【すごいデータ】ミャクミャクが"気持ち悪い…"から"推せる!"に変わっていった背景「シニア人気の背景に"70年万博の記憶"も!?」

  • 2025年12月28日公開

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こんにちは!ヨムーノ編集部です!

「第一印象が悪かったけど好きになるキャラ」、いますよね。
筆者は『鬼滅の刃』の柱たちの初登場シーンをリアルタイムで読んだ時、現場のことを何も理解していないくせに態度だけ無駄に横柄な会社役員のおじさんたちのような上から目線を感じてものすごくイヤでしたが、無限列車編を皮切りに全員がとんでもなく大好きになりました。

この例は極端ですが、「第一印象を徐々にポジティブに塗り替えていくキャラ」の遷移、気になりますよね。
ということで今回は、LINEヤフーが実施した調査結果から見えてきた「万博キャラのミャクミャクが"気持ち悪い…"から"推せる!"に変わっていった背景」をご紹介します!

みんな、いつから「ミャクミャク」を好きになったのか【なぜ人気に?】

2025年、日本中から注目を集めた「大阪・関西万博」の公式キャラクター「ミャクミャク」。

「Yahoo!検索大賞2025」ではスペシャル部門で堂々の1位を獲得し、今ではすっかり“国民的キャラ”として定着しました。
あの奇妙で不思議なビジュアルが、いつの間にか「かわいい」「推せる」と人気者になった背景には、どんな変化があったのでしょうか。

最初はみんなネガティブだった

最初は戸惑いや違和感の声も多く、「気持ち悪い」「不気味」といったネガティブな印象を抱く人も少なくありませんでした。
でも、万博が盛り上がるにつれて、ミャクミャクへの印象も少しずつ変化。
気がつけば多くの人の心をつかみ、SNSではグッズや写真とともに「かわいくて癒される」という声が溢れています。

あなた自身は、いつからミャクミャクに親しみを感じるようになったでしょうか?

今回は、LINEヤフーが提供するYahoo!検索のデータを元に、「ミャクミャク」に関する検索数の推移や、一緒に検索されたキーワードを詳しく分析。
LINEヤフーデータアナリストの阪上さんのコメントも交えながら、ミャクミャクの“愛着の芽生え”を紐解いていきます。

「ミャクミャク」検索数はどう変化した?【なぜ人気に?】

ミャクミャクの名称が決定したのは2022年7月18日。
その直後は話題性もあり、Yahoo!検索での検索数は急増しました。
しかしその後は一気に熱が冷めたように、検索数は緩やかに低下。2022年から2023年にかけては、話題に上ることも少なく、静かな期間が続いていました。

ところが2023年12月、状況に変化が訪れます。
大阪市役所前に巨大なミャクミャクのモニュメント像が登場し、ニュースやSNSで再び注目の的に。
この時期、ちょうど万博開幕500日前を迎え、前売りチケットの販売もスタートしたことから、街中にミャクミャクの姿が増え、人々の目に触れる機会が格段に増えたのです。

そして翌年の2024年4月にも、再び検索数に小さな山が出現。
これは開幕1年前イベントが各地で実施された時期で、関連ニュースの報道やキャンペーンなどで再度話題となったと考えられます。

開催の年2025年になり変化は加速

その後、検索数は安定した状態を保ち、2025年を迎えると一気に動きが加速。
万博開催の本番年となるこの年、1月から3月にかけては右肩上がりに検索数が伸び、迎えた4月の開幕では過去最高の検索数を記録。
なんと、前年同月と比べて7倍以上という驚異的な伸びを見せました。

さらに注目すべきは、開幕後も検索数が高い水準で推移し続けたこと。
夏には一時的に落ち着いたものの、秋にかけて再び回復し、9月から10月には再びピークに近い数字を記録しました。

LINEヤフーデータアナリストの阪上さんも、
「開幕直後に一度検索数が落ち着いたものの、万博後半に向けた駆け込み来場の動きと連動するように関心が高まったのではないか」
と分析しています。

世代別で見る「ミャクミャク」への関心【なぜ人気に?】

検索データを年代別に分析してみると、ミャクミャクに対する関心には世代ごとの特徴が見えてきます。

登場当初、もっとも多く検索していたのは30代から50代のいわゆる“現役世代”。
仕事や子育てなどに忙しい世代の人々が、好奇心や関心からミャクミャクを検索していた様子が伺えます。

その後、万博開幕が近づくにつれて、60代以上のシニア層からの検索も増加。
2025年10月、閉幕のタイミングには、検索の約半数が50代以上によるものとなっており、若者だけでなく、幅広い世代から親しまれていることが明らかになりました。

1970年大阪万博を経験したシニア層からの人気?

「流行は若い世代から始まり、徐々に上の世代に広がるのが一般的ですが、ミャクミャクは初期からシニア層にも支持されていた点が特徴的です」と阪上さん。

特に関西圏では、ご年配の方がバッグにミャクミャクのキーホルダーをつけていたり、スマホケースにシールを貼っていたりと、リアルな“推し活”の様子も街でよく見かけたそうです。

ここからは推測になりますが、60代以上の中には、1970年の大阪万博(EXPO’70)を覚えている世代も含まれます。
「万博」という言葉自体に思い出や期待が重なることで、ミャクミャクへの関心が早い段階から広がった可能性もありそうですね。

1970年の大阪万博(日本万国博覧会)会期は 1970年3月15日〜9月13日。 このときに来場した世代は、2025年の現在、およそ50代後半〜70代以上の年齢層にあたります。
万博当時は10代後半〜20代(青年層)や20代以上(大人層)が中心で、2025年の万博には70代の方々が「青春時代をもう一度楽しむ」感覚で注目し、当時の思い出を重ねながら、デジタル化された現代の万博を体験したのかもしれませんね。

なぜ人気に?一緒に検索された「第二検索ワード」に見る印象の変化

次に、ミャクミャクと一緒に検索された「第二検索ワード」を見てみると、人々の受け止め方の変遷がはっきりと表れています。

ネガティブ・ミームなど"ネタキャラ"からグッズ情報きっかけで変化

分析では、「ネガティブ(気持ち悪い・怖いなど)」「ミーム(ネタ・妖怪など)」「情報(由来・プロフィールなど)」「グッズ(商品・コラボなど)」「ポジティブ(かわいい・会いたいなど)」の5分類に分け、それぞれの構成比を時期ごとに比較しました。

2022年7月、ミャクミャクの登場直後は、「ミーム」が58%と圧倒的。
SNSでは「何これ!?」というリアクションが飛び交い、“ネタキャラ”として扱われていた時期です。

一方で、「気持ち悪い」「怖い」といったネガティブ検索も一定割合(11%)見られ、キャラクターとしての受容にはまだ時間が必要だったようです。

ところが、2023年4月になると状況が一変。「グッズ」が77%と大幅に増加し、ミームは10%に縮小。
ファン心理が芽生え、ぬいぐるみや文房具などの関連商品に注目が集まったことが分かります。

万博前年になり"情報"に注目集まり更なる変化へ

そして、2024年には「情報」系の検索が51%を占めるように。
実はこの時期、アニメーション動画でミャクミャクが初めてしゃべるシーンが公開され、大きな話題になりました。
その結果、出生地や設定など「ミャクミャクってどんなキャラなの?」という知識を求める動きが強まったと見られます。

迎えた2025年4月、万博直前には再び「グッズ」検索が81%と過去最高に。
商品ラインナップも豊富になり、Tシャツ、コラボ食品、スマホアクセサリーなどジャンルを問わず多彩に展開されたことが背景にあります。

万博開催からは"グッズ情報"一色に

10月の閉幕時には、グッズ検索が83%とほぼ独占状態に。
対してネガティブな検索やミーム的なネタ検索は、ほぼゼロに近づいており、人々の関心が完全に“ポジティブ”へとシフトしていたことが伺えます。

LINEヤフーデータアナリストの阪上さんは、
「ネガティブ検索が減ったのではなく、それを圧倒する勢いでグッズなど好意的な検索が増えたことが要因です」
と話します。

つまり、ミャクミャクはただ単に“受け入れられた”のではなく、“愛される存在”として確立されていったのです。

データから見える「ミャクミャクなぜ人気に?」の本質

こうした検索データを通して見えてきたのは、ミャクミャクが単なる「万博のキャラクター」ではなく、多くの人の心に届く“共感型”キャラクターとして育っていった姿です。

特に、当初の違和感から、最終的には全国規模の人気キャラへと昇華していく過程は、万博そのものの盛り上がりと歩調を合わせていたとも言えます。
さらに、グッズやコラボ企画の豊富さが、ミャクミャクというキャラクターの懐の深さ、親しみやすさを際立たせたポイントにもなっていたようです。

最後に、LINEヤフーデータアナリストの阪上さんはこう締めくくります。

「検索データには、人々の関心やニーズ、そして時代の空気感が色濃く反映されています。今後もデータを通じて社会の動きを読み解き、皆さんに新たな発見をお届けできればと思っています」

人々の第一印象やイメージ遷移を測る"検索"という貴重なデータ

登場当初は「気持ち悪い」「不気味」といったネガティブな声も多かったミャクミャクが、いつの間にか「かわいい」「推せる」と愛されキャラへと成長していく。
そんな変化の流れを、検索データという視点から丁寧に紐解いた今回の調査は、とても興味深いものでした。

人々の印象がどう変わっていったのかを、数字を通して客観的に追えるというのは、データ分析ならではのおもしろさ。
キャラクター人気の裏にある“心の動き”が可視化されたことで、より深くミャクミャクという存在を理解できた気がしますね。

みなさんも、「第一印象よくなかったのに、気がついたら好きになってるな」というキャラが思いついたら、その遷移をご自身の中で辿ってみてはいかがでしょうか。
思いもよらない"意外な事実"が浮かび上がってくるかも……?

※参考・引用:LINEヤフー株式会社『みんな、いつから「ミャクミャク」を好きになった?検索データが示す愛着の芽生え』

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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