生産量は1日400トン!日清製粉名古屋工場に潜入!小麦粉が食パンになるまでを完全密着|日経プレミアム 工場へ行こうIII AMAIZING FACTORY(愛知の小麦SP 後編)

  • 2022年05月25日公開
踊る箱!?

踊る箱!?

4年の歳月をかけて開発された愛知産小麦「ゆめあかり」が絶品食パンになるまでを完全密着。1日400トンもの小麦粉を製造するテレビ初公開の巨大製粉工場に潜入すると楽しげに腰を振るダンシングマシンが待っていました。

身近な商品からロケットの部品まで、ものづくりの素晴らしき世界を紹介する『日経プレミアム 工場へ行こうIII』。毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中です。

[魅惑の食パンワールドの動画はこちら]

1日400トンもの小麦粉を製造!真っ白な小麦粉はダンシングマシンから作られる!?

世界情勢の変化で輸入小麦が大幅に価格高騰。パンや麺類などの値上げを招き、 家計を直撃しています。その中で注目を集めているのが地元愛知が生み出したパン用小麦『ゆめあかり』。その製粉工場が名古屋にあると聞き、密着取材を行いました。

今回取材したのはテレビ初公開となる『日清製粉 名古屋工場』。この工場では一日400トンもの小麦粉が製造されています。


日清製粉 名古屋工場

日清製粉 名古屋工場

工場の一角にやってきたのは一台のトラック。荷台が傾くと10トンもの小麦が一気に大放出されます。


10トンもの小麦が一気に大放出

10トンもの小麦が一気に大放出

運ばれてきた茶色の小麦をまるでパウダースノーのような真っ白な小麦粉にする日清製粉名古屋工場。チューブの中を通ってきた小麦は、緑色のマシンへと送り込まれます。


マシンの中へと突入していく小麦

マシンの中へと突入していく小麦

ものすごい勢いでマシンの中へと突入していく小麦。このマシンは小麦を砕くための装置。管を通って送り込まれた小麦はマシンの中にある2つのローラーで砕かれ、茶色のフレーク状の物体と真っ白な粉となります。


茶色のフレーク状の物体と真っ白な粉となります

茶色のフレーク状の物体と真っ白な粉となります

もともとは茶色をしている小麦ですが、マシンの中で砕かれることで表皮、胚乳、胚芽に分けられれます。小麦粉になるのは真っ白な胚乳部分のみ。だから小麦粉は白いんですね。
そしてこの胚乳に含まれているのがパンをもちもちにする『グルテニン』という成分。愛知産小麦の『ゆめあかり』はこの『グルテニン』が多く含まれている品種であり、パンにするのにピッタリな小麦です


パンをもちもちにする『グルテニン』が多い

パンをもちもちにする『グルテニン』が多い

マシンで砕かれた小麦には小麦粉となる胚乳部分の他に茶色の表皮や胚芽も含まれているため、小麦粉として使うためにはこれを取り除かなければなりません。そこで登場するのが次なる機械です。


次なる機械

次なる機械

大きな箱が激しく揺れているその姿は、まるで腰を振ってダンスをおどっているかのよう。砕かれた小麦はこのダンシングマシンの上から入り、下へと出ていきます。マシンの中を覗いてみると……。


仕分け

仕分け

4つの管の中に茶色っぽいものから白いものまで、大小に分かれて小麦が通過していきます。
このダンシングマシーンの正体は小麦を粒の大きさごとに仕分けする機械。箱の中には網がいくつもセットされており、小麦はこの上から投入されます。下にいくにしたがって網目は小さくなっていくため、 大きなものは途中で引っかかり細かくなった小麦粉だけが一番下までいくという仕組みです。


網目の違うふるいを利用

網目の違うふるいを利用

大きな粒は再びローラーにかけられ再度砕かれるとのこと。一番下のふるいを通った小麦はきめ細やかなパウダースノーのようです。


細やかなパウダースノーのよう

細やかなパウダースノーのよう

この工場で生産される『ゆめあかり』の小麦粉は1ヶ月およそ300トン。パンや中華麺に使われる強力粉として、8年前から市場に流通しています。

サクサクなのにしっとり!?『本間製パン』の絶品ラスクの作り方がすごかった!

『ゆめあかり食パン』をはじめ、東海エリアの多くの喫茶店やカフェを美味しい食パンで支え続けてきた『本間製パン』。しかし、『本間製パン』が作っているのは実は食パンだではありません。喫茶店向けの食パン以外にもホテルやサンドイッチ専門店向けに業務用のパンを製造しています。その数はなんと200種類以上!中部国際空港セントレアを出発する飛行機の機内食パンとしても使われています。


機内食パン

機内食パン

食パンなど大量生産の商品以外は多品種を少量で受注しているとのこと。そのため、これのパンはは生産ラインではなく、職人さんたちが丁寧に手作りしています。機内食のパンを作っているのは、ケータリング担当の職人さん。およそ50種類の業務用パンをわずか4人で作っています。


50種類を4人で作る

50種類を4人で作る

パン作りの中心となっているのはリーダー的存在の長屋さん。 出勤するとすぐさま気温と湿度をチェック。パンの生地はとてもデリケートなため、その日の天候によって使う水の温度や量、練る時間を変えるのだそうです。


水の温度や量、練る時間を変える

水の温度や量、練る時間を変える

パン作りは『段取り』が命。1日に10種類以上も作らなければならない上、出荷の時間は決まっていることから、細かくスケジュールを書き出して作業を進めていきます。


パン作りは『段取り』が命

パン作りは『段取り』が命

途中に早めのお昼ご飯休憩を挟んだ以外は息つく暇もなくあっと言う間に午後2時半。ようやくパン作りが一段落した長尾さんが休憩所へと足を運びます。すると、休憩所にあるパンを手に取り……。


出荷できないパン。社員さんは食べ放題

出荷できないパン。社員さんは食べ放題

パクリと食べちゃいました!実はこれ、形が崩れて出荷できなかったパン。本間製パンでは、こうしたパンが休憩所などに置かれ、社員さんはなんと食べ放題なんだそうです。ところで、本間製パンは『お菓子』も作っているのをご存じでしょうか?

それがこちらの『本間ラスク』。近年食パンに並ぶほどの人気となっている大ヒット商品です。


1日最大3万枚売れる

1日最大3万枚売れる

サクサク食感でたくさんのファンがいる『本間ラスク』の中で一番人気なのが、しっとり感も感じられるチョコレートラスク。その気になる製法も、今回の取材で密着しました。ラスクに使われるのは3種類の小麦粉をブレンドして作られるラスク専用のパン。チョコレートラスクの場合、生地にココアを混ぜることでさらに風味をアップしています。


香りや風味がアップ

香りや風味がアップ

さらに塩、マーガリン、水などを加えてミキサーで練り上げ、パン生地を作っていきます。一般的なラスクの場合生地を10分ほどしか練らないところ、本間製パンでは約2倍の18分ほどかけて練り上げているとのこと。こうすることで生地のきめが細かくなり、しっとりサクサクした食感が生まれます。

このあとさらにアーモンドを生地に加え、1時間ほど発酵させてから細長い棒状に成形。その後30分ほどかけて焼き上げられると、窯の出口からフランスパンのようなパンが出てきました。


しっとりサクサクした食感に

しっとりサクサクした食感に

これを1日寝かせてなじませてから、専用のマシンで一気にバゲットをカット。機械だからこそ一律の厚みできれいにパンをスライスできるんですね。スライスされたパンは再びトンネル窯を通されて二度焼き。この二度焼きも美味しいサクサク食感を生み出す秘密です。


一気にバゲットをカット

一気にバゲットをカット

二度焼きされた生地はラインに乗ってチョコレートの滝へと突入。上下にたっぷりとチョコレートをつけたと思った次の瞬間、マシンからの吹き出す風がせっかくつけたチョコレートを吹き飛ばしてしまいました。


風がチョコレートを吹き飛ばす

風がチョコレートを吹き飛ばす

実はこれは、つけすぎたチョコレートを飛ばす大事な工程。チョコの厚みがありすぎるとサクサク感が出ないため、こうして風で余分なチョコレートを吹き飛ばしているんだそうです。食パンはもちろん、様々なパンやお菓子も手がける『本間製パン』、その美味しさの秘密はぜひ動画でもご覧下さい。

[Locipoにて見逃し配信中]

日経プレミアム 工場へ行こうIII ~ AMAIZING FACTORY ~

身近な商品からロケットの部品まで、ものづくりの素晴らしい世界を紹介する『工場へ行こうIII』はテレビ愛知にて毎月第Ⅰ土曜日の午後に放送。また、Locipo、GYAO!でも見逃し配信中です。

【放送局】テレビ愛知 
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/koujou3/
※記事の内容は放送当時のものです。



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線路の先には何がある?
毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中。東海地方の『工場』には、驚きがぎっしり!


記事参照元: テレビ愛知

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Locipo Press

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