"白菜の大量消費"は絶対にこれ!!【あれだけ山盛りだったのに、くたくた♡】「エッセイで話題の食べ方」ピェンロー鍋

  • 2024年12月10日更新

こんにちは。冬になると週の半分以上が鍋になる、ヨムーノライターの蘭ハチコです。

熱々の鍋にいろいろな具材を入れて、フーフーしながら食べるのは格別。

なかでも、日本テレビ系のドラマ『東京タラレバ娘』で登場するなど注目を集めた「ピェンロー鍋」はすっかり我が家の定番です。

たっぷりの白菜を使ったシンプル鍋

劇場設計者や小説家などの顔をもつ、妹尾河童さんが著書『河童のスケッチブック』で紹介していた「ピェンロー鍋」。

著書のなかで、中国に長く住んでいた友人が教えてくれた「広西州の田舎料理」と述べています。

漢字で書くと「扁炉」。「扁」とは「ささやかな」「素朴な」という意味があるそうで、中国の素朴な白菜鍋と紹介していました。

具材は白菜、椎茸、豚肉、鶏肉、春雨とごくごくシンプル。

それでも何人もの友人から催促されるそうですよ。妹尾さんによると「この鍋のいいところは『えいやっ!』と大ざっぱに作っても間違いなく美味しい」とのこと。

『河童のスケッチブック』を参考に作ってみましょう。

妹尾河童さん「ピェンロー鍋」の作り方

材料(5人分)

  • 白菜…1玉
  • 干し椎茸…50g(水に浸けて戻しておく)
  • 豚バラ肉の薄切り…500g
  • 鶏もも肉…500g
  • 春雨…1袋
  • ごま油…適量

調味料

  • あら塩…適量
  • 一味唐辛子…少々

今回はざっくり2~3人前作ることに。春雨は様子を見て追加していきました。

白菜は、1/2玉を使用しました。それでも白菜の量が多いので、大きな鍋を使用するのがおすすめです。

材料の補足

『河童のスケッチブック』では中国山東省龍口(りゅうこう)の「緑豆春雨」が溶けてドロドロにならないと勧められていました。

産地の記載はありませんでしたが、今回は中国産を使用。

ごま油は極上品より、色が付いていて香りの強い普通のもの。あら塩は精製した卓上塩でないものがいいとの記載もあったので、参考にしてください。

作り方①材料を切る

白菜は5cmのザク切りにし、根元と葉先に分けておきます。豚バラ肉と鶏もも肉は食べやすい大きさに切っておきましょう。

作り方②白菜を煮る

大きい鍋に白菜の白い部分を入れ、たっぷりの水と干し椎茸の戻し汁を加えて、火をつけてください。

椎茸は食べやすい大きさにスライスしておきます。

作り方③他の具材を入れる

沸騰したら豚肉、鶏肉、椎茸を入れ、ごま油を大さじ4ほど入れてください。材料を鍋に入れる順序や火加減に気をつかう必要はないとのこと。

とはいえ、強火だと吹きこぼれてしまうため、様子を見ながら調整するのがよいでしょう。

作り方④残りの白菜を入れて煮る

しばらく煮て、残りの白菜の葉を追加してください。

この時点で我が家の特大鍋はてんこ盛りですが、煮えるとかさが減るので安心してくださいね。

煮る時間の目安は40分。途中でアクを取りながら煮込みました。

作り方⑤春雨を入れる

最後に春雨を入れて、食べる直前にごま油を”の”の字を書くように再度たっぷりと垂らせば、できあがり。

春雨は煮すぎないよう注意してくださいね。

調味料のあら塩と一味唐辛子は、後から器に入れるので、用意しておきます。

【実食】優しさの中に感じる滋味深さ

作り方は簡単ですが、大事なのはここから。

鍋の中は味付けされていません。器にあら塩を好きな分だけ、一味唐辛子を少々入れて、鍋のスープで溶かしていただきます。少し塩加減が濃いほうがおすすめなのだとか。

入れすぎには注意しながら、味を調整してみてくださいね。

ごま油の芳醇な香りがふわりとただよいました。その香りに導かれるようにスープをひと口。澄み切った味わいと具材の旨みが舌に染み込みます。

最低限の調味料だけなのに、こんなにも豊かな味わいになるとは、何度食べても驚きです。

あれだけ山盛りだった白菜はいつの間にかくたくた。じんわりと広がるスープの旨みをまとい、冬の寒さを忘れさせてくれます。

スープをたっぷり吸い込んだ春雨は、口につるんと滑り込む幸福。

パサつくことなくしっとりやわらかな鶏肉、脂の甘みと肉の旨みが溶け合い、舌の上でほぐれていく豚バラ肉、心を揺さぶる美味しさです。

脂が溶け出ているため、しつこさは感じられません。

塩と一味唐辛子だけで調えた優しくも鋭い味わいが、その存在感をさらに引き立てます。

豚肉が飽きたら鶏肉へ、その逆も然りで、なんとも贅沢な鍋なのでしょう。

締めはピェンロー粥で

最後はご飯(分量外)を加えて、ピェンロー粥にすると余すことなく味わえます。

同じように塩と一味唐辛子で味付けをして、卵(分量外)を割り入れました。素材の美味しさを存分に吸い込んだ粥は絶品ですよ。

この冬はピェンロー鍋を

今回は1/2玉の白菜を使ったのですが、一番はじめに平らげたのは白菜でした。それほど白菜が美味しくなります。

この冬を乗り切れるような力強ささえ感じられるピェンロー鍋。ぜひ作ってみてください。

出典:妹尾河童. 河童のスケッチブック.文春文庫,1999, p.224-227.

この記事を書いた人
業務スーパーとカルディに毎週通う!webライター
蘭ハチコ

業務スーパーとカルディに毎週通い、お得に美味しく適度な手抜きをして生活しています。海外グルメとお酒のおつまみには目がないwebライターです。「美味しいものは人を幸せにする」と信じています。毎日がちょっと幸せに過ごせる、お得で美味しい素敵なモノをご紹介します♪

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