あなたの身近にも潜む「違法賭博」とは?何が悪い?巻き込まれないために気を付けるべきこと【取材協力:警視庁】

  • 2024年06月22日公開

こんにちは!ヨムーノライターのたすくです!

某メジャーリーグ選手の通訳が起こした事件で、一躍注目が高まる「違法賭博」。
知らないうちに自身が巻き込まれてしまったらと考えると、決して他人事ではありませんよね。
被害者になることはもちろん、知らず知らずに加害者となってしまったらと考えるととても恐ろしいことでしょう。

そこで今回の記事では、「違法賭博とは何が悪いのか、巻き込まれないための知識と対策」について、警視庁への取材をもとにまとめました。
この記事が、違法賭博について考えるきっかけになったら嬉しいです。

【警視庁に聞いた】違法賭博の何が悪いのか「被害を避ける防犯対策」

パチンコや競馬など、いわゆる「ギャンブル」は私たちの生活にも身近に存在するものです。
友人同士などの仲間内で、ちょっとした賭け事をした経験がある方も少なくないでしょう。

これらギャンブル・賭け事における「違法or合法」のラインはどこにあるのでしょうか。
自分でも知らないうちに「違法賭博」に巻き込まれてしまうのは避けなければなりませんよね。

そんな不安を解消するため、「違法賭博とは何なのか」「知らずに巻き込まれないための対策と困ったときの相談先」を警視庁に取材・質問してきました。

今回取材したのは【警視庁】

警視庁とは、東京都を管轄する警察組織です。

東京都公安委員会の管理の元で、警視総監と副総監をおき、9つの部と警察学校、2つの対策本部と10の方面本部に102か所の警察署で構成されています。

画像出典:警視庁 警視庁本部見学「来て・見て・発見!」警視庁
出典:警視庁 警視庁なんでも図鑑

「違法賭博」何が悪い?気になる疑問を警視庁に聞いてみた

今回は警視庁に、違法賭博に関係する9個の質問にご回答いただきました。

それぞれを順番にみていきましょう。

質問①某メジャーリーグ選手の通訳のM氏の事件は、一体何がどのような問題だったのでしょうか。

M氏の事件については、海外での事件であり、警視庁として個別にお話できることはありません。

その上で、一般論として、日本国内からいわゆるオンラインカジノサイトやスポーツベッティングに接続して賭博を行うことは、そのサイトが海外で運営されているものであっても、賭博罪に問われます。

質問②「違法賭博」とはどのようなものでしょうか、警視庁の定義を教えてください。

違法賭博について、警視庁としての定義はありません。
原則として、賭博をすることは、賭博罪に問われます。

賭博とは、偶然の勝負に関し金銭や財産を賭ける行為のことを指します。

質問③具体的にどのようなものが「違法賭博」になるのでしょうか。

先ほどお伝えの通り、賭博とは偶然の勝敗に関し財物を賭ける行為のことです。
いわゆるオンラインカジノやスポーツベッティングなど、その名称を問わず、賭博を行うことは全て賭博罪に問われます。

例えば、友人同士でサッカーや野球の試合結果にお金を賭けたり、賭け麻雀をする行為も違法賭博にあたり賭博罪に問われます。

質問④違法賭博はどのような罪に問われ、どのような刑が執行されますか。

日本で賭博行為をした場合、50万円以下の罰金などに問われます。
また、常習として賭博した場合は、3年以下の懲役。
賭博場を開張するなどした場合は、3月以上5年以下の懲役。 となります。

質問⑤違法賭博の取締り状況はどのようなものでしょうか。検挙数などデータをご教示ください。

警視庁における賭博事犯の取締りは、令和3年13件、令和4年29件となっています。

この1年間をみても、取締り数は16件増えています。

質問⑥何も知らずに違法賭博に巻き込まれてしまうようなケースはありますか。

いわゆる「オンラインカジノや仲間内だから大丈夫」などと誘われて賭博を行うと、賭博罪に問われることがあります。

学校や職場の友人・先輩などから気軽に誘われて、自覚がないまま違法賭博に関与してしまうことがあるため、注意する必要があります。

質問⑦本人以外の家族ができる違法賭博に関する犯罪や事件への対策にはどのようなことがありますか

子どもに対しては、オンラインカジノ等で賭博をすることが違法であることの説明や、スマートフォンのフィルタリング設定も有効と考えます。
また、家族や知人がギャンブル依存症などに陥っている場合は、専門の医療機関をはじめ、公的な相談機関などの利用を促すことも効果的であると考えます。

いずれにせよ、もし家族や友人が違法賭博に関わっているかもしれないと感じた場合は、早期に警察に相談するようにするとよいでしょう。

質問⑧被害にあったときや困ったときはどこに相談すればいいですか

賭博は犯罪なので、警察に相談してください。
最寄の警察署の生活安全相談係に行くほか、下記電話でも相談することが可能です。

▷警視庁総合相談センター:「#9110」または「03-3501-0110」※相談内容に応じて相談窓口等をご案内します
▷犯罪被害者ホットライン:「03-3597-7830」

質問⑨パチンコやスロットが違法でない理由はなぜでしょうか

パチンコやスロット店の営業については、風営適正化法に基づき必要な規制が行われており、当該規制の範囲内で行われる営業については、賭博罪には該当しません。

そもそも何が悪い?今話題の「違法賭博」とは

以上、警視庁への取材結果をご紹介しました。
より知識を深めるため、違法賭博についてさらに詳しく解説します。

違法賭博とは?

違法賭博は、国が許可していない、つまり法的根拠に基づかない賭け事のことを言い、「賭博罪」という刑法に抵触する行為のことです。

賭博罪とは、

①偶然の事情により勝敗が決定されること
②その勝敗で財物や財産上の利益の得喪を争うものであること。

とされており、この2つが認められることで成立する罪状になります(刑法185条)。

日本では、賭博に関する法律が非常に厳しく、許可されたもの以外の賭け事は全て違法とされています。

ギャンブルは基本的に違法行為?

違法にはあたらない、政府が許可している賭博もあります。
例えば、競馬、競輪、競艇、宝くじ、そして一部のパチンコやパチスロ店などです。
これらは厳しい管理と規制の下で運営されており、合法とされています。

これらの、いわゆる”ギャンブル”は私たちの生活に比較的身近にあるものなので、賭け事もまた身近なもので娯楽の1つと考えがちかもしれません。

しかし、ギャンブルは基本的には違法行為であり犯罪です。

一部の例外的に法律で許可されている競馬やパチンコが身近すぎるため、つい軽視してしまいがちなのでしょう。
そこに、知らず知らずのうちに違法賭博に巻き込まれてしまう恐ろしさがあるのです。

具体的にどのような行為が違法賭博にあたる?

具体的には、次のような行為は全て違法賭博に該当します。

  • オンラインカジノ
  • スポーツベッティング
  • 麻雀や花札やポーカー(金銭等を賭けた場合)

インターネットを利用したオンラインカジノも違法とされています。
サイトが海外に設置されている場合でも、日本国内からアクセスして賭博を行うことは法律に触れます。

スポーツの試合結果や、麻雀・花札・ポーカーなどのカードゲームをお金を賭けて行うことも違法賭博に該当します。
例えば、友人同士でこれらの賭け行為を行うことも犯罪となり得るのです。

※参考: 警察庁HP

法律との関係は?

刑法には賭博を禁止する条項があります。
具体的には、以下のような条文が存在します。

■刑法第185条:賭博罪
「賭博を行う者は、五十万円以下の罰金に処する」と規定されています。
つまり、賭博行為そのものを行っただけで罰金刑が科せられます。

■刑法第186条:常習賭博罪・賭博開帳図利罪
常習賭博罪は、常習的に賭博を行った場合に適用され、3年以下の懲役が科せられます。
また、賭博開帳図利罪は、賭博場を開いたり賭博行為の利益を図った場合に適用され、5年以下の懲役が科せられます。

■風営法
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)は、特定の遊興飲食店を許可制にして管理しています。
この法律の下での許可が必要な賭博営業を無許可で行うことは違法です。

例えば、許可をとっていない自宅や秘密の場所で、カジノやもぐりのパチンコ・スロット屋を開き、ルーレットやカードゲーム、遊技機などを提供して利益を得ることは明らかに違法行為であるといえます。

罪状と罰則について

違法賭博に対する罪状と罰則は、次の通りとなっています。

■賭博罪
単純に賭博を行った場合、50万円以下の罰金が科せられます。
これは賭博を行った事実が確認されれば即座に適用されます。

■常習賭博罪
常習的に賭博を行うと、罪が重くなります。
常習賭博罪では3年以下の懲役が科せられ、これは賭博行為が繰り返し行われた場合に適用されます。

■賭博開帳図利罪
賭博場を提供したり、賭博行為を管理・運営した場合、5年以下の懲役が科せられます。
これは不特定多数の人々を対象に営利目的で賭博を行った場合に適用されます。

何が悪いのかしっかり理解!「違法賭博」巻き込まれない防犯対策を!

今回の記事では、「違法賭博とは何が悪いのか、巻き込まれないための知識と対策」について、警視庁への取材をもとに解説しました。

某メジャーリーグ選手の通訳が起こした事件で一気に注目が高まりましたが、私たちの身近な生活にも危険が潜んでいるといえるでしょう。
正しい知識をしっかりと持つことで、知らず知らずのうちに巻き込まれてしまう事態を防ぐことができます。
自身のことはもちろん、ご家族や友人・知人の間でも気になることがないか注意してみてくださいね。

万が一、違法賭博に関することで困ったことがある場合は、速やかに警察に相談するようにしてください。

この記事を書いた人
Webライター
たすく

会社員とWebライターを両立させる「たすく」です。ヨムーノでは、毎日の中で見つけた「生活を楽しむネタ」を皆さんと共有できたら嬉しいと思ってます(^^)/仕事は常に”楽しみながら面白く”を心がけています。どこまででも取材に行くフットワークの軽さが自慢です。お仕事依頼のメール募集中です!tasukusan1984@yahoo.co.jp

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