血糖値の急上昇に「お酢」が絶大効果!血糖値を下げる食べ物とNG行動とは?
- 2023年06月27日更新
こんにちは、くふうLive!編集部です。
糖尿病の食事療法やダイエットに「お酢」を取り入れることが、テレビをはじめとするメディアで取り上げられ話題になっています。
具体的に、血糖値が上昇すると、私たちの体にはどんな影響があるのでしょうか。そして、お酢を使った効果とは?
今回は、血糖値の低下に関する「お酢の効果」について、医学博士の渡辺尚彦先生に伺いました。
血糖値が急上昇するとどうなるのか?
血糖値の上昇・低下のときの体の仕組み
そもそも、血糖値が急上昇している状態とはどのようなものなのでしょうか?血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のこと。
私たちの体は、血液中のブドウ糖をエネルギー源として動いています。 ブドウ糖は、お米やパン、芋類などの炭水化物の糖分に含まれています。食事でこのブドウ糖(糖)を摂取すると、血液中の糖の割合が高くなります。
体の中で血糖値が高くなった情報がキャッチされると、インスリンが分泌されます。インスリンは血液中のブドウ糖をエネルギー源として細胞に取り込んだり、脂肪や筋肉に蓄えることで血糖値を下げたりしています。
このインスリンの分泌が正常に働かず、あまりにも血糖値が急上昇することで、インスリンの分泌が間に合わなくなり、血糖値が高い状態が続き、糖尿病などの病気につながってしまうのです。
血糖値が急上昇する原因とは?
大量の“糖”を短時間で摂取する(早食い)
ご飯やパンなどの糖を多く含んだ食べ物を短時間で食べることで、血糖値が急上昇してしまいます。特に空腹状態でいきなり糖を大量摂取すると血糖値が上がりやすい傾向があります。
大切なのは、一気に血糖値を上げないこと。血糖値と血圧は密接に関わっていて、早食いをすると、食後の血糖値が急上昇するのと同時に、食後の低血圧を起こし失神することもあります。
血糖値が上がるのと同時に、全身の血管が開き、血圧が低下します。このときに、コーヒーやお茶などのカフェインを含む飲料を摂ると、アデノシンの拡張を抑えられるとされています。食後にコーヒーやお茶を飲むのが私たちの習慣となっているのはこのためで、とても良いことなのです。
糖の摂取のしすぎ
糖の多い食材は血糖値を上げるため、過剰摂取は控えましょう。たとえば、以下のような普段から身近な食材にも、糖が多く含まれています。
- 白米や、パンなどの炭水化物
- 米粉を原料としたお菓子
- フライドポテト
- マッシュポテト
- ドーナッツなど甘いお菓子
運動不足
運動をしないと摂取した糖がエネルギーとして使われず残ってしまう状態となります。
一定以上の運動を続けることは、ダイエットや高血糖の抑制に効果があり、体脂肪を消費し、動脈硬化の原因となるLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らしてくれます。
ストレス過多
ストレスを感じるとコルチゾルやアドレナリンなどの分泌が増えます。これらのホルモンは、血糖値を上昇させる原因にもなります。
放っておくと認知症にも!?「睡眠時無呼吸症候群」の怖さ
最近、特に塩分摂取量が多くない人の中で、最近話題の「睡眠時無呼吸症候群」が高血圧や糖尿病の原因のひとつであることがわかってきました。
睡眠時無呼吸症候群は、いびきや日中に強い眠気が襲ってくることが特徴で、肥満や体質が原因で発症する病気です。
人によっては1〜2分、長い人では3分以上も息が止まるので、脈拍の変動や血圧上昇を招き、知らぬうちに血糖値が上がってしまうことがあります。すると、高血圧体質になってしまう場合も。
さらにそれを放置すると、高血糖が慢性化してしまい、高血圧と糖尿病という2大生活習慣病を抱え込むことになってしまいます。これが進むと、心筋梗塞や脳卒中、脳梗塞や、認知症などの大きなリスクにもなるのです。
血糖値が急上昇すると起こる症状
- のどが乾く
- 尿の量が増える
- 眠気(特に食後)
- 倦怠感
- 吹き出物がでやすくなる
血糖値の急上昇を防ぐために
血糖値を急上昇させないためのポイントを紹介します。
①「お酢」を上手に組み合わせて食べる
「お酢」やおくら、納豆などは、胃から小腸への食べ物の移行を穏やかにするため、積極的に摂取するとよいでしょう。食事で「お酢」を摂取することで、血糖値の上昇を抑えることができます。
血糖値を下げるために膵臓からインスリンが分泌されますが、その分泌が減少すると、脳梗塞などを引き起こす原因となります。
すべてのお酢に入っている「酢酸」が、血糖値、血圧を下げ、内臓脂肪を減らしてくれるのです。酢酸が体内に入ると、細胞からアデノシンが分泌され、血管が広がります。継続して摂り続けることが大切です。
血糖値を下げる「お酢」の効果に注目!簡単&おいしい"3大食材"のアレンジレシピ
②食べる順番を変える
酢酸を最大限に活かす酢の物の食べ方とは?答えは、食事の「最初」に食べることです。食事の最初に食べると、血糖値の上昇を防ぐことができます。残り汁もとるのが理想です。
少し前にトレンドとなった“先ベジ”をご存知でしょうか?これは、先に野菜を摂取し、「糖質を最後」に摂るという食事の順番のこと。
たとえば、「副菜(野菜・きのこ・海藻)※食物繊維の多いもの」→「主菜(肉・魚)」→「糖質(ごはん・ぱん・麺類)」といった順で、野菜から食べることで血糖上昇の抑制効果が確認されたという研究もあります。
③ゆっくりよく噛んで食べる
満腹中枢が血糖値の上昇を感知するまでに約15分かかるため、ゆっくり食事をしたほうが血糖値の上昇状態を避けることができます。
1日3食かならず食べる
毎日、朝・昼・晩の3食は必ず食べましょう。欠食をすると、3食しっかり食べたときよりも、食後の血糖値が上がりやすくなってしまうためです。特に、朝食を抜くのはNGです。
血糖値を"自然に"下げる11大食材!糖尿病にならないために今からできること
まとめ
成人の約6.4人にひとりが糖尿病患者もしくは糖尿病予備軍とされる昨今、血糖値のコントロールは私たちの大きな関心事になっています。
同時に、お酢や納豆などの、血糖値上昇抑制効果のある食材や、積極的に摂取したクエン酸などの成分が注目され、市販の飲料やお菓子などにも幅広く用いられるようになりました。血糖値を下げるための正しい食事の順番も、毎日の中でできるひと工夫です。
お酢は、毎日継続的に摂取することで、さまざまな健康改善をもたらしてくれます。お酢の「整える力」で、健康的な体を目指してみませんか?
【監修者紹介】 渡辺尚彦[ワタナベヨシヒコ]
- 医学博士。東京女子医科大学東医療センター元教授、愛知医科大学客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学臨床教授、聖光ヶ丘病院内科医師。高血圧を中心とした循環器疾患が専門。1987年から連続携帯型血圧計を装着開始。以来24時間365日、血圧を測定し続けている。『血圧を下げる最強の方法(アスコム)』など著書多数。
【参考文献】
『血圧を下げる最強の方法(アスコム)30年間×24時間 自分の血圧を測り続けている専門医だからわかった正しい降圧法』(渡辺尚彦著)
『高血圧をもっと下げる新常識(笠倉出版社)』(渡辺尚彦著)
『誰でもスグできる! 血圧をぐんぐん下げる 200%の基本ワザ(日東書院本社)』(渡辺尚彦著)
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