血糖値を下げるのになぜ「お酢」がいいの?お今日から試したいお酢のアレンジレシピ

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

高血圧や高血糖が慢性化すると、高血圧と糖尿病という「二大生活習慣病」を抱えてしまいます。最近、これらの疾患の予防のために、若い世代に対してもテレビやメディアで「お酢」が話題となっています。

今は健康に生活できていると思っていても、将来大きなリスクとならないよう、普段からの心がけが大切。今回は、血糖値を下げるために「お酢」を活用する方法を、医学博士の渡辺尚彦先生に伺いました。

血糖値を下げるのには「お酢」が効く?

お酢が健康にいいことは昔から知られていますが、それは、一般的な食酢に5%前後含まれる「酢酸」の働きによるものと考えられています。特に注目したいのが、血糖値の上昇をゆるやかにする効果。

お酢はどのようにして、血糖値の上昇をゆるやかにしているのでしょうか。

血糖値の上昇をゆるやかにする「お酢の3つの効能」

  1. お酢を使った料理を食べるとまず、胃から腸への移動が遅くなりますので、これだけでも食後の血糖上昇をゆるやかにできます。

  2. ご飯などのデンプンを摂ると、吸収されやすいように小腸でブドウ糖に分解されます。お酢にはこの酵素の作用を抑える働きもあるため、糖が吸収されにくくなり、結果的に食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。

  3. お酢は肝臓にも作用し、ブドウ糖の放出を抑制する仕組みも解明されています。

血糖値の上昇を抑える「お酢と食べ物の組み合わせ」

お酢は、単体で摂るよりも、食べやすくアレンジして生活に取り入れたほうが長続きします。

「血糖値が心配だからお酢を多めに摂りたいけど、お酢特有の酸味が苦手......」
「お酢を使った料理を毎日作り続けるのはちょっと......」

そう感じる方のために、身近な食品と組み合わせることでお酢をより手軽に、よりおいしく、より効果的に摂れる方法をご紹介しましょう。

「酢納豆」

納豆もまた、食後血糖値の抑制効果を持つことで有名な食品です。原料となる大豆そのものに、糖質の吸収を抑える水溶性食物繊維が豊富なのですが、納豆には水溶性食物繊維が同量の大豆の約1.5倍も多く含まれているのです。

またグルコマンナンやグアーガムなどの粘性物質は、その粘度が高いほど強い食後血糖値の上昇抑制効果が高いといわれています。納豆は発酵によって、大豆にはない高い粘性が生まれていることも、血糖値の上昇をゆるやかにする効果の理由の一つと推測されています。

【作り方】 納豆を食べる時、しょうゆの代わりにお酢を入れるだけ。分量は、納豆1パックに対し、お酢が小さじ1/2~小さじ1杯くらいが目安です。

「生姜酢」

生の生姜に多く含まれる、辛み成分の一つである「ジンゲロール」は、脂肪の蓄積を抑える効果や、食後血糖値の上昇を抑える効果などがあることが、実験で確認されています。この働きと、お酢の効果をミックスさせたのが「酢生姜」です。

多めに作っておくと、いろいろとアレンジして毎日使えるのも、酢生姜の嬉しい点です。酢生姜に蜂蜜を加え、お湯を注ぐとジンジャーティーに、炭酸水ならジンジャーエール風に楽しめます。

また、千切りにして冷ややっこや湯豆腐の薬味にする、焼き魚に添える、ご飯に炊き込むなど、アイディア次第で使い道はたくさんありそうですよね。

【作り方】
よく洗い、皮がついたまま薄くスライスした生姜がひたひたに浸かるくらいお酢を注ぎます。一晩漬けたら食べられますが、2〜3日置くと生姜の辛みがまろやかになります。密閉容器に入れて冷蔵庫で2週間ほどで使い切りましょう。

「酢玉ねぎ」

玉ねぎに含まれる辛み成分・硫化アリルには、ビタミンB1と結合し、血糖値を下げるインスリンの分泌を促進する働きがあります。また玉ねぎに多く含まれる黄色の色素成分「ケセルチン」はお酢の酢酸とともにインスリンの分泌を助け、血糖値の低下を促します。

これらの効果は生でも加熱しても効果は変わりませんが、栄養分が溶け出すのを防ぐため、水にさらさないほうが良いでしょう。

【作り方】
玉ねぎ大2個を薄切りにし、米酢150ml、はちみつ1/2カップ、塩小さじ1とともに保存容器に入れ、よく混ぜる。冷蔵庫で5日間ほど味をなじませたら完成です。

酢玉ねぎも、アレンジしやすい食品。もずくや納豆と混ぜたり、オリーブオイルと混ぜてドレッシング風に使ったり、と作り置きしておくと便利ですよ。

まとめ

身近な食材を使った、日常に取り入れやすい3つのアレンジレシピ、いかがでしたか?

お酢をおいしく食事に取り入れるアレンジ方法を知っていれば、日々の食生活で自然に取り入れやすいはずです。

キッチンにお酢を常備して、ぜひ血糖値を低下させる生活習慣を根付かせてみましょう。

【監修者紹介】 渡辺尚彦[ワタナベヨシヒコ]

医学博士。東京女子医科大学東医療センター元教授、愛知医科大学客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学臨床教授、聖光ヶ丘病院内科医師。高血圧を中心とした循環器疾患が専門。1987年から連続携帯型血圧計を装着開始。以来24時間365日、血圧を測定し続けている。『血圧を下げる最強の方法(アスコム)』など著書多数。
渡辺尚彦

【参考文献】
『血圧を下げる最強の方法(アスコム)30年間×24時間 自分の血圧を測り続けている専門医だからわかった正しい降圧法』(渡辺尚彦著)
『高血圧をもっと下げる新常識(笠倉出版社)』(渡辺尚彦著)
『誰でもスグできる! 血圧をぐんぐん下げる 200%の基本ワザ(日東書院本社)』(渡辺尚彦著)

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ヨムーノ 編集部

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