【歌って踊って梅干しも漬ける!】直木賞候補にもなったジャニーズのアイドルが雑誌を責任編集!?【妄想爆発!ジャニオタ推し活ガイド⑱】

  • 2023年03月10日更新

こんにちは、ジャニーズのアイドルが大好きなエンタメライター・柚月裕実です。

推し活ガイド第18回は、アイドルでありながら小説家という顔を持ち、今年で作家生活10周年を迎えるNEWSの加藤シゲアキさんにフォーカスします。

処女作「ピンクとグレー」から10年、作家・加藤シゲアキ

ジャニーズのアイドルグループNEWSのメンバー、加藤シゲアキさん。 アイドル活動と並行して作家としても活躍しています。

加藤さんは2012年に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降、1年に1冊のペースで書くことを宣言し、その言葉通りに2013年に『閃光スクランブル』を、2014年には『Burn.−バーン−』を刊行。

この3作品は“渋谷サーガ”と呼ばれ、青山学院大学出身でありジャニーズ所属でもある加藤さんが、学生時代を過ごした渋谷が舞台になっています。

芸能界を舞台にした作品もあり、現役アイドルを重ねて読んでみたり、作中に登場する「JANIS」というクラブの名前を“ジャニーズ”に空目してしまったり。読者としても加藤さんらしいエッセンスを感じながら読みすすめることができる作品も。

高校生限定のマッチングアプリを題材にした6作目『オルタネート』のように、するりと物語の中に入っていけるのも加藤さん作品の特徴です。

2016年には『ピンクとグレー』が映画化され、事務所の後輩であるHey!Say!JUMPの中島裕翔さんが主演を務めました。中島さんは本作で映画初出演、初主演とスクリーンデビュー。さらに、2021年には短編小説「染色」の舞台化が決定。舞台「染、色」として、加藤さんが脚本を手掛けたのに加えて、関西ジャニーズJr.のAぇ!groupのメンバー・正門良規さんが主演に抜擢されるなど、素敵な流れが生まれています。

ファンとしては、アイドル業の傍ら、言葉を紡いで作品を届けてくれたというだけでも感動するのですが、読書の楽しさ面白さを改めて実感したり、映像作品としてまた新たな世界へと誘ってくれたりと、そんな広がりを一緒に体験できるのも嬉しい。

加藤さんのエッセイ『できることならスティードで』の「肉体」の中で、“連動”や“円環”について触れているのですが、まさにそんなつながりを感じずにはいられません。

作家活動を始めてから、単独ラジオ番組『SORASHIGE BOOK』でも作家としての様々なエピソードが語られてきましたが、そのなかで書店の棚に差し込まれるネームプレートができたらいいなと話していました。(都内の書店で、角川文庫の棚に加藤さんのネームプレートを見つけたのが2016年7月)

これまでの作品が、作家「加藤シゲアキ」の棚に並べられ、作品も映画、ドラマ、舞台化。2020年発表の『オルタネート』は、第164回「直木賞」、第18回「本屋大賞」のそれぞれにノミネート。そしてついに第42回「吉川英治文学新人賞」と文学賞を手にするまでに。10年の継続が実を結びました。

加藤さんの意外な趣味?


NEWSは激しいロックから、艶っぽいバラードまで幅広ジャンルの楽曲を歌うのですが、最近では特に顔にしわが寄るのもいとわない、魂を込めたエネルギッシュな歌唱を聴かせてくれます。また、ソロステージも独創的で、年々凄みを増し、ファンを新しい世界へと誘ってくれます。

昨年行われたコンサートツアー『NEWS LIVE TOUR 2020 STORY』では、ベージュでカラーリンクさせた衣装が登場するのですが、増田貴久さんの蝶ネクタイをしたキュートでポップな着こなし、小山慶一郎さんは身長を活かしたロングジャケット。そして加藤さんはジャケットの上に、膝丈のトレンチコートを着用しているのですが、このトレンチコート姿の加藤さんの渋さと色っぽさったら……。

そんなアイドルとして煌びやかな姿を見せる一方で、本人が語るエピソードの端々からは職人気質な一面も。

日曜夜に放送の単独ラジオ番組『SORASHIGE BOOK』(FM YOKOHAMA)では、NEWSとしての活動はもちろん、執筆活動、音楽や趣味まで、様々なエピソードを語っています。特に、音楽は「どうやって新しい音楽に触れているのだろう?」というほどに様々なアーティストをピックアップ。 歌って踊り、DTMも手掛ける加藤さんならではのレビューもおもしろい。

また、印象に残っているのが梅仕事。加藤さんは、自宅で梅干しを漬けているというエピソードを語っていたのですが、「アイドルが梅干しを……漬ける!」と、初めて耳にしたときの衝撃、ギャップ、当時でいう“萌え”(現・キュン)な感情はいまでも忘れません。

加藤シゲアキ責任編集『1と0と加藤シゲアキ』

さて、9月30日に発売の『1と0と加藤シゲアキ』。ブックデザインは、祖父江慎さんとコズフィッシュさん。加藤さんがMCを務める『タイプライターズ ~物書きの世界~』(BSフジ)にも出演している作家の中村文則さん、羽田圭介さんをはじめ、恩田陸さん、最果タヒさん、珠川こおりさん、深緑野分さん、堀本裕樹さん、そして長らく番組を共にした又吉直樹さんによる競作「渋谷と〇〇」が収録。このほか、又吉さんとの対談、戯曲「染、色」、インタビューやグラビアと興味をそそる企画がぎっしり。

「雑誌を作る」と同番組で語っていたことが現実に。また一つ願いを叶える場面に立ち会えます。 表紙を開いたらどんな世界が待っているのか、新たな読書体験となりそうです。

(イラスト/大窪史乃)

この記事を書いた人
編集/ライター
柚月裕実

エンタメ編集/ライター。 ジャニーズのアイドルを応援して25年超。 アイドルがサングラスを外しただけで泣きます。

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