「防災グッズ全リスト」緊急避難時・在宅避難時・就寝時の備え【専門家監修】

  • 2024年11月12日更新

こんにちは、ヨムーノ編集部です。
「防災グッズ」とひと口で言うけれど、津波や土砂災害で今すぐ逃げなければいけないとき、寝ているときに災害が起きたとき、家の中で避難生活を送るときなど、状況によって備えるべきアイテムが少し違ってきます。

そこで今回は、備え・防災アドバイザーの高荷智也先生に、"これさえ押さえておけば大丈夫!基本の防災グッズ"をケース別にリスト化して教えてもらいました。

「防災グッズは松竹梅。自宅周辺の被害程度を確認して、100均で代用もOKです」

監修:高荷智也
ソナエルワークス代表。備え・防災アドバイザー/BCP策定アドバイザー。“自分と家族が死なないための”家庭用防災の情報発信と、企業向けBCP策定をテーマとしたコンサルティング活動を行う。実践的でわかりやすく、楽しいアドバイスで人気。メディアにも多数出演実績あり。運営サイト:備える.jp
高荷智也

教えてくれたのは、備え・防災アドバイザー/BCP策定アドバイザー 高荷智也先生。

防災グッズも対策も、すべて自分で試しながら、日々新しい防災情報を楽しくわかりやすく発信。
靴には踏み抜き防止インソール(クギやガラスを踏んでも踏み抜かず足のケガを防ぐ靴底)は入れっぱなし、外出するときは携帯ライト、笛、軍手を持ち歩いているそうです!

【みんなに聞いた「防災リュックの中身」はこちら】

緊急避難で命を守る「非常持ち出し袋」に入れる防災グッズリスト

津波、浸水、火災、土砂災害、噴火など、今すぐ逃げなければ命が危ないというときに、素早く手に取って逃げるための「非常持ち出し袋」に入れておきたいグッズリストです。1人1つ用意しましょう。

※詳しい考え方はこちらの記事を参照ください。
防災の専門家に聞く「非常持ち出し袋」の正しい準備方法

体の一部となるもの

□メガネ、補聴器、入れ歯など、それがないと生活できないもの
□常備薬、持病の薬など、それがないと生きていけないもの
□お薬手帳(コピーやスマホの画像でもOK)
□おむつ、ミルクなど乳幼児用品や介護用品

その他、例えばそのまま避難所に行ったとして、自分にとっては必要だけれど手に入りづらい個人的なグッズ(アレルギー食なども)は優先的にそろえましょう。

避難をサポートするもの

【身の安全をサポートするもの】
□雨具(傘ではなくカッパ推奨)
□LEDライト(ヘッドライト推奨)
□ヘルメットや帽子
□軍手
□マスク
□笛または防犯ブザー
□安全靴または踏み抜き防止インソール
□1回分の着替え(余裕があれば)
□衛生管理、防寒対策のグッズ(除菌シートや携帯トイレ、生理用品、携帯カイロなど)

大雨の場合など、服が濡れたままだと冷えや風邪の原因になるので、1着分の着替え(とくに下着)が1セットあるといいでしょう。

急に全部そろえるとなると出費もかかるので、さしあたりそろえるのであれば、ヘルメットの代わりに帽子、アウトドア用レインウエアでなくてもコンビニや100均のポンチョ、軍手や懐中電灯も100均でOK。
ホームセンターや、ワークマンなどの作業服専門店もおすすめです。

【感染防止対策】
□持ち運びできるサイズのアルコール消毒液
□アルコールウェットティッシュ

感染防止対策は、新型コロナ以外でも常に必要ですので、アルコール消毒液やアルコールウェットティッシュなどを準備しておきましょう。

【応急手当の道具】
□傷パッド
□三角巾
□包帯/テープ
□消毒液
□マルチツール(十徳ナイフなど)

災害後3日間は人命救助が優先され、捻挫や軽い骨折、火傷ぐらいではすぐに医療機関にかかれない可能性が高いので、これぐらいは用意しておいたほうがいいでしょう。

【情報収集の道具】
□スマホ
□モバイルバッテリー(乾電池式推奨)
□ラジオ(乾電池式推奨)
□乾電池
□ペンとメモ帳
□ハザードマップ

電池式の道具の電池のサイズは同じにしておくと使いまわしができて便利です(単3がおすすめ)。乾電池は100均のものでも3~5年は持ちます!

【飲食物】
□水
□そのまま食べられる食料

目安としては水なら500mlを2~3本、食料はカロリーメイトやチョコレートなどを2~3回分でOK。重くならないように注意しましょう。

【貴重品】
□現金、貴重品
□保険証、免許証のコピー
□思い出の品

貴重品はふだんから非常用持ち出し袋に入れておくと空き巣に狙われる危険があるので、逃げる直前に放り込むようにしましょう。

【100均で買える防災グッズはこちらをチェック】

夜中の災害&停電時に備えた「枕元ポーチ」に入れる防災グッズリスト

夜中に大地震などが起きて、停電になり、暗闇で何も見えない、下にどんな危険物が落ちているかわからない、というとき安全に玄関まで逃げるためのグッズを入れておきます。
グッズ一式を入れたポーチは、大地震でも飛ばされないよう、枕元にガッチリ固定しておきます。家族1人に1つ準備しましょう。

ガチで揃える場合

出典:ソナエルワークス

□LEDヘッドライト(周囲を照らすため)
□対刺突切創手袋(手指を守るため)
□安全靴または踏み抜き防止インソール+靴orスリッパ(足元を守るため)
□笛or防犯ブザー(助けを呼ぶ道具)
□適度なポーチや袋(道具を入れるもの、明るい色推奨)

靴を用意する場合は、履き口からガラスの破片など危険物が入るといけないので、靴底が上を向くよう逆さにしておいたり、袋や箱に入れておきましょう。

手軽に揃える場合

出典:ソナエルワークス

□100均のライト(周囲を照らすため)
□100均の軍手(手指を守るため)
□100均の折りたたみスリッパ+靴下(足元を守るため)
□100均の笛(助けを呼ぶ道具)
□100均のポーチ(道具を入れるもの、明るい色推奨)

折りたたみスリッパだけでは心もとないので、必ず靴下も組み合わせてください。

先生も枕元ポーチはほぼ100均。笛だけちょっといいものを使っていて、プラス予備のメガネを入れています。メガネ、補聴器のような“体の一部”的なものも入れておきましょう。

Q.ライトや懐中電灯はスマホで代用してもいいですか?
A.大地震の場合、枕元に置いているスマホは飛ばされて、どこにあるかわからない可能性が高いです。すぐ手の届くところにライトや懐中電灯が固定されている必要があります。

Q.非常用持ち出し袋を枕元に置いて、枕元ポーチにしてしまえばいいんじゃないですか?
A.ダメです。昼間災害が起きたとき、わざわざ寝室まで取りに行くのは時間のロス。家具の転倒や扉が歪んだりして寝室に入れなくなる可能性もあります。非常用持ち出し袋は必ず玄関、避難経路上に置きましょう!

在宅避難時に備えたい「防災備蓄」グッズリスト

災害時、避難所に行かずに自宅で避難生活を送ったり、大雪や感染症パンデミックで外出できないときに自宅で生き延びるために必要なグッズリストです。
大都市で大地震が起きた場合は、1週間流通が再開しない可能性があります。1週間分の備えがあると安心です。

それがなければ生活できない体の一部、手に入りづらい「個別用品」

【体の一部となるもの】
□メガネ、コンタクトなど(1週間~可能なら数カ月)
□持病の薬の予備(1週間~可能なら数カ月)
□常備薬(1週間~可能なら数カ月)
□お薬手帳の写真やコピー

【乳幼児・介護・ペット用品】
□おむつ(最低1~2カ月あると安心)
□液体ミルク(最低1~2カ月あると安心)
□ペット用品、フード(最低1~2カ月あると安心)

電気、ガス、水道、トイレなど「インフラ代替品」

例えば首都直下型地震が起きた場合、停電は1週間継続し、全面復旧には1カ月かかると想定されています。電気が止まれば水道もガスも止まります。最低1週間分は備えておきましょう。

□非常用トイレ(1人5回/1日×7日=35回分の量)
□カセットコンロ&ボンベ(ガスボンベは1本で約1時間燃焼。 1~2本/1日×7日=7~10本)
□ライト(LEDランタン、自働点灯照明など)
□水(生活用水は1人1日約1リットル目安。ウエットティッシュを代用してもOK。1人1リットル×7日=7リットル)

▼非常用トイレについて詳しくはこちら
意外と忘れがち!水と食料だけじゃない「無いと大ピンチ!」防災用トイレ活用術【動画で解説】

食料・日用品など「生活物資」

□衛生用品(1週間~可能なら数カ月)
除菌グッズ、救急セット、生理用品、歯磨き粉(水のいらないペーパー歯ブラシがおすすめ)など必要なもの
□生活用品(1週間~可能なら数カ月)
ティッシュ、トイレットペーパー、食品用ラップ、ビニール袋、石けんなど必要なもの
□飲料水(1人1日約2リットル。2リットル入りペットボトルが6本入った箱が1~2箱あれば1週間分まかなえます)
□食料(1人1日3食×1週間~可能なら数カ月)
□水を運搬するもの(給水タンク、ビニール袋&段ボールなど。給水車から水を運ぶときに使います)
□消化器
□小銭(停電で電子マネーが使えなくなる可能性があります。生活費として千円札を中心に数万円用意しておきましょう)

消火器は1本だけ用意するなら(メインの消火器として備える場合)粉末タイプか強化液タイプがおすすめ。
日本消防検定会が検査・認証した検定マーク(写真)が付いているものを選んで、いざというときにすぐ手に取れる場所に置きましょう。

追加でキッチン用に置きたい場合は、エアゾール式簡易消火器でOK。NSマークが付いているものを選びましょう。

先生も持ち歩いている「携帯用防災グッズ」

□軍手
□踏み抜き防止インソール

外出時に災害にあったとき、最低限手足を守れるグッズです。先生は踏み抜き防止インソールは靴に入れっぱなし。軍手はタオルとセットなった下記アイテムを持ち歩いています。

非常用圧縮セット 軍手とタオル(Amazon)

タオルも首に巻いたりなど役に立つそうです。
女性の場合は布手袋とストールを持ち歩いてもいいかもしれません。

命を守る道具から優先的にそろえていく

防災とは、命を守ること。今回ご紹介した防災グッズリストはすべて基本の必須アイテムですが、もしもこれからゼロからそろえるという場合は、命を守るための、死なないためのアイテムから優先的にそろえていきましょう。

メガネや補聴器、入れ歯、杖など「体の一部」、持病の薬、在宅医療器具のバッテリー、透析を受ける病院リストなどの生命維持に必要なものを押さえたうえで、非常用持ち出し袋のグッズ、枕元ポーチのグッズ、最後に在宅避難用の防災備蓄になります。

次回は防災の総まとめ! 
これまでにお送りした地震対策や防災備蓄なども含め、防災の考え方と流れを総合的にご紹介いたします。これで防災の基本はバッチリです!

これまでのおさらい

防災の専門家に聞いた!今、絶対やっておきたい「地震対策の基本」
今日から始める「防災備蓄」と「在宅避難」最新情報
防災の専門家に聞く「非常持ち出し袋」の正しい準備方法

【あわせて読みたい】防災の日 おすすめ記事

9月1日は防災の日。「我が家の防災は大丈夫」と思っていても、備蓄不足や避難ルールの決め忘れなどがあるものです。

防災意識の高い家庭でも見逃しがちなポイントをご紹介しますので、ぜひこの機会に「我が家の備え」を見直してみましょう。

この記事を書いた人
ライター
田谷峰子

主婦向け生活情報媒体をメインに、ときどき旅記事なども執筆。
日々の生活を楽しく豊かにハッピーに送るためのヒントをお届けしていきます。

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