お花見シーズン到来 ソメイヨシノ発祥の地を訪ねて
- 2023年06月27日更新

こんにちは。まちかどのゲリラ的園芸活動をひそかに愛で見守る「路上園芸学会」会長の村田です。
ライター
- 路上園芸学会 会長 村田
- 街角で営まれる路上園芸に魅了され「路上園芸学会」名義でSNS等で細々と魅力を発信。植物への興味が尽きず園芸装飾技能士の資格も取得。人の手を離れオバケ化してしまった植物を見るとつい興奮。『街角図鑑』(三土たつお編著・実業之日本社)に路上園芸のコラムを寄稿。図画工作作家の木村りべか、写真家の中島由佳とともに、庭先系エンターテイメントユニット「庭先PT」として活動。
春といえば桜の花。
桜が満開に咲く光景は、別れや出会い、入学式、卒業式など、人生の節目の思い出とともに、記憶に刻まれている人も多いのではないでしょうか。
桜の中でも特に知られるのが、ソメイヨシノという品種です。
ソメイヨシノの発祥の地は、実は東京。
江戸時代に「染井村」と呼ばれていた、豊島区駒込です。
日本人と植物との関係を辿る上でもはずせない染井村の名残を訪ねて、駒込を歩いてみました。
染井村のメインストリート・染井通り
かつての染井村の最寄駅はJR駒込駅。
ホームから見える土手には、ツツジがこんもりと植えられています。
駅から外に出ると、すぐ横に「染井吉野桜記念公園」という公園があります。
公園内には「染井吉野櫻発祥之里 駒込」と書かれた石碑のほか、ソメイヨシノの両親と言われている、オオシマザクラとエドヒガンザクラが。
そしてなんとアメリカのワシントンDCから里帰りしてきたソメイヨシノも植えられていました。
公園からほど近くの染井通りは、かつての染井村の目抜き通り。
現在は、閑静な住宅街となっています。
かつてはこの通り沿いに、広大な大名屋敷が軒を連ねていました。
屋敷の庭木の手入れに駆り出された近隣の農家が、染井村の植木屋のルーツだそう。
やがて専門家した植木屋たちは、通り沿いの敷地内で植木や花卉の栽培や販売を行うようになりました。
ここ染井村は一大園芸センターであるとともに、花木に溢れた植木屋の敷地は、住人にとって近場の名所として楽しめる風光明媚な場所だったそうです。
ソメイヨシノは、そんな染井村の植木屋によって生み出され、全国、そして世界へと広がっていきました。
染井通り沿いには「私の庭・みんなの庭」というコミュニティガーデンがあり、門前には「花咲か七軒町植木の里」という看板が。
敷地内には作物が植えられているほか、池もあり、子どもたちが何やら池を覗き込みながらおしゃべりしていました。
都市の中で、生き物と触れ合える空間です。
染井村の植木屋たちの史跡
通りをしばらく歩き、脇道に入ると、「門と蔵のある広場」があります。
ここは、染井の植木屋だった丹羽家の敷地の一部だったとのこと。
広場に設置された石碑には、江戸時代に染井村を訪れたイギリスの植物学者ロバート・フォーチュンの著書『江戸と北京』の一節が引用され、染井通りに1マイル以上も苗樹園が続き、鉢植えや露地植えの植物がよく管理されている様子に感嘆したエピソードが記されています。
広場から少し歩いたところにある「西福寺」というお寺には、江戸を代表する植木職人だった「樹仙」こと伊藤伊兵衛氏の墓碑があります。
西福寺の前の道には、桜並木が続いています。
そこからほど近くには「染井よしの桜の里公園」という公園があります。
公園の隣では、桜の苗木も育てられていました。
豊島区のホームページによると、地元の桜の枝を接いだ接ぎ木苗を栽培し、成長したら区内の施設や全国に「染井産のソメイヨシノ」として発信していく予定だそう。
かつての染井村で、新しいソメイヨシノの歴史が始まっています。
再び染井通りに出ると、通りのゴールは染井霊園。
広大な敷地内で、立派な桜の木を多く楽しむことができます。
まとめ
駒込駅から染井霊園までは、徒歩15分程度。
至る所で芽吹く桜の花を楽しみながら、桜の花の歴史を感じられる場所です。
今回のお散歩のお供となったのは『プランツ・ウォーク 東京道草ガイド』(講談社)。
いとうせいこうさんと柳生真吾さんが、東京の色々な街の植物を楽しみながらお散歩するこの本の中で、駒込も地図とともに紹介されています。
ロバート・フォーチュンが、世界随一と絶賛した染井村。
タイムマシンが手に入ったら、真っ先に訪れ、「プランツ・ウォーク」してみたい場所です。
参考文献
- 『プランツ・ウォーク 東京道草ガイド』(いとうせいこう・柳生真吾 講談社)
- 「巣鴨・駒込の園芸」(豊島区ホームページより)
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