不器用ママが「柱の加工」に挑戦!「丸のこ・ノミ・ノコギリ」DIY工具使い5大コツ【家作り@千葉県長柄町】
- 2023年06月23日更新
こんにちは、学生時代の技術の成績は「2」!ヨムーノDIY女子部、不器用担当のヤギコです。
2019年11月からスタートした、ヨムーノDIY女子部の家づくり活動も1年が経過しました。この1年間で、柱や土台などの刻み加工を5つ教わりました。
一度も触ったことがなかった丸のこや、学生時代に授業でちょっと習っただけの、ノコギリ、ノミもだんだん扱えるようになりました。先生たちが、少しずつ私から遠い位置で作業をするようになっているのも、安心の証だと思っています(実際のところはどうでしょう!?)。
今回は、これまでの作業を通して私たちが学んだ、5つの加工のコツ・ポイントをまとめてみました。
※今回のレポートは、2020年11月実施の活動内容です。2021年2月現在は、緊急事態宣言発令中のため、公式活動を中止しています。
「ヨムーノDIY女子部」とは
私たちヨムーノDIY女子部は、千葉県の長柄町(ながらまち)で、女子メンバーが木を伐採するところから家を作る、日本初の壮大なプロジェクト活動をしています。
全員千葉県で生まれ、今はそれぞれのライフワークを持ちながら子育てに奮闘するママ。活動をこなすたび、チームワークも強固なものに!
▲この似顔絵イラスト(そっくり!)は、ヤギコの友人でありイラストレーターとして活躍する“おせろ”さんに描いてもらいました。
私たちは、ワークマンで揃えた、安全かつおしゃれな、お揃いのユニフォームで活動中(イラストの通り)。個性豊かな4人の活動の様子も、ぜひチェックしてみてくださいね!
それでは、さっそく私たちが活動で学んだ「柱の加工法」と「工具の使い方」5大コツをご紹介します。
①【転び止め】ノコギリ作業は「切りはじめの数cm」が大切!
屋根の垂木が倒れないよう、丸太に「転び止め」という刻み加工を行います。
まずは、垂木の幅と屋根の勾配(傾き)に合わせて、ノコギリで切れ目を入れていきます。
▲このように、一定間隔・一定幅の溝を、「ノコギリ」と「ノミ」を使って掘っていきます。
加工し終わったら、実際の垂木と同じ幅の木材をはめてみます。写真のように、しっかりと組み合わさればOK。加工がズレると、グラグラして危ない屋根になってしまうので、慎重に行います。
使う工具とポイント:「ノコギリ」でアウトラインをしっかり作ること
主に作業で使うのは、ノコギリとノミです。
まずは、ノコギリで墨通りにアウトラインを切ります。その際、切り始めが肝心。
ノコギリの扱いに慣れていないと、途中で軌道修正をするのはほぼ不可能!初めに、いかに正しく切るかが鍵です。
切り込みを入れる際、たった数mmでも、直線が斜めにズレたり、墨(鉛筆でつけたトレース線)の外側に脱線してしまうと、その後の調整が困難に......!
切り込みが入れば、あとは大きく引いていきます。
ノコギリで切れ目を入れたら、次はノミで削っていきます。
ノミはべた付けで、力を入れずに擦るのがポイントです。少しずつ、ギザギザ面が平らになっていきます。この「力を入れるな」というアドバイスを、先生から何度も言われているのですが、難しい......!
先生は力を入れていなくても削れているのですが、私が力を入れないと何も削れないんですよね。どうも何か違う気がしています。ここはまだ勉強中です。
(↓以下、ちはるん先生より天の声)
ノミは、削り過ぎないよう刃裏を上に向け、屋根の傾きに合わせて斜めに削っていくのがコツ。
上からだけ、下からだけ、の一方向からだけ削ると、木がめくれたり余分に掘り過ぎてしまうので、上から下からの両方から削っていくと良いですよ!
最後に、刃裏を下にして軽く削ると、キレイに仕上がります。
ヤギちゃん、みんな、頑張って!
②【柱ほぞ】丸のこの“支え方”を柔軟に変えること
「ほぞ」とは、2つの木材の接合部分の加工のことをいいます。
使う工具とポイント:指で支え続ける「丸のこ」は、シンプルに持つこと
ほぞを作るときは、丸のこを縦にして地面に垂直に切る作業(※)が多いです。
約3kgの丸のこの重さが右腕にずっしりかかるので、その度に「どうにかこの負荷を楽にできないものか」と頭のなかで計算しています。
絶えず動いている工具を扱う際、体の向きや指の使い方も変化し、刃物が誤って落下しないように神経を使うため、不器用な私はパニックになりやすいです。 (足の指1本でも怪我をしてはならない!そう思って、全集中しているわけです)
※...通常の使用方法は異なります。先生の指導のもと加工に合わせた使い方で練習しています。
そこで、工具の持ち方がとっても重要になります。
一度に工具を持ち替えたり、指を離したりするのは危険!かつ、丸のこの重量に腕の力が負けます。
そのため、支える側の手の指を1本ずつ、ゆっくりと離していき、最後は両手で丸のこの持ち手を握るように変えていきます。指は、複雑に動かさず、できるだけシンプルに動かします。
作業のスピードをあせらず、ゆっくり工具を動かすことは、心の余裕にもつながります。結果、安全に作業が進められることを学びました。
③【ほぞ穴】垂直に掘れているかチェック
「ほぞ穴」とは、ほぞの接合部分の凹んだ部分のことです。「角ノミ」というとても重くて昭和の香りがする工具を使います。おそらく、19㎏ある4歳の息子よりも重いです。
ご覧の通り、かなり大きくて、手で穴を開けると時間も労力もかかるところを、時間短縮してくれる機械です。機械のパワーで、一瞬で穴が開き、手では届かないところに奥行きを作れるので、便利です。
使う道具とポイント:角ノミは、穴の範囲と深さを均等に!
角ノミは「縦に四角く垂直に深く掘るだけ」という、実に単純明快な動きをします。
作業自体はそんなに難しくないのですが、間違えると木に大きく穴を開けるので取り返しがつかなくなりそうです。
掘る時は、まず四隅を実線に沿ってしっかり掘っていきます。そして、他の部分も数か所掘り進めます。
垂直に掘れているかを確認しながら、穴の中をノミできれいに整えます。
④【蟻継手のオス】丸のこは角度合わせを慎重に行う
木材の加工方法で「継手(つぎて)」というものがあります。
蟻継手(ありつぎて)の名前の由来は、このオス部分に合わせるメスの形が、「蟻の頭」に似た台形状に刻まれていることから、そのように呼ばれるようになったのだとか。
でも、いっそのこと見たままの形状で「スカート継手」とか「プリン継手」という名前にした方がわかりやすいと思うのは私だけでしょうか(笑)。
使う工具とポイント:丸のこの進み具合は、角度で決まる!
さて、この台形のでっぱりを作るには、丸のこで斜め切りをすることが必要になります。丸のこの刃の設定を変え、指定の角度と深さに調整します。
この木製の板を、治具(じぐ)と言います。丸のこの刃を合わせる際に、この治具を当てるだけで、決まった角度に調整ができます。
毎回、丸のこのレバーを使って手動で調整するよりもラクで、正確に角度合わせができるので、とっても便利。先人の知恵って、すごいですね!
刃の角度を決めたら、削る部分に切り込みを入れていきます。丸のこと木材をしっかり接地させ、いま木材の中をどのように刃が通過しているかを想像しながら行います。
⑤【蟻継手のメス】ノミは両手の全パワーを使わない!重心が大事
蟻継手のメスは、蟻継手のオスに合致する穴のことです。形状は、写真のような、台形の直方体となります。
蟻継手のメスは、丸のこで斜めに切る難易度の高い作業もありますが、後半はずっとノミ作業です。
使う工具とポイント:ノミ作業は、片手でコントロール!片手は添える
このノミの使い方で、作業効率がグッと変わります!特に、持ち方ひとつで、「力の加わり方」が変わるんです。両手で持つ時に、片手は刃の方向に合わせて力を入れ、もう片方は、ノミに添えてその方向を支えるように持ちます。
両手でガッツリと力を入れるよりも、片手に重心を置き、それを軽く押すような動きをする方が、削りやすくなることが分かりました。
設計通りに作れた気がしても、実際のオスが入りきらないと完成にはなりません。入りきらない場合は、ノミで削り微修正しながら真のゴールを目指します。
さて、ここまで5つの加工方法を説明しました。実は、この5つができるようになると、「セルフビルダー検定初級」の試験にパスできます。
▶︎セルフビルドサポーター制度とは?詳しくはこちら
これから私たちもその試験に備えるのですが、自力で考え、工具を動かせるように、もう少しだけ練習が必要。次回、実際に試験を受けたら、セルフビルダー検定の内容を具体的にご紹介したいと思います。
<おまけ>恒例の、おいしいランチをレポート!
ヨムーノDIY女子部の活動で、私たちもスタッフさんたちもとても楽しみにしているのが“映える”ランチタイムです。
そこでちょっとだけランチをご紹介。長柄町のレストラン「g.station」さんのケータリングをいただきました。メニューはこちら。
- ロールキャベツ
- ガーデンサラダ
- コーンスープ
- カボチャサラダ
- 16穀米
- カフェ「コーヒーセカンド(系列店)」の手作りプリン
中でも、人気はコーンスープでした!
シャキシャキとしたコーンの歯ごたえをはじめ、コーンの旨味をたっぷりと感じられるポタージュでした。そして、ほっこりとする煮物から新鮮なご当地野菜をバランスよくいただける、ヘルシー満点のメニューたち。
ヨムーノDIY女子部で、実は料理の学校を卒業している部長のまっすぅとゆっこさんの舌を唸らせた、奇跡のメニューでした。
次回も頑張ります!
今回は、これまでに習った木材の加工と、それぞれで学んだコツを振り返りました。
木は全て同じ形ではないので、厚さや硬い節のある場所などによっても「臨機応変」が求められます。工具の種類や大きさも影響します。
▲私が作ったほぞのオス。
削り過ぎたり、表面はガタガタだったりと、まだまだ及第点には至りません。
怪我こそないものの、丸のこのキックバック(意図する方向と反対に刃が動くこと。これは、とても危険!)を起こすこともまだあります。そしてその度に、先生に励ましてもらっています。
メンバーに比べて、工具を使いこなすまでにはもっと鍛錬が必要かもしれないけど、それも折り込み済み。不器用ヤギコ、これからも頑張りたいと思います。
さあ、次回のランチはなんだろうな〜!
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