体で取り組んでいくことが必要です。(大谷さん)

「使うことでSDGsに貢献できる!」花王の取り組み

私たち消費者が、毎日の生活でSDGsにどんな貢献ができるのか?「アタック ZERO」を例に、2つの具体的なポイントを大谷さんに伺いました。

【POINT1】使い捨てをやめる!「つめかえ」でプラスチック削減

そのままでは分解されることがないプラスチック。特に「海洋プラスチック」問題は深刻で、2050年にはプラスチックの量が魚の数を上回るという予想もあります。

そうはいっても、プラスチックはもはや生活に欠かせない便利な素材で、完全になくすことは不可能です。その代わり、できるだけプラスチックを使わないようにすることが、私たちにできることの一つとなります。

プラスチックを使う量を減らすために、花王では、

  1. 洗剤の濃縮化で本体をコンパクト化する
  2. つめかえ・つけかえ容器の開発・促進

などを行っています。

2020年時点で、花王のつめかえ・つけかえ製品は、約83%と大きなウエイトを締めています。また、アタック ZEROでは内容物の濃縮化による「容器のコンパクト化」により、コンパクト化していない衣料用液体洗剤と比べて約1/6に減らしています。

特に「つめかえ」の購入は、私たち消費者にとっても、すぐにできるSDGsアクションです。つめかえパッケージは薄くて小さいので、本体ボトルに比べて、大幅にプラスチックを使う量が少なくてすみます。

「アタック ZERO」の「つめかえ」を買うことが、そのままプラスチック削減につながっているのです。

多くの方に「つめかえ」商品を使っていただけるよう、快適さを追求するのもメーカーとしての責任です。「アタック ZERO」でも、ストレスなく簡単につめかえできるようなデザインを工夫しています。(大谷さん)

【POINT 2】使うだけで節水・節電!CO2の排出量も削減

花王製品の生産から処理・リサイクルまでの工程の中で、CO2排出量が多いのは「使う」段階。全体の41%を占めます。 いかに製品を使う場面で、CO2の排出を減らしていくかが課題です。

そこで花王は、泡の研究を進め、すすぎの段階で泡がさっと消える技術を開発しました。

洗っているときの「泡立ちのよさ」とすすぎのときの「泡切れのよさ」を両立し、高い洗浄力と節水を実現しています。

この泡切れ技術は、食器用洗剤や衣料用洗剤、ボディウォッシュなど、日常生活を支えるさまざまな製品に使われています。

「アタック ZERO」は、この花王独自の技術により、泡切れがよく、繊維に洗剤が残りにくく、「すすぎ1回」で十分に落ちるのが特徴です。

「すすぎ1回」は、節水だけでなく、節電やCO2削減効果も

水の下水処理やきれいにして家庭に届けるのにも、電力が必要。水の使用量が減ると節電にもなり、その結果、CO2の排出量も減らすことに。

花王の従来のコンパクト化していない衣料用洗剤と比べると、「アタック ZERO」を使うことでCO2排出量が約32%減らせます。

ちなみに、花王の製品の、生産から処理・リサイクルまでのCO2総排出量(2018年実績)をみてみると、最もCO2の排出量が多いのが「使う」段階で、全体の39%を占めます。いかに製品を使う場面でCO2の排出を減らしていくかが課題です。
※この数字は、花王製品全体のデータです

「今までの常識」をやめてみる!まだまだ「日用品選び」でできるSDGs

「アタック ZERO」以外の商品でも、プラスチックを減らすための新たな挑戦が続けられています。

情報を伝えるためのプラスチック製「アイキャッチ・シール」廃止

その一つが、商品の特徴や使い方をわかりやすく伝えるために貼っている「アイキャッチ・シール」の廃止です。

アイキャッチシールにはプラスチックを使用しています。
お客様が製品を購入したら不要になってしまうことを考え、「使わなくてすむプラスチックは極限まで減らしたい」という想いから、花王では2019年の「ビオレU」の取り組みを筆頭に、アイキャッチシールの取りやめを進めています。

メーカーとしては、ひとりでもでも多くのお客さまに商品を買っていただきたいという気持ちもありますので、勇気が必要な決断でした。しかし、花王のプラスチック削減に対する真剣な想いを行動で示すことのほうが重要と考えて出した結論です。(大谷さん)

2021年末までには、使用方法を伝えるうえで必要な場合は紙への変更を行う、その他のコミュニケーションに切り替えるなど、「プラスチック製アイキャッチシールの全廃」を達成する予定です。

「つめかえ」を詰め替えない!?家事の面倒からも解放

もうひとつ、プラスチック削減のための新たなアイデアとして、「つめかえ商品をそのまま使う」提案も始めています。

一部店舗で販売している「スマートホルダー」は、シャンプーやコンディショナー、ボディウォッシュなどのつめかえ商品をそのままホルダーにはめて使えます。

また、「ビオレu ザ ボディ ぬれた肌に使うボディ乳液」では、つめかえ用商品につけて使うと、軽い力で押すだけで一定量の液が出せる「らくらくスイッチ」を採用。フックに吊り下げてそのまま使うことができます。

通販のLOHACOでは、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュそれぞれ専用の「らくらくスイッチセット」を限定で販売しています。
エコなのはもちろん、つめかえや掃除の面倒からも解放されるのは嬉しいですね。

SDGsが考え抜かれた「商品選び」でSDGsに積極的に参加!

みなさんにお届けする商品を通して、「SDGsに貢献し、より良い社会を実現すること」が花王の願いです。ただし、SDGsは私たち企業だけが努力するものではなく、使い手であるみなさんにも積極的に参加していただきたいと考えています。 これからも快適な生活を支えるメーカーとして、使い手であるみなさんと一緒に、よりよい未来をつくるSDGs商品の選択肢を増やしていきたいと思っています。(大谷さん)

今回わかったこと。
私たちが今日からすぐできることの一つが、「お店でどんな商品を選ぶか」ということです。
ものを選ぶ基準として、値段や機能、利便性、デザインだけでなく、「環境や未来の社会のためによいもの」という選択肢を持つことが、SDGsの第一歩になるんですね。

取材・文/工藤千秋

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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