名鉄 名古屋本線・常滑線の貴重な運転席映像!セントレアへと向かう橋は超レアな鉄道橋だった!? 『 線路の先には何がある?』

  • 2022年08月22日公開
線路の先には何がある?

毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画! 今回は前回に引き続いての名古屋鉄道・後編!名鉄列車の運転席に特別カメラを設置し、普段は見られない運転士目線の前面展望を撮影しました。長く続く線路の先には何があるのか? 名古屋鉄道 運輸保安部の米田大介さんの解説とともにお届けします。

[貴重なお宝映像はこちら]

[名鉄岐阜駅~名鉄名古屋駅間の前編はこちら]

名古屋でも有数の線路密集区間! JR東海・中央線はどこで交差する?(名鉄名古屋駅~金山駅)

名鉄名古屋駅を出発した列車。地上に出るとたくさんの線路が並んでいる区間を進んでいきます。対向する線路は名鉄の下り列車、さらにその右側にはJR東海の東海道線と中央線、そして東海道新幹線の線路が並んでいます。


名古屋山王

かつて『ナゴヤ球場前駅』と呼ばれていた山王駅を通過し列車は左手にカーブ。尾頭橋の手前ではJR中央線が東海道線と名鉄の線路の下をくぐり、左側へとやってきます。


左手にカーブ

JR東海の路線にサンドイッチするような形となった名鉄名古屋本線を進み、列車は金山駅に接近。金山駅の手前にある留置線には赤い列車が2台止まっていました。


列車待機

列車が折り返すためホームと留置線を行き来して車両の入れ替え運転を担当しているのが『構内運転士』という係員。朝の混雑に備えて車両を連結したり切り離したりする作業も担っています。


構内運転

名鉄名物の複々線区間!さらにはレア車両にかつての有名ポイントの名残も発見!(金山駅~名鉄神宮前駅)

金山駅を出発すると、再び線路がたくさん並んでいる区間に入っていきます。金山駅と神宮前駅の間は同じ方向に2本ずつ線路が敷かれた『複々線』と呼ばれる区間。外側が名古屋本線、内側が常滑線に繋がる線路となっており、上り線と下り線の間は黄色い柵で明確に区別されています。


金山神宮

神宮前駅に近づくと、左手の側線に軽トラのような白い車両ポツンと止まっているのを発見。いったいこの車は何なのでしょうか?


軽トラのような白い車両

この白いトラックの正体は軽トラックを改造し線路上で走行できるようにした保守用の車両。夜間に線路の作業を行う際、必要な資材を積んで現場まで運搬するために使われています。日中はこの側線で出番を待っていますが、深夜になるとこのように本線を走る軽トラックの姿が見られるかもしれません。


保守用の車両

神宮前駅の手前にあるのがかつて『開かずの踏切』と呼ばれていた大きな踏切の跡地。現在は踏切としての機能はありませんが、夜間に保守用の車両を出し入れする際の搬入路として再利用されています。


開かずの踏切

太田川駅が三層構造になっている理由とは!?(神宮前駅~太田川駅)

名鉄神宮前駅を出発した列車は坂道を上がって常滑線へと進行。すると途中の区間に青いランプが備えられた装置を発見します。


青いランプが備えられた装置

これは列車接近装置と言われるもの。線路の保守作業を行うときにですね列車が接近したことを知らせてくれる警報装置です。こういった装置で作業の安全を確保しているんですね。

しばらく進むと列車は太田川駅に到着。三層構造となっている太田川駅の2階にあるホームへと入っていきます。


太田川駅の2階にあるホーム

太田川駅の1階は改札口やコンコースなどが設けられたフロアとなっており、2階に常滑線のホーム、3階に河和線からの上りホームが設けられています。


太田川駅

このような3層構造になっている理由は列車をスムーズに発着させるため。もし全ての列車が地上を走ってくると、河和線の上り列車が太田川駅に入ってくる際に常滑線をふさいでしまう形になり、ダイヤを設定する上でネックになってしまいます。これを解消するために、太田川駅では3層構造として、常滑線と河和線が地上で交差しないよう工夫されています。

ちなみに名鉄でこのような3層構造の駅となっているのは、現在のところ太田川駅だけなんだそうです。

空港へと向かう橋は日本にわずか3ヶ所しかない超レア鉄道橋!(太田川駅~中部国際空港駅)

太田川駅を出発した列車は終点の中部国際空港へ向けて走っていきます。

カーブが続く区間では速度標識が設けられていますが、「90」「80」と上下に2枚の標識が並んでいます


速度標識

上の標識は『ミュースカイ』用、下はそれ以外の列車用の制限速度を表したもの。ミュースカイには車体を傾けながらカーブ区間をスムーズに走れる特殊な技術が取り入れられており、他の列車に比べて高速で通過できるようになっています。そのため、カーブの区間でも他の列車より速い制限速度になっているんですね。

さらに進んで列車は常滑駅へと到着。駅の向こう側に一風変わったアーチ状の橋が見えてきました。


ニールセンローゼ橋

このアーチ橋は『ニールセンローゼ橋』と呼ばれる方式の橋。線路の下に大きな道路と常滑駅前交差点があり真ん中に橋脚を置くことができないため、景観にも配慮した上で『ニールセンローゼ橋』という方式が採用されました。実は鉄道用として造られたニールセンローゼ橋は全国でもわずかに3ヶ所のみ。超レアな橋なんです。

常滑駅を出発した列車は、名鉄では珍しい海上区間へ。海が満潮を迎えても大型船舶が通れるような高さを確保するため、高架区間ながら大きな勾配がつけられています。こうしてみるとかなり高いところを走っているのが分かりますね。


りんくう

そして列車は終点の中部国際空港駅へ到着。2番線には最新形の通勤車両9000系が停車していました。


運転席映像

バツ印の車止め標識の手前で列車は停車。終点まで無事到着しました。

線路の先には何がある?

魅力に満ち溢れた線路の旅へご案内!テレビ愛知のレギュラー番組『工場へ行こうIII』の制作陣がお贈りする珠玉の電車企画。Locipo、GYAO!、Youtubeにて配信中です。
次回は『JR東海・飯田線』。めったに見られない貴重な運転席映像、ご期待ください!

【放送局】テレビ愛知 
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/senro/
【配信】Locipo YouTube ​
※記事の内容は放送当時のものです。



番組サムネイル
線路の先には何がある?
毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画!


記事参照元: テレビ愛知

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