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高層マンションを建設した、タワークレーンのその後

  • 2021年03月22日更新

高層マンションの建設現場を、ご覧になったことはありますか?
その作業には、タワークレーンの存在が欠かせません。

しかしあんな巨大なものを、どうやって高層マンションの上に乗せているのか。疑問に思ったことのある方も多いと思います。ここではタワークレーンがいったいどんなもので、建設後はどうなるのかを、ご紹介していきます。

タワークレーンってなあに?

「タワークレーンは、高層マンションや高層ビルをはじめとする、大規模建築に欠かせない建築機械。
建物の最上部やサイドに固定し、建築資材を釣り上げる作業などに使用します。移動式のクレーンを使用すると移動の経路を確保し、他の重機との位置関係を考慮しなければなりませんが、タワークレーンにはその心配が必要ありません。

建物の上部に設置することで、向きを変えればどの方向にも荷物を運び入れることができます。クレーンで吊りあげることのできる重さ(=吊り能力)は、フックが接続されているジブ(角度がつけられる腕の部分)の角度で決まります。ジブの傾斜角が水平に近づくほど負荷が増すため、重い荷物を持ち上げることができません。そのため荷物の重さによっては、クレーンの中心に近づけて吊り作業を行います。

地上からジブが接続されているマスト(中心の柱部分)の先端までの距離は、揚程(ようてい)と呼ばれます。この揚程はこれまで最大300mまででしたが、東京スカイツリーの建設では420mのタワークレーンが用いられました。

タワークレーンはいかにして登るのか

実はタワークレーンは、自ら建物の上部によじ登ります。
その方法は「フロアークライミング」と「マストクライミング」の2つ。「フロアークライミング」では建物自体をクレーンの土台として使用します。マストを建物の内部に固定した状態でまず数階分を建築し、本体を上階に固定。油圧シリンダでマストを引き上げ、その状態でマストがささっていた開口部をふさぎます。マストの最下部をフロアに固定して油圧シリンダを押し上げることで、本体が上部に上がっていくのです。階数があがるたびに、この作業を繰り返します。

一方「マストクライミング」では、建物のサイドにタワークレーンを設置。建物が高くなるにつれてマストをつぎ足し、本体がどんどん上にのぼる仕組みになっています。マストクライミング方式の場合、解体はのぼっていくのと全く逆の手順を行うだけ。本体を下げ、マスト上部を取り外していきます。しかしフロアークライミングで建物をのぼったクレーンは、来た道を戻ることはできません。

この場合は、やや小型のクレーンを、建築に使用したクレーンの横に組み立て、それを用いて解体します。解体したクレーンの部材を小型クレーンで下ろしたら、さらに小さなクレーンを吊り上げて、解体に使ったクレーンを解体。この作業をくり返し、最後は小さなクレーンを手作業で解体し、エレベーターによって人力で運び出すのです。
解体後はメンテナンスを経て、また次の工事現場で活躍してくれます。

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