年収400万円VS年収800万円の節約術、違いをプロが解説!
- 2023年06月27日更新
節約とひとくちに言っても、世帯年収によってどこを節約すればいいのか変わってきます。例えば、年収400万円~800万円世帯の節約するポイントがどこが違うのか、ファイナンシャルプランナーの日向が解説します。
年収400万円世帯の節約術、まずは「見直し」が重要?
国税庁が毎年実施している、民間給与実態統計調査(平成28年分)によると、サラリーマンの平均年収は「約420万円」となっています。年収400万円の場合、税金や社会保険料などを差し引いて、手取り月収を計算すると、約27万円になります。
住宅ローンなどの住居費、子どもがいる場合の教育費などを考えると、年収400万円世帯で節約することは、必要不可欠です。そこで、ここでは、年収400万円世帯の節約術について、解説します。
(1)家計簿やアプリで家計を"見える化"する
年収400万円世帯で、効果的に節約するためには、家計をしっかり管理する必要があります。しっかりとした家計管理をするために有効なのが、家計簿をつけることです。家計簿と聞いて、拍子抜けした人もいるかもしれませんが、家計簿をつけることは、効果的に節約するための大きな武器になります。
どうして、家計簿をつけると、効果的に節約することが可能なのでしょうか?
まず、家計簿をつけることによる重要な効果として、お金の流れを見える化することが挙げられます。つまり、収入と支出がこのくらいあったので、このくらいのお金が残ったというお金の流れ、つまりお金の収支が明らかになります。家計の収支が明らかになることによって、家計の節約をするための対策が立てられることになります。
具体的には、「先月は食費が多すぎたから、今月は食費を減らそう」とか、「先月は衣服費が高すぎたから、今月は衣服費を減らそう」といった節約ができるようになります。
最近では、家計簿アプリなどの便利なアイテムもありますし、昔ながらの市販の家計簿もありますので、自分に合った家計簿を選んで、家計簿をつけ始めることが、節約への第一歩となります。
(2)固定費の見直しによる節約術
年収400万円世帯の家計を節約したいと考える場合、まず、手を付けるべきは固定費です。固定費とは、家計において、定期的(毎月又は毎年)に発生する費用のことです。固定費には、住居費(住宅ローンや家賃)、自動車費、携帯電話・スマホ代、保険料(生命保険など)、光熱費、教育費などがあります。
どうして、年収400万円世帯の節約術として、最初にやるべきことが、固定費の削減かというと、食費や日用品、被服費などの変動費(月によって金額が変わる費用)に比べ、節約による効果が大きいからです。
固定費を見直して削減するには、次のような節約術があります。
住居費であれば、家賃を下げるため、引越する。
自動車を所有している世帯であれば、自動車を手放して、レンタカーやカーシェアリングの利用や電車やバスなどの公共交通機関を利用する。
携帯電話(スマホ)の料金プランを見直す。
生命保険などの保険料を見直す。
以上のような固定費の見直しを実践することによって、固定費の削減が期待できますので、家計の節約に大きく寄与することになります。
(3)将来のために貯蓄する「天引き貯金」
将来の不測の事態に備えて、貯蓄することは、大変重要です。しかし、しっかりと貯蓄できている世帯もあれば、まったく貯蓄できていない世帯もあります。
このように二極化してしまうのは、いくつかの理由があるからだと思いますが、貯蓄の方法を知っているかいないかの違いが大きいのではないかと思います。というのは、貯蓄できない人というのは、月収から生活費を支出した残りの金額を貯蓄に回そうと考えがちですが、実はこの方法では、なかなか貯蓄できません。
では、どうすればいいのかというと、「天引き貯金」という方法を実践することなんです。
「天引き貯金」とは、給料から天引きして、社内預金などに貯蓄する方法です。
社内預金だけでなく、銀行などの「自動積立定期貯金」などのサービスを利用して、普通口座から定期預金口座へ自動的に、定期に積み立てることも可能です。
年収800万円世帯の節約術、400万円世帯との違いとは?
年収800万円の場合、税金や社会保険料などを差し引いて、手取り月収を計算すると、約51万円になります。これだけの手取り月収があると、かなり余裕のある世帯だと思いますが、浪費しないように気をつけなければいけません。
いくら年収が高くても、浪費してしまっては、いつの間にかお金がなくなってしまったという事態にもなりかねませんし、高収入でも、家計が苦しいという世帯は、意外に多いです。このようなことにならないためにも、年収400万円世帯の節約術で解説した(1)~(3)はやっておくに越したことはありません。特に、家計簿をつけて、お金の収支をチェックする必要があります。
それらに加えて、年収800万円世帯では、攻めの節約といえる「投資」も考えてみましょう。
収入の一部を投資にまわす
年収800万円世帯の家計では、十分な手取り収入がありますから、天引き貯金などにより、ある程度の貯蓄をすることが可能です。しかし、ただやみくもに、この貯蓄を銀行などの預貯金口座に預けていても、今は金利が低いため、増える可能性はほとんどありません。
そこで、金利の高い投資信託や保険などの金融商品に預けたほうが、お金が増える可能性が高くなるわけです。ただし、投資信託や保険などの金融商品は元本割れするおそれがあることには注意しましょう。
節約術を身につけ、習慣化する
世帯別年収に関係なく、節約できる人とできない人は二極化します。節約できる人と節約できない人の違いは、節約する習慣があるか、ないかの違いです。
家計簿をつけて、家計を見直し、節約を実行して、貯蓄するという習慣を身につけることができれば、一生お金に困ることはなくなると思います。いずれにしても、収入が少ないから、貯蓄ができないとは言えないですし、収入が多いから、貯蓄ができるとは言えません。
したがって、節約術を身につけ、習慣化することは、年収に関係なく、重要だということです。
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