血圧を下げる最強の方法とおすすめの食べ物とは?30年以上血圧を測り続けた医師が直伝!

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

健康診断で必ず測定する血圧。病気知らずの健康な暮らしを送る上で、安定した血圧を保つことは重要です。

血圧は、どういう時に上がって、どういう時に下がるのでしょう?また、血圧を下げるために必要なこととは?

今回は、血圧を下げるために知っておきたいことについて、「ミスター血圧」こと第一人者の渡辺先生に教えていただきました。

【監修者紹介】 渡辺尚彦[ワタナベヨシヒコ]

医学博士。東京女子医科大学東医療センター元教授、愛知医科大学客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学臨床教授、聖光ヶ丘病院内科医師。高血圧を中心とした循環器疾患が専門。1987年から連続携帯型血圧計を装着開始。以来24時間365日、血圧を測定し続けている。『血圧を下げる最強の方法(アスコム)』など著書多数。
渡辺尚彦

血圧を下げる方法とは?

さまざまな病を引き起こすとされる高血圧。高血圧の原因は、主に不規則な生活と、生活習慣が重なることで引き起こされると言われています。

そもそも高血圧ってどれくらいをいうの?

血圧にはちょうどよい高さがあり、高からず、低からず、が理想です。そのちょうどいい高さを「至適血圧」といい、上が120mmHg未満、下は80mmHg未満。これが、血圧に負担をかけない最も良い状態です。140mmHg以上、下は90mmHg以上になると、高血圧と診断されます。

日本人では、高血圧の方は約4,000万人いると言われています。日本人の3人に1人が高血圧ということです。60歳以上になると、2人に1人と言われます。

血圧って、どういうときに上下するの?

血圧は、気温に大きく関係します。たとえば、寒いと血管が縮むため冬は血圧が上がる傾向がありますし、外気と室内の温度差でも変化します。血圧を測る場所が寒いか、暖かいかでも測定数値に差が出ます。

冬に外出先から帰宅し、寒い室内ですぐにコートを脱ぐと、体が急激に冷えた環境に置かれ血圧が上昇します。上着を脱ぐときには、お部屋を温めてから脱ぐようにすると血圧は穏やかなまま保たれます。

さらにわかりやすい例なら、サウナから水風呂に入るといった急激な温度差に体をさらすと、血圧は上昇します。

もう一つ、血圧が上がるひとつのパターンに、ストレス解消のために過食を繰り返すケースがあります。このストレスが、自律神経を刺激して血圧をあげてしまう原因となります。内臓脂肪の蓄積による肥満で血圧が高くなり、さらにストレスで血圧が上がるということになってしまいます。

また、血圧は、交感神経の活動が優位のときに上がり、副交感神経が優位なときは下がります。白衣高血圧といって、病院で白衣の医師や看護師を目の前にした時に一時的に血圧や脈が高くなることがあります。緊張で交感神経が活発になるからです。

このように、血圧は測る環境によっても影響を受けるのです。

血圧を下げるために

血圧を下げるためには、食生活から運動まで、生活習慣の見直しが大切です。言い換えれば、生活習慣は血圧に大きな影響を与えるのです。

ただし、健康のための習慣とはいえ、負担が大きすぎると無理が生じて継続が難しく、日々の暮らしに取り入れにくくなってしまいます。できるだけ続けやすい心がけや改善で、高血圧になりにくい体を作りましょう。血圧を下げるために大切な、減塩・運動・肥満防止のための方法をご紹介します。

①食生活編(減塩・お酢など血圧を下げる食品について)

塩分は控えめにする

日常でできる範囲で、塩分のコントロールをしてみましょう。しょうゆは日本食の味付けの要なので、日本の食事には欠かせない大切な調味料ですが、実は塩分のかたまりです。

でも、一切口にしないという選択肢は不可能なので、できるだけしょうゆを摂らないために徹底すべきルールを守り、あとは食事を楽しむことも大切です。すぐに実行できることであれば、

  • しょうゆで味付けされた汁は飲まない

ラーメンやうどん・そばのスープ、すまし汁などを一滴残らず飲み干してしまう人は、これからは一口すすったら残しましょう。

  • しょうゆをかけない

減塩のためには、調味料を使うとき味を薄めにすることが前提ですが、料理に直接しょうゆをかけるのをやめてみましょう。

代わりに、かけるのではなく「つける」習慣をつけると良いでしょう。小皿に少量注いだしょうゆに、ほんの少しだけ刺身をつけるようなイメージです。

  • 香辛料を上手にコントロールする

ハーブやスパイスなどを利用して料理を楽しむこともひとつの手。クミンなどの香りと野菜の旨味は相性が抜群。

減塩するなら夕食より朝食に

朝食と血圧は密接に関わっています。朝食を抜くことは、血圧の上昇を促してしまうので、必ず朝食を摂りましょう。

減塩を意識するなら朝食時。起床後は、レニン、アルドステロン、アドレナリンやノルアドレナリンなど、血圧を上げるホルモンがたくさん出ている時間帯です。

この時間に塩分を摂りすぎると、血圧は上昇します。

血管を柔らかくする物質を含む食品を食べる

血管を柔らかくする物質=NO(一酸化窒素)を多く含む食品を食べることで、高血圧対策ができます。たとえば、NO(一酸化窒素)を多く含む食品には、赤身のお肉(ヒレ牛、豚、ラム、馬) 、魚(マグロ、カツオ、鮭) 、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、卵などがあります。

血圧を下げる食品を食べる

甘いものの食べ過ぎは体に良くないといわれますが、一方で疲労回復や血圧低下を促す役割のある食材もあります。

たとえば、「ピーナッツ」です。毎日皮付きピーナッツを20粒食べると血圧が8mmHg下がるという研究結果があります。

また、おやつを食べるなら血圧を下げてくれる「チョコレート」がおすすめ。チョコレートに含まれるエピカテキンというカカオポリフェノールに、血圧を下げる効能があります。さらに、「フルーツグラノーラ」も血圧を下げる食品です。

飲み物にも、血圧を下げる効能があるものがあります。それは、「ギャバ茶」や「杜仲茶」。そして、「ぶどうジュース」です。毎日ぶどうジュース200ccを3杯飲むと血圧が4mmHg下がるという研究結果もあります。

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 注目の「お酢」を日常に取り入れる

近年、注目を浴びているのが「お酢」です。毎日少量だけでも飲むことを続けると、塩分を4%減らした時の効果に匹敵するのだそうです。

血圧を下げるための「お酢」を、具体的に使う方やアレンジ方法についてチェックしてみましょう。

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カリウムを含む野菜や果物を摂取する

カリウムは、ナトリウムとのバランスを取りながら血圧を調整する役割があります。カリウムはナトリウムと一緒に浸透圧を維持し、余分なナトリウムを排出するため、血圧上昇を抑制するはたらきがあります。

カリウムが多く含まれる食材は、パセリ、アボカド、ほうれんそう、大豆、ひじき、きのこ、雑穀、納豆、モロヘイヤなどです。これらの野菜や果物を積極的に摂るとよいでしょう。

②運動編(足を使う有酸素運動)

適度な運動をしましょう

適度な運動は、血管が広がって血流がよくなり酸素を取り入れる能力が高まることで、心臓の負担を減らします。それだけでなく、運動は、血圧を上げるホルモンを減らし、血圧を下げるホルモンを増やす作用があり、血栓ができにくくなります。さらに、悪玉コレステロールが減少し、中性脂肪の減少、血糖値の低下といった効果まであります。

特に「足を使う有酸素運動」は、血圧を下げるのに効果的です。日常生活の中で歩くことを意識するだけでも、立派な有酸素運動です。

  • ウォーキング
    日常の中で無理なく行うことが大切です。

  • サイクリング
    足腰の負担が少なく、疲労感も感じにくいので日常に取り入れやすいでしょう。

  • 水中ウォーキング
    水の抵抗と浮力で、体に負担なく程よい運動となります。

  • スロージョギング
    時速4〜5kmで、歩幅を狭くして走ります。後ろ足を蹴り上げないようにするのがコツ。

このように、生活習慣で、血圧を下げることが可能です。急に運動をすると血圧が上がりやすくなるので、運動前にはウォーミングアップをしましょう。また、運動の前後には「ストレッチ」を行うと、怪我の予防や疲労回復にもなります。

1日の始まりに、手足をぶらぶらと動かすだけでも、血圧を簡単に下げることができます。
起床して急に立ち上がると血圧が上がるので、目が覚めたら布団の中で手足をゆらゆらと動かし、血圧を整えてからゆっくりと起き上がりましょう。

③その他生活習慣編

ストレスをためない

日本人に多い高血圧疾患者の90%は、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣に加え、遺伝因子、そしてストレスなどさまざまな因子が複雑に絡み合って発症しています。

ストレスを感じると交感神経が活発になり、血流が増えて血圧が上がってしまいます。ストレスが蓄積され続けると、高血圧の発症にもつながる場合があるため、ほどよく対処することが必要です。

健康診断や外来診療などで見落としがちな「仮面(隠れ)高血圧症」という症状もあります。これは、病院で測ると正常値でありながら、働いている職場にいる時だけ血圧が上がるという血圧状態のこと。仕事のストレスで、こうした「職場高血圧」になる人もいるのです。

十分な睡眠をとる

睡眠中は副交感神経が活発になるため、血圧が下がります。しかし、十分な睡眠がとれないと、睡眠中の交換神経が活性化し、副交感神経の働きが低下するため、血圧が上昇してしまいます。

また、仰向けに寝ると軟口蓋が重力で下がり気道がふさがってしまい、連動する形で血圧が上昇します。横向きに寝ると、それが発生せず、血圧の上昇が抑えられる可能性があります。

禁煙をする

喫煙をすると交換神経が優位になり、血管の収縮が起こります。血圧を下げるためには、喫煙は厳禁です。

アルコールは適量で嗜む程度に

アルコールは少量であれば血圧は低下しますが、飲みすぎると翌朝の血圧を上昇させてしまいます。

まとめ

最近では、「無塩レシピ」なども幅広く認知されてきて、減塩の大切さは十分に理解しているという人も多くなってきたのではないでしょうか。しかし、肝心な減塩方法を実行できている人は多くはありません。

無理に塩分を取り除いておいしさを欠いた食事をするよりも、食材の風味を楽しみながら継続することが大事。高血圧を下げるためには、普段の小さな意識や心がけの積み重ねが最も大切なのです。

【参考文献】
『血圧を下げる最強の方法(アスコム)30年間×24時間 自分の血圧を測り続けている専門医だからわかった正しい降圧法』(渡辺尚彦著)
『高血圧をもっと下げる新常識(笠倉出版社)』(渡辺尚彦著)
『誰でもスグできる! 血圧をぐんぐん下げる 200%の基本ワザ(日東書院本社)』(渡辺尚彦著)

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この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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