2021年最注目の2人【コン・ユ×チョン・ユミ】韓国が震えた名作「トガニ 幼き瞳の告発」マニアが解説

  • 2023年06月23日更新

こんにちは、映画とドラマのことならお任せ!ヨムーノライターのはるです。

これまでに3度の共演を果たし、パク・ボゴムの入隊前最後の映画作品「ワンダーランド」で4度目の共演を迎えるコン・ユとチョン・ユミ。

今回はそんな2人の最初の共演作であり、その内容から韓国社会に大きな変化をもたらすこととなった2011年公開の映画「トガニ 幼き瞳の告発」を紹介していきます。

実話をもとにした本作は、目を覆いたくなるような現実を突きつけてくる社会派の作品。

コン・ユの新たな一面を開花させたとも言える本作を、ぜひ観てくださいね。

映画「トガニ 幼き瞳の告発」のあらすじ

画像出典:PRTIMES

ある地方の聴覚障害者学校に美術教師として赴任することになったカン・イノ(コン・ユ)は、車が故障。修理場で出会ったソ・ユジン(チョン・ユミ)に、学校まで送ってもらうことになります。

しかし学校は普通とは違う異様さに包まれており、教員になるために多額の寄付金を要求されたり、生徒へのひどい体罰などもある様子。

そしてある女生徒が寮で洗濯機に顔を突っ込まれ指導される姿を見たイノは、あまりの異常さに人権センターで働くユジンに助けを求めることにします。

ところが実は、学校ではもっと異常なことが行われていて……。

映画「トガニ 幼き瞳の告発」の見どころ

実話をもとに書かれた小説が原作

校長と、双子の兄弟である行政室長が生徒に性的虐待を行うという目を覆いたくなるような実話をもとに書かれた小説が原作の本作。

タイトルにもなっている「トガニ」は「坩堝(るつぼ)」という意味で、本作では事件の起きた学校や地域の閉鎖性、その中で醸成された社会的弱者へ向かう狂気が描かれています。

映画化にあたっては、人気ベストセラー作家コン・ジヨンの同名小説を読んだコン・ユが著者にアプローチしたことで実現。

コン・ユは本作を映画化するにあたり「この世にどれだけ切ない出来事が起きているのかを振り返るきっかけになれば」と話していました。 そんな辛い実在の事件をテーマにした本作は、韓国で公開されるや460万人以上の観客を動員。その結果、モデルとなった事件の裁判の結果にも大きな影響をもたらすことになりました。

映画がもたらした社会変化

本作を映画化するにあたり、事件が闇に葬られるのを防がなくてはというプレッシャーから「一生分のストレスを受けた」と話すファン・ドンヒョク監督。

しかし彼が「事件がつい5、6年前に起きたもので未だになんの解決もされていことを知り、映画化して、もう一度この事件を世に知らしめること自体に意義がある」との信念のもと製作した本作は、460万人以上の観客を動員し予想を上回る反響を起こしました。

その一つが「トガニ法」の成立で、「13歳未満の女子および身体的または精神的な障害がある女性に対し、強姦または準強姦の罪を犯した場合の公訴時効の排除」、「身体的または精神的な障害のある女性に対し、強姦の罪を犯した者は無期または7年以上の懲役」が定められることになりました。

またモデルとなった加害者も再逮捕され懲役12年の実刑判決が下されることとなり、ドンヒョク監督を始めとしたスタッフや、コン・ユら出演者の希望だった「事件を闇に葬らせない」ことが叶う結果になりました。

役者陣の素晴らしさ

本作はテーマが難しいだけに、役者にもリアリティーのある演技が要求されていました。

主人公のカン・イノを演じたコン・ユは、本作でこれまでドラマ「乾パン先生とこんぺいとう」や「コーヒープリンス1号店」で演じてきた陽気でフレッシュなキャラクターを封印。妻に先立たれたシングルファーザーとして家族と正義の間で板挟みになりながら、事件追求に尽力した父親を見事に演じました。

また脇役の人たちの演技も素晴らしく、特に校長役を務めたチャン・グァンの表情の気持ち悪さは、本作の鍵となる閉鎖性や狂気を見事に表現していました。あの表情があったからこそ、この事件のおぞましさがより鮮明になったと言っても過言ではありません。

気になる作品を観て”Stay Home”を楽しみましょう

いかがでしたか?コン・ユとチョン・ユミの初めての共演作であり、社会に大きな変化をもたらした映画「トガニ 幼き瞳の告発」。コン・ユ自ら著者にアプローチすることで映画化が実現した本作を、ぜひ観てくださいね。

この記事を書いた人
映画・ドラマに情熱を注ぐエンタメ専門Webライター
はる

映画館スタッフやCATVの営業を経て、現在はWEBライターとして活動中。主に、大好きな映画やドラマの情報をマニアならではの視点でお届けしていきます♪

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