重陽の節句とは?9月9日「菊の節句」の意味・食べ物・過ごし方
- 2026年08月21日公開
こんにちは、ヨムーノ編集部です。
ひな祭りや端午の節句はお祝いしていても、「重陽の節句」となると具体的に何をする日なのか分からないという方は多いのではないでしょうか。毎年9月9日におこなわれる重陽の節句は五節句の締めくくりにあたり、別名「菊の節句」とも呼ばれる大変縁起の良い日です。
本記事では、重陽の節句の読み方や由来をはじめ、栗ご飯や食用菊といった伝統的な行事食、ご家庭で手軽に楽しめる過ごし方を分かりやすく解説します。菊を一輪飾るだけでも季節感を味わえますので、忙しい毎日でも無理なく取り入れられる楽しみ方としてぜひ参考にしてください。
重陽の節句とは?意味と読み方をわかりやすく
まずは「そもそも何の日?」という基本から押さえましょう。読み方・別名・日付の3つがわかれば、馴染みのなさはほとんど解消されます。
「ちょうよう」の読み方と「菊の節句」という別名
重陽は「ちょうよう」と読みます。初めて見ると読みにくい言葉ですが、覚えてしまえば難しくありません。もう一つの呼び名が「菊の節句」です。ちょうど菊が美しく咲く時期に重なり、菊の花を使って健康や長寿を願う風習があることから、こう呼ばれるようになりました。ひな祭りが「桃の節句」、端午の節句が「菖蒲(しょうぶ)の節句」と呼ばれるのと同じで、季節の花とセットになっていると考えるとわかりやすいです。
2026年の重陽の節句はいつ?毎年9月9日で固定
重陽の節句は毎年9月9日で、年によって日付が動くことはありません。2026年ももちろん9月9日です。お盆やお彼岸のように毎年カレンダーを確認する必要がなく、「9月9日」と覚えておけばそれで十分。曜日にかかわらず日付が固定なので、平日なら夕食に、休日なら親子でゆっくり、と予定に合わせて楽しめます。
なぜ9月9日が重陽の節句なの?由来と意味
「なぜ9月9日なのか」がわかると、この行事の意味がすっと腑に落ちます。カギになるのは、数字にまつわる古い考え方です。
「陽数の極み」9が重なる特別な日
古代中国では、奇数を「陽の数」、偶数を「陰の数」と考えていました。その中でも一番大きな奇数である「9」は、陽の気が最も強い「陽数の極み」とされる特別な数字です。その9が月と日で重なるのが9月9日。陽が重なることから「重陽(ちょうよう)」と名づけられました。名前の由来がそのまま日付になっている、と考えるとわかりやすいですね。
不吉ではなく縁起が良い日|邪気払いと不老長寿を願う
「9が重なる=苦が重なるようで不吉なのでは」と気になる方もいますが、心配いりません。むしろ逆で、陽の気が最も満ちる、一年でも縁起の良い日とされてきました。ただし、あまりに強い気は邪気を招くとも考えられ、それを払うために用いられたのが菊です。菊は昔から薬効のある花とされ、その香りや成分で邪気を払い、不老長寿を願いました。つまり重陽の節句は、健康と長生きを祈る前向きな行事。「9月9日は縁起が悪い」という誤解は、ここで手放して大丈夫です。
五節句の最後の行事としての位置づけ
重陽の節句は、一年に5つある「五節句」の締めくくりにあたります。他の4つと並べて見ると、位置づけがぐっとわかりやすくなります。
人日・上巳・端午・七夕・重陽 五節句一覧
五節句は、季節の節目を祝う伝統的な5つの行事です。並べてみると、実は馴染みのある行事ばかりだと気づきます。
| 節句 | 日付 | 別名・関わる植物 |
|---|---|---|
| 人日(じんじつ) | 1月7日 | 七草の節句(七草がゆ) |
| 上巳(じょうし) | 3月3日 | 桃の節句(ひな祭り) |
| 端午(たんご) | 5月5日 | 菖蒲の節句(こどもの日) |
| 七夕(しちせき) | 7月7日 | 笹の節句(七夕まつり) |
| 重陽(ちょうよう) | 9月9日 | 菊の節句 |
こうして見ると、1月7日の七草がゆ、3月3日のひな祭り、5月5日のこどもの日、7月7日の七夕と、どれも生活に根づいた行事です。その流れの一番最後に位置するのが、9月9日の重陽の節句です。
なぜ重陽だけ馴染みが薄いのか
他の節句は知っているのに重陽だけピンとこない、という感覚には理由があります。一つは、ひな祭りや七夕のように子ども向けのわかりやすい主役がいないこと。もう一つは、旧暦の9月9日は今の暦では10月中旬ごろにあたり、菊が本当に見頃を迎える時期とずれてしまったことです。現代の生活サイクルに乗りにくかったため、少しずつ影が薄くなっていきました。知らなくても引け目に感じる必要はまったくありません。むしろこれから気軽に取り入れれば、季節の楽しみが一つ増えます。
重陽の節句に食べる食べ物・行事食
ここからは実践編です。重陽の節句には、秋の味覚を使った縁起の良い食べ物があります。どれもスーパーで手に入るものばかりなので、身構えずに取り入れられます。
栗ご飯・食用菊・菊酒・秋茄子の意味
重陽の節句を代表する行事食には、それぞれ意味が込められています。
- 栗ご飯:重陽の節句は「栗の節句」とも呼ばれ、収穫期の栗で炊く栗ご飯は定番中の定番。秋の実りに感謝し、健康を願う一品です。
- 食用菊:邪気を払い長寿を願う花。おひたしや酢の物にして食卓に彩りを添えます。
- 菊酒:日本酒に菊の花びらを浮かべたお酒。菊の香りを移し、無病息災を願います。
- 秋茄子:「くんちに茄子を食べると中風にならない」という言い伝えがあり、この時期の茄子は縁起物とされてきました。
全部そろえる必要はありません。栗ご飯を炊くだけでも、食卓はぐっと重陽らしくなります。
食用菊の選び方と簡単な下処理・おひたしレシピ
食用菊は、秋になるとスーパーの野菜コーナーや直売所に並びます。黄色や紫の花びらがパックに入って売られているので、鑑賞用の菊と間違える心配はありません。花びらがみずみずしく、変色していないものを選びましょう。
下処理と調理はとても簡単です。
- 花びらをガクから外して、ざっと水洗いする。
- 酢を少し加えた熱湯で、10〜20秒ほどさっとゆでる(酢を入れると色が鮮やかに残ります)。
- 冷水にとって水気を軽く絞る。
- だし醤油やポン酢で和えれば、彩り豊かなおひたしの完成。
ほんのり菊の香りがして、いつもの副菜が秋らしい一品に変わります。ゆでる時間は数十秒なので、面倒に感じても実際は5分ほどで作れます。
菊酒はノンアルでもOK|子どもと楽しむ工夫
菊酒は本来お酒ですが、お子さんのいる家庭や、お酒が飲めない方でも楽しめます。おすすめは、炭酸水やりんごジュースに食用菊の花びらをそっと浮かべる方法。見た目が華やかで、「今日は特別な日」という雰囲気が出ます。菊の花を浮かべた透明なドリンクは、テーブルに一つあるだけで季節感が生まれます。お酒を用意しなくても、家族みんなで同じ気分を味わえるのがうれしいところです。
家庭でできる重陽の節句の過ごし方
食べ物以外にも、暮らしの中で気軽に楽しめる過ごし方があります。どれも「これならできそう」と思える手軽なものばかりです。
菊を飾る・菊湯・菊枕で香りを楽しむ
一番手軽なのは、菊を一輪飾ること。花屋やスーパー、100均の造花コーナーでも菊は手に入ります。玄関やリビングに飾るだけで、季節の節目を感じられます。もう少し楽しみたい方には、湯船に菊の花を浮かべる「菊湯」もおすすめ。ゆず湯の菊バージョンのようなもので、ほのかな香りに包まれてリラックスできます。乾かした菊の花びらを枕元やポプリにする「菊枕」も、昔から親しまれてきた香りの楽しみ方です。まずは一輪飾るところから始めれば十分です。
着せ綿(被綿)の言い伝え
少し風流な風習に「着せ綿(きせわた)」があります。重陽の前夜、菊の花に真綿をかぶせておき、翌朝、菊の露と香りを含んだその綿で体を拭くと、若さと健康を保てるという平安時代からの言い伝えです。今そのまま再現するのは難しいですが、「昔の人はこんな風に菊で健康を願ったんだね」と子どもに話してあげるだけでも、季節の物語が一つ伝わります。
雛人形を秋に飾る「後の雛」
「後の雛(のちのひな)」は、しまい込んだ雛人形を重陽の節句にもう一度飾る風習です。年に一度しか出番のない雛人形を秋にも飾ることで、人形を長持ちさせ、大人の女性の健康や長寿を願う意味があります。虫干しを兼ねて飾れるので実用的でもあります。ひな祭りのときほど大がかりでなくてよく、お気に入りの人形を少し出すだけでも季節の趣が楽しめます。
子どもと一緒に季節を楽しむヒント
重陽の節句は、子どもと季節の行事にふれる良いきっかけになります。難しい歴史を教える必要はなく、「9が重なる縁起のいい日なんだよ」「菊で元気になれますようにってお願いするんだよ」と、ひと言添えるだけで十分です。栗ご飯を一緒に炊いたり、透明なジュースに菊の花びらを浮かべたり、菊を一輪選んで飾ったりと、手を動かせる体験があると記憶に残ります。食用菊の色を見せながら「これは食べられるお花なんだよ」と話せば、食への興味も広がります。行事を通して四季の移ろいを感じる経験は、情操を育てる何よりの教材。完璧にやろうとせず、できることを一つだけ、が長く続けるコツです。
よくある質問
この記事に関してよく寄せられる質問をまとめました。
重陽の節句は縁起が悪い日ですか?
いいえ、縁起の良い日です。9は「陽の気」が最も強い数字とされ、それが重なる9月9日は一年でも特に縁起が良いとされてきました。「9が重なる=不吉」という印象を持たれがちですが、実際は健康と長寿を願う前向きな行事です。安心してお祝いしてください。
重陽の節句には何を食べればいいですか?
代表的なのは栗ご飯、食用菊のおひたし、菊酒、秋茄子です。すべてそろえる必要はなく、栗ご飯を炊くだけでも十分に重陽らしくなります。まず一品だけ、と考えると気軽に取り入れられます。
食用菊はどこで買えますか?普通の菊と違いますか?
食用菊は秋になるとスーパーの野菜コーナーや直売所に並びます。花びらがパック詰めで売られているので、鑑賞用の菊と混同する心配はありません。食用として栽培されたものなので、そのまま調理して食べられます。
重陽の節句は毎年いつですか?
毎年9月9日で固定です。年によって日付が変わることはないので、「9月9日」とだけ覚えておけば大丈夫です。
子どもと一緒に楽しむには何をすればいいですか?
栗ご飯を一緒に炊く、透明なジュースに食用菊の花びらを浮かべる、菊を一輪選んで飾る、といった手軽な体験がおすすめです。「9が重なる縁起のいい日だよ」とひと言添えるだけで、季節の行事として記憶に残ります。
まとめ|9月9日は無理なく秋の健康を願おう
重陽の節句は、毎年9月9日にある五節句の締めくくりで、別名を「菊の節句」といいます。「9が重なる=不吉」というのは誤解で、実際は陽の気が満ちる縁起の良い日。菊の力で邪気を払い、健康と長寿を願う前向きな行事です。
- 読み方は「ちょうよう」、別名は「菊の節句」。日付は毎年9月9日で固定。
- 9は陽の数の極み。それが重なる縁起の良い日で、菊で邪気を払い不老長寿を願う。
- 食べ物は栗ご飯・食用菊・菊酒・秋茄子。まずは栗ご飯を一品だけでもOK。
- 過ごし方は菊を一輪飾る・菊湯・後の雛など。できることを一つだけで十分。
大がかりな準備はいりません。菊を一輪飾るだけでも、立派に重陽の節句を楽しんだことになります。今年の9月9日は、無理のない範囲で秋の健康を願ってみてください。小さな行事を暮らしに取り入れるだけで、季節の楽しみが一つ増えます。
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