習い事「体育スクール」のメリットは?子供には運動神経が伸びる時期があった
- 2023年06月27日更新
「今の子供は運動能力が低下している」
「運動が得意になるにはどうしたらいいの?」
「運動神経は遺伝だから仕方がない」などと思ったことはありませんか?
そんな子供の運動に関する疑問を「体育のプロ」に聞いてきました。あなたのお子さんは運動神経が悪いわけじゃない⁉
「どうしたら運動が得意な子にできるの?」とプロに聞きたい!
「どうしたらうちの子運動得意になるのかしら」
運動会を見たり、公園で遊ぶ姿を目にしたりすることで、このように悩む親御さんも多いのではないでしょうか。子供によっては快活にやり遂げる子供がいる一方、苦手な子はとことん苦手な印象の「体育」。
そんな疑問を、元五輪代表選手が立ち上げた企業であり、駅前で見かけることも多いスポーツクラブ「セントラルスポーツ」に聞いてきました。 ▲セントラルスポーツ・田中孝二さん
お話を伺ったのは、ブルースリーのバク転に憧れて体操をはじめたという田中孝二さん。セントラルスポーツの体育スクール「キッズ体育」でも実際にコーチを経験され、現在は全国の体育スクールの統括を担当。指導員の研修やマニュアルの作成を行う体育指導のエキスパートです。
今の子供は運動神経を発達させる環境が不足気味
▲「キッズ体育スクール」はさまざまな動きを経験できる。
今の子供は運動神経が落ちている気がする──、これは保護者の間でもいわれている話です。この話を田中さんにすると「今の子供たちが特に運動能力が悪いとは感じていない」とキッパリ。ただし、環境は関係あるように思う、とつづけます。
「運動をする上で、走る・跳ぶ・回るなどといった動作は基本的な動きとなりますが、幼児期にこの基本動作を繰り返し行うことで神経系を刺激し運動能力向上に繋がります。しかし近年では住宅環境やインターネット環境の変化などにより、この基本動作を使って遊ぶ機会が減ってきています。それが運動の苦手な子が増えている原因のひとつではないでしょうか」(田中さん)
昨今、ボール使用禁止など、子供の遊び方に制限を加える公園も多く、ゲームも実際に会わなくてもネット上で繋がることができる環境になり、「神経系があまり刺激されない環境下で生活する子供が増えたのでは」という見解です。
小学生時代は神経系が一番伸びる時期!
▲セントラルスポーツ・キッズ体育の教材「タイチャレ」より
つづけて、田中さんは「運動神経が伸びる時期」があることを教えてくれました。
「9歳~12歳頃の神経系がぐっとのびる時期は〈ゴールデンエイジ〉と呼ばれています。その前段階であり神経系が伸び始める時期である〈プレゴールデンエイジ〉(4歳~8歳頃)から〈ゴールデンエイジ〉(9歳~12歳頃)までに、さまざまな動作をたくさん行うことで、脳にある神経系が刺激されるのです」
4歳~12歳ということは、幼稚園から小学校卒業まで。未就学児(6歳くらいまで)はよく脳の発達が活発と聞く機会がありますが、まさか9歳から12歳が神経系発達のピークとは筆者も知りませんでした。
神経系の発達後に筋肉がつく時期がくる!
▲小学生時代は筋肉よりも、神経系が発達する時期!
「運動神経系の発達は、12、13歳くらいに緩やかになりはじめます。その代わり、その年齢の後、筋肉がぐっとつきやすい時期がくるのでそれまでの間はどんなにきつい筋力トレーニングをしても、大人みたいな筋肉はつきにくいんですよ」と田中さん。
※個人差があります。
そういえば、知り合いの親御さんに「こんなに運動するのに、なぜ我が子は筋肉がつかないんだろう」と首をかしげている人がいました。運動が足りないわけでなく、筋肉がつきやすい年齢ではなかったというわけだったのですね。
苦手な子は「自己肯定感」がより大切に
▲運動会で「うちの子、体育が苦手なのかも」と気づくことも。
4・5歳から12歳が神経系発達適齢期──ということは、例えば苦手意識のある子が10歳くらいからでも体育スクールに通いはじめれば、神経系を発達させることできるのか、そのあたりを田中さんにうかがいました。
「できる子と比べてしまうと同じようには上達できないかもしれません。しかし、その子の中では上達はできます。例えば、体格の大きい子が“鉄棒は苦手だけど、跳び箱はできた”など自分の得意な分野に気づいて自信をもつことは大事なことです」
セントラルスポーツの体育スクール「キッズ体育」は、同じ教室内でさまざまな級を目指す子たちが一緒に習っているといいます。その日の授業がマット運動なら基本的に練習はグループで行いますが、その中でも個人のレベルに合わせた指導が行われています。そこが圧倒的に学校の授業と違うところです。
「当社体育スクールでは鉄棒・マット・跳び箱の3種目をメインに指導しており、それぞれ25段階のレベルがあります。種目ごとにレベルを認定することで、得意な種目はどんどん伸ばし、子供たちのモチベーションをあげています」(田中さん)
比較することなく自分のペースで学び、
そして、自己肯定感を高めることで苦手意識をなくしていく──、
少しずつできることを増やしていき、ポジティブなイメージを持つことは、勉強時にも役立ちそうなトレーニング方法ですね。
基本動作はすべてのスポーツにつながる
▲25級から1級を目指す「タイチャレ」ファイルは一人ひとりが持っています。
体育スクール開始当初は15級だったところから、現在は25級まで増えたというセントラルスポーツ・キッズ体育スクールの進級システム「タイチャレ」。
田中さんのお話で運動能力を向上させるうえで重要な要素が、「神経系の発達」ということがわかりました。そして、「基本動作をくりかえし行い、神経系を刺激することは、すべてのスポーツ につながっていく」と田中さんは言います。
「キッズ体育のように走る・跳ぶ・回るなどさまざまな基本動作を身に着けさせることで、将来その子がどのようなスポーツでも通用する基本が備わるわけです。当社の体育スクールは体操選手を育成する事だけが目的ではありません。運動が苦手な子を減らし、楽しく身体を動かしていける人たちをできるだけ多く増やしたいと思っています」(田中さん)
遺伝を超える?親の意識で運動神経はのびる
▲セントラルスポーツの「キッズ体育コース」の教室例。
最後に「ついつい遺伝的に考えてしまいがちですが、適齢期に神経系を刺激することで、遺伝以外に運動能力はのびる可能性は十分あります」という田中さんの言葉に納得。
体育のプロに聞いたお話は、親が「遺伝だからあなたは運動ができない」と決めつけてはいけないのだと痛感するお話でした。セントラルスポーツの田中さん、貴重なお話をありがとうございました!
セントラルスポーツ・キッズ体育スクール
全国にスクールあり、見学体験・お問い合わせはお近くのセントラルスポーツへ
公式サイト:http://www.central.co.jp/kids/gym/
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