「いくらまでなら働き損しない?」今気になる!【年収の壁】を解説【FP監修】

  • 2025年07月03日公開

【0→100円からOK】ほったらかしで増える!?「積立投資」メリットVS.落とし穴を本音で比較【FP監修】

こんにちは。ヨムーノ編集部です。

近ごろ、よく耳にする「年収の壁」というワード。「壁」というくらいだから、進路をふさいだりするのでしょうか?

特にパートで働く人が知っておきたい「年収の壁」について解説します。

そもそも「年収の壁」とは?

「年収の壁」とは、簡単に言うと、パートなどで働いている場合、超えると税金や社会保険料がかかり始める、ボーダーラインの年収額のことです。

収入から、税金や社会保険料が引かれることで、手取りが減ることもあるので、その壁を超えないように、働く時間を調整している人もいます。

「税金」と「社会保険」の2つの壁がある

年収の壁には、「税金の壁」と「社会保険の壁」の2つがあります。
さらに、税金の壁には、パートをしている本人が税金を払い始めることになる壁と、配偶者の税金が増え始める壁があります。

後者について説明すると、たとえば、夫の扶養に入っている妻(※)がパートで働いている場合、妻の年収が160万円までなら、夫は38万円の所得控除(収入から38万円引かれるので税金が安くなる)を受けることができ、160万円超~201万円までは控除される金額が逓減し、201万円を超えると控除がなくなります。

でも、控除額が減ったり、なくなったりした場合でも、妻の年収が増えているので、世帯年収は増えます。

※夫が妻の扶養に入っている場合も同様。

「税金の壁」が令和7年から引き上げに!

パートで働いている本人が払う税金には住民税と所得税があります。住民税がかかり始めるのは、住んでいる市区町村によって異なりますが、年収110万円程度が壁の目安額。

所得税の方は、パートで働いている場合、令和6年までは103万円超で所得税がかかり始めましたが、令和7年からは160万円超に引き上げられます。

「社会保険」の壁は手取りに影響大

パート先の会社が、従業員数51人以上の場合、週20時間、月8.8万円(年収106万円)以上働くと、パート先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入すると同時に、夫の社会保険の扶養から外れます。これが「106万円の壁」と言われるものです。

社会保険料が給与から引かれるので、手取りは減りますが、将来受け取る年金額は増えます。

一方、従業員数50人以下の会社でパートをしている場合、106万円の壁はないので、そのまま夫の社会保険の扶養内にとどまりますが、年収130万円以上になると、夫の扶養から外れて、国民健康保険・国民年金に加入することになります。これが「130万円の壁」と呼ばれるものです。

パート先の社会保険に加入した場合、保険料は会社と半分ずつ負担しますが、国民健康保険・国民年金の保険料は全額自己負担です。また将来受け取る年金額が増えることもありません。

損得ではなく自分とわが家に合った働き方を選択する

税金や社会保険料を払うことで、一時的に手取りが減ったとしても、収入を増やせば、手取りが復活し、あとは稼げば、稼ぐほど手取りが増えていきます。

また、パートで働く目的が何かを考えることも大事です。家計の赤字分や、子どもの大学進学資金の不足分を補うことなどが目的ならば、それをカバーできる収入を稼ぐ必要があります。「税金や社会保険料を払うのはイヤ」と言っている場合ではありません。

あるいは、将来受け取る年金額を増やしたいなら、厚生年金に加入する働き方を選択するのが賢明。

一時的な手取り金額の増減だけではなく、家計やライフスタイルに合った働き方を考えることが大切と言えるでしょう。

【この記事の監修者:ファイナンシャルプランナー・大久保美伽さん】

大久保美伽さん
元銀行員、大手外資系金融機関勤務歴15年。退職後、2021年マネレボ株式会社設立。真に中立な立場で資産運用と保険、家計の見直しをおこない、お金と時間から自由になり自分らしく生きる女性を増やすべくファイナンシャルプランナーとして独立。多くのお客様の資産運用やライフプランニングの悩みを解決すべく尽力している。老後に3000万円差がつく投資講座主宰。
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※投資には元本保証はありません。損失のリスクも十分に検討のうえ、自己責任で行ってください。

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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