「お願い!水で炊かないで」【絶対やってはいけないご飯の炊き方・お手入れ】知らないと危険!食中毒対策まとめ

  • 2024年06月29日公開

こんにちは、管理栄養士でヨムーノライターの安達春香です。

気温30℃を超える日が多くなり、食中毒が気になる季節がやってきました。お弁当のおかずや作り置きに気を配っている人は多いと思いますが、実はご飯にも注意が必要。

炊飯器の使い方を一歩間違えると、菌が増殖してしまうかもしれないんです!

今回は、炊飯器での食中毒対策をご紹介します。

寝ている間に菌が増殖!?予約炊飯の注意点

朝起きてすぐにご飯が食べられるよう、寝る前に予約炊飯を利用している人は多いですよね。しかし気温が高い夏場は、水に浸けている間に菌が繁殖する可能性があります。

菌が増える条件は「水分」「栄養」「温度」。この3つを満たした炊飯器内は、菌にとって心地いい空間なんです。

「炊くときに菌が死ぬから大丈夫でしょ!」と思われがちですが、熱に強い菌もいるため油断は禁物です。

管理栄養士としては、できれば夏場は予約せずに炊いてほしいのが本音。お米と水を入れた内釜にラップをして冷蔵庫で保存し、朝起きてから早炊きモードで炊くのがおすすめです。

低い温度で長時間浸水させると、しっかり水を吸ってふっくらしたご飯になるといわれているので、おいしく炊けて食中毒対策もできて一石二鳥。

そうはいっても、起きてすぐにご飯が食べたい人もいるでしょう。ここからは、予約炊飯するときの食中毒対策をお伝えします。

対策①氷を入れて水温を下げよう

置く時間が長ければ長いほど水温がドンドン上がってしまうので、氷を入れて炊飯器内の温度を下げましょう。

氷の数は、お米2合なら7個、3合の場合は10個が目安。内釜にお米と氷を入れて、目盛りに合わせて水を加えてくださいね。

対策②寝る直前にスイッチオン

氷で水温の上昇を防げるとはいえ、長時間放置するのは危険!大手家電メーカーでは、夏場の暑い時期は「8時間以内」のタイマー予約を推奨しています。

もし菌が増えなかったとしても、お米が発酵して嫌な匂いが発生してしまうため、寝る直前にお米を研ぎ、予約時間はできるだけ短くしましょう。

出典:農研機構「米の浸漬温度・浸漬時間の調節による加工米飯の食味および食味保存性の向上」

出典:象印「夏場など暑いときのタイマー予約炊飯」

意外と間違っている?ご飯の食中毒Q&A

予約炊飯以外にも、夏場は気をつけたいポイントがいくつかあります。

いつも何気なくやっているあの行動が、実は食中毒の原因になっているかも! ここではご飯の食中毒Q&Aをご紹介します。

Q.ご飯をよそったしゃもじを炊飯器に入れていい?

使ったしゃもじを炊飯器に入れるのはやめておきましょう。しゃもじの取っ手には、手から移った菌がたっぷり。なんと53〜78万個もの菌がついているといわれているんです。

そんなしゃもじを温かい炊飯器に入れると、菌が大繁殖してしまいます。また、プラスチック製の場合、溶けてしまう恐れもあるので使ったら必ず取り出してくださいね。

100均などで売られている立つしゃもじや、しゃもじスタンドを使うのもおすすめです。

出典:キレイキレイ「キッチンには菌がいっぱい!」

Q.食べきれなかったご飯を、また炊飯器に戻すのはあり?

たくさんお茶碗に盛ったは良いものの、食べきれずに残してしまうこともありますよね。ですが、一度お箸をつけたご飯を炊飯器に戻すのは絶対にNG!!!

私たちの口の中には、500種類以上の菌が住んでいるといわれていて、中には食中毒を引き起こす「黄色ブドウ球菌」も含まれています。口をつけたお箸には菌がびっしりついているので、食べ残しは必ず廃棄しましょう。

出典:埼玉県宮代町「食中毒を予防しましょう!」

出典:日本訪問歯科協会「食中毒予防と口腔ケア」

Q.内ぶたはどのくらいの頻度で洗う?

炊飯器の内ぶたは、使うたびに洗うのがおすすめ。見た目ではあまりわかりませんが、炊飯中に出る液体がついてしまうため、実は結構汚れがたまりやすいんです。

放っておくと菌やカビが繁殖し、ご飯から嫌な匂いがしたり、味が落ちたりすることも……。

あまり汚れていなければ水洗い、汚れが気になるときは台所用の中性洗剤で洗います。ふきんで水分を拭き取り、しっかり乾燥させてから炊飯器にセットしましょう。

また、炊飯器のお手入れで意外と見落としがちなのが、内ぶたの裏側。内ぶたを取り外したついでに汚れを拭き取るようにしてくださいね。

出典:TIGER「炊飯器を掃除して、毎日おいしいご飯を食べよう」

出典:TBS「炊飯器の内ぶたにある注意書き、守らないと起こる“変化”」

正しく使って食中毒予防!

夏の炊飯器には危険がいっぱい。ご飯をおいしく安全に食べるためには、炊き方やお手入れ方法に注意が必要です。ちょっとした工夫で食中毒のリスクを減らせるので、正しく使って家族の健康を守りましょう。

この記事を書いた人
おいしいと健康を両立させたい管理栄養士ライター
安達春香

趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!

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