いくらはプリン体が少ない?魚卵と痛風の噂や注意点を解説【管理栄養士解説】

  • 2026年09月25日公開

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こんにちは!管理栄養士でヨムーノライターの広田千尋です。

痛風が気になる方の中には「プリン体が多そうだから、いくらや明太子は控えている」という方もいるのではないでしょうか。

なんとなく「魚卵=プリン体が多い」というイメージがありますが、実際の含有量を比べてみると、意外な結果が見えてきます。

今回は、魚卵に含まれるプリン体についてと、痛風や尿酸値が気になる方が本当に気を付けたい食生活について、管理栄養士が解説します。

【クイズ】この中でプリン体が一番多いのはどれ?魚卵?レバー?

突然ですが、プリン体クイズです!

Q. 次のうち、100gあたりのプリン体が一番多い食品はどれでしょうか?

①いくら
②納豆
③まぐろ
④鶏卵
⑤鶏レバー

「魚卵はプリン体が多そうだから、いくら?」
と思った方もいるかもしれません。

A. 正解は……!

「⑤鶏レバー」です!

100gあたりのプリン体含有量を見てみましょう。

①いくら:3.7mg
②納豆:56.6~113.9mg
③まぐろ:157.4mg
④鶏卵:0.0mg
⑤鶏レバー:312.2mg

鶏レバーがもっとも多く、反対にいくらや鶏卵は意外にも少ない結果です。

一番多い鶏レバーといくらを比べると、100gあたりで約84倍の違いがあるのが驚きですよね。

さらに、まぐろといくらを比べると、その差はなんと約43倍!
「魚卵だから多い」「魚の身なら少ない」といったイメージだけでは、プリン体の量を判断できないことがわかります。

とはいえ「プリン体が多い食品=食べてはいけない食品」という意味ではありません。
この点については、あとで詳しくお伝えします。

出典:公益財団法人 痛風・尿酸財団「食品中のプリン体含有量 一覧表」

出典:J-STAGE「食品中プリン体含量および塩基別含有率の比較」

「魚卵=プリン体が多い」は勘違い!?いくらは意外にも少なかった

そもそも「プリン体」とは、細胞内の核酸に多く含まれる成分です。
体内で分解されると最終的に尿酸となるため、プリン体を多く摂る食生活は尿酸値を上げる要因のひとつになります。

尿酸値が高い状態が続くと、痛風を引き起こす可能性があるため「プリン体の多い食品はなるべく避けたい」と考えている方もいるかもしれません。

さて、クイズでも紹介したように、いくらのプリン体含有量は100gあたり3.7mgと、意外にも少なめです。

では、ほかの魚卵はどうなのでしょうか?

100gあたりのプリン体含有量は、

  • いくら:3.7mg
  • 数の子:21.9mg
  • 明太子:159.3mg

となっています。

同じ魚卵なのに、こんなにも差があるのは驚きですよね。

「痛風が怖いから魚卵は全部避けよう!」と考えてしまいそうですが「魚卵=プリン体が多い」とひとまとめにはできないのです。

プリン体の量は「細胞の数」がカギ!?

では、なぜ同じ魚卵なのに、プリン体の量にこれほど差があるのでしょうか。

実は、魚卵は基本的に「ひと粒=ひとつの細胞」です。

食品に含まれるプリン体は主に核酸に由来するため、100gあたりに含まれる細胞数が多い食品ほど、プリン体も多くなると考えられています。

つまり、大粒のいくらは100gあたりに含まれる細胞数が少ないため、プリン体も少なめ。
一方、明太子のように小さな卵がたくさん集まった食品は、100gあたりの細胞数が多くなるため、その分プリン体も多くなります。

こうした仕組みを知ると「魚卵=プリン体が多い」とひとまとめにできない理由もわかりますね。

ちなみに、先ほど紹介した鶏卵は、プリン体の含有量は100gあたり0.0mg。
鶏卵もひとつの大きな細胞であることが、プリン体が少ない理由のひとつと考えられます。

一方、先ほどのクイズでプリン体含有量がトップクラスだった鶏レバー。
レバーのように細胞分裂が行われている組織や、細胞数が多い食品には、プリン体が多く含まれる傾向があります。

痛風予防には「プリン体」以外の食べ方も重要!

ここまで読むと「じゃあプリン体が少ないいくらや卵なら、たくさん食べても大丈夫?」「反対に、プリン体が多いレバーは食べないほうがよい?」と思うかもしれません。
しかし、プリン体の含有量だけで判断するのは避けたいところです。

尿酸値や痛風が気になる方は、プリン体を摂りすぎないようにすることはもちろん、食べすぎや飲みすぎを防ぐなど、食生活全体を見直すことも大切です。

具体的にどのような点に気を付ければよいのか、見てみましょう。

お酒は「プリン体ゼロ」でもほどほどに

「プリン体ゼロのお酒なら大丈夫」と思っている方は要注意!

確かに、プリン体カットの発泡酒は、通常の発泡酒に比べて血清尿酸値を上昇させにくいとされています。

しかし、注意したいのはプリン体だけではありません。
アルコールは、体内で尿酸がつくられるのを促したり、尿酸の排泄を低下させたりするため、尿酸値を上げる原因となります。

そのため「プリン体ゼロ」という表示だけで油断せず、お酒そのものを飲みすぎないことが大切です。

️出典:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「アルコールと高尿酸血症・痛風」

食べすぎ・肥満にも気を付ける

肥満は高尿酸血症と関連することが知られています。
肥満がある方は、食生活を見直し、適正体重を目指すことも大切です。

「○○はダメ」と特定の食品だけを避けるのではなく、食べすぎや飲みすぎになっていないか振り返ってみましょう。

また、食生活の改善とあわせて、適度な有酸素運動を取り入れることも意識してみてください。

甘い飲み物をとりすぎない

痛風対策というとお酒ばかりに目が向きがちですが、甘い飲み物のとりすぎにも注意が必要です。

糖の一種である「果糖」は、体内で代謝される過程でプリン体の分解を促し、尿酸がつくられる量を増やすことが知られています。

清涼飲料水や果物ジュースなどには果糖を多く含むものもあるため、とりすぎには注意し、普段の水分補給には水やお茶などを取り入れましょう。

「魚卵=プリン体が多い」と思い込まず、食生活全体を見直そう

同じ魚卵でもプリン体の量には差があり、魚卵だから多いとは限りません。

痛風や尿酸値が気になる方は、特定の食品だけを避けるのではなく、飲酒や甘い飲み物、食べすぎなども含め、食生活全体を振り返ってみてくださいね。

※すでに高尿酸血症や痛風などで治療・食事指導を受けている方は、かかりつけの医師や管理栄養士の指示に従ってください。

この記事を書いた人
毎日の「おいしい」を考える管理栄養士
広田千尋

食べるのが大好きな2児の母で管理栄養士。
毎日のご飯作りと子育てに奮闘しながら、簡単・時短・おいしい・健康レシピを考えるのが大好きです!
毎日の暮らしに役立つ栄養・健康情報をお届けします。

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