髙橋ゆき、愛のお掃除術【夏の大掃除・シンク編】

  • 2023年03月24日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

年末に行い1年間の汚れを落とすイメージが強い「大掃除」。夏の間に、毎日するには少し面倒な箇所を掃除してみませんか?晴れの日が続く夏は、梅雨にためてしまったお掃除負債を返済し、秋・冬に向けて準備するのにぴったりの季節です。

今回は、家事研究家・日本の暮らし方研究家の髙橋ゆきさんに、夏の大掃除について聞きました。

髙橋ゆきさん
株式会社ベアーズ 取締役副社長 家事研究家 日本の暮らし方研究家
主にブランディング、マーケティング、新サービス開発、人財育成を担当するほか、 家事代行サービス業界の成長と発展を目指し、 2013年、一般社団法人全国家事代行サービス協会設立以来、副会長を務める。2003年、家事研究家としての活動開始。2015年、世界初の家事大学設立。 2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を担当するなど、家事研究家、日本の暮らし方研究家としてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。
髙橋ゆきさん

夏の大掃除は、「手当て」と「予防」

――まずは、「夏の大掃除」のポイントについて教えてください。

夏に大掃除することによって、年末の大掃除を軽減できます。今年の年末は大掃除が必要ないかもしれません。
最近の夏は暑い日が続き、屋外に出るのも躊躇してしまいますよね。クーラーの効いた部屋の中で、部屋の模様替えも楽しみつつできることを夏の間にやってしまいましょう!

夏の間にできることは、大きく分けて2つあります。

  1. 梅雨を超えたカビの手当て

  2. 整理整頓

夏まであっという間にきてしまったのではないでしょうか?とり急ぎ冬物を押入れやクローゼットにしまい、意外と分厚いものの手入れの方法を知らずにお団子状態で押し込んでしまったりしていませんか?

この押し込めるという行為がまた、カビを発生させたり臭いの元になったり汗染みになったりします。

夏は梅雨を終えた「手当て」と、秋冬に向けた「予防」を夏の間にしましょう!
細かい部分を掃除することで暮らしやすくすることが大事なのです。

キッチンは住まいの「お顔」、蛇口は「眉」です

――まずは「手当て」について。カビが繁殖しやすい水回り……特にキッチンについて教えてください。

キッチンは、住まいの「お顔」

キッチンは住まいの「お顔」なのよ!

――「お顔」ですか!?それは……なぜですか?

キッチンは家族が最も多く通る場所のひとつです。また、汚れやすくその汚れが特に目立つ場所でもあります。だからこそ、キッチンがきれいであれば、住まい全体の印象も良くなるでしょう。

キッチンの大掃除で大事なことは4つ。4つの手当てで美しい「お顔」を手に入れましょう!

1.「手当て」の環境を作る

まず大切なことは、ものを外に出さない。中にしまい、掃除のしやすいスペースを確保しましょう。
料理や洗い物に「必要なもの」と、自分のテンションが上がる「好きなもの」を残し、あとは“処分”しましょう。これで、「手当て」の環境を作ることができます。

キッチンは特にものが多く、掃除をするのがめんどうくさかったり、水回り以外の場所に手が回らなかったりしてしまします。それは、ものが邪魔するせいです。

この”処分”の方法は4つあります。「(1)人にあげる・譲る」「(2)売る」「(3)預ける」「(4)捨てる」、この4つを上手に使い分け無駄なく処分していきましょう。

これでだいぶ片付くはずです。ただし、この後ものを買い込まないように☆

2.「眉」である蛇口がキマれば、全体がキマる

「眉」である蛇口

――はい、買い込まないよう気をつけます!では、どこから始めましょうか?

まずは蛇口を。
キッチンは蛇口が綺麗だとテンションが上がります。蛇口が汚いと、なんだかどうでも良くなってしまう。私たち女性のお顔で言う「眉」にあたります。眉の形が決まった日は1日ホッとして、テンション高くいられますよね。

――「眉」ですか!確かに、朝、眉を書くときが一番緊張します……。

蛇口はステンレス製の場合が多いと思いますので、まずはステンレスの扱いについてお話しますね。ステンレスは、力を入れずやさしく同じ方向に洗いましょう。

ステンレスには、ヘアラインという「目」があります。新しいシンクや蛇口にはヘアラインが見えるんです。そこを円心で洗ってしまうと、いつの間にかきれいなヘアラインが崩れてしまいます。さらに、力を入れて洗うと傷ができて汚れがたまりやすくなる原因にもなります。ヘアラインに沿ってやさしく磨くことが重要です。

――なるほど。

それでは、蛇口のお手入れについて。まずは、スポンジのソフトな面を使って蛇口全体を磨きます。
汚れが取れたら、すぐに水を手にとって流します。手で流すことで、水の飛び散りを防ぐことができます。全体を水で流したら、水分を拭き取るようにぞうきんで乾拭きをします。さらに仕上げ磨きをすることで、汚れも見落とさず、ステンレスの輝きを取り戻すことができます。

根本部分など、細かい汚れが取れない場合は、古い歯ブラシでこすります。こすったら、再度流水→水拭き→乾拭きを繰り返しましょう。

蛇口を歯ブラシで磨く

「綺麗」というのは「輝き」を含めた「綺麗」。ただ掃除するだけでなく、仕上げ磨きまで行いましょう。仕上げで登場するのが、魔法道具のひとつ、「三つ編みストッキング」!細かい場所を磨くのに最適です。

三つ編みストッキング

――おぉ~!複雑になっていますが……。

作り方は簡単。
ストッキングを1足用意します。伝線してはけなくなってしまったものを再利用するといいですよ。これを半分に折ります。

ストッキングを半分に折る

結び目を作り、右足、左足、おしりの部分の3つに分け、編みます。

結び目を作る編みます

最後を結べばできあがり!ゆったり、ゆるく編むのがコツですよ。
三つ編みストッキングを蛇口にひっかけてこすります。この時、蛇口は必ず乾いている状態であることが重要!濡れていると、効果は十分に発揮されません。

ストッキングで仕上げ磨き

女性のお顔で「眉」が重要なように、キッチンも蛇口を綺麗にしておけば、まずパッと見の空間が綺麗に見えるものです。蛇口はキッチンの命です。

3.バーテンダー気分で、排水口の「ニオイ」を一気に解決!?

――蛇口が綺麗になったところで、次は?

食べ残しや洗い物の汚れのすべてが通るストレーナー(排水カゴ)ですね。「ぬめり」が最も気になる箇所のひとつです。定期的に掃除をしないと、悪臭の原因にもなります。

ストレーナー掃除に必要な道具
・泡タイプのキッチン用洗剤
・ゴム手袋
・ビニール袋

以上の3点。
まずは、引っかかっている固形の汚れを取り除きます。料理をしたあとは、すぐに取り除くのが理想的。

固形物を取ったら、泡タイプのキッチン用洗剤をストレーナーに360度全方向から吹きかけます。ケチったらダメですよ!

バーテンダー

ストレーナーをビニール袋に入れ、底から1cmほど水を入れ、口をしっかり縛ります。こうすることで、洗剤がストレーナーに密着状態に。水の入れすぎには注意です!

袋に入れ水を入れる

さて、人間はこれを振り回したくなります。シャカシャカかっこよく、まるでバーテンダーのように、上下にシャカシャカ15回ほど振ります。これでこの袋の中はミニ洗濯機状態です。細かい網目の汚れも一気にスッキリ!

――バーテンダーですか!?子ども一緒に楽しく掃除できそうです。

バーテンダー

頑固な汚れを落とすため、10~15分放置しましょう(放置時間は、市販の洗剤に記載されている時間に従ってください)。

ビニール袋を破いて取り出し、水で洗い流します。

ビニール袋を破いて取り出す水で洗い流す

なんと、スポンジも歯ブラシも使わずに、ヌメヌメだったストレーナーがキュッキュッと音がするくらいツルツルになります。ぜひ鼻を近づけてニオイをかいでみてください。鼻に近づけても良いんですよ。

4.2週間で、スポンジの勝負を決めろ!

2週間で、スポンジの勝負を決めろ!

最後に第4の刺客、スポンジや台ふきんです。実際、ここが汚い家が多く、蛇口やストレーナー以上に最近気になっています。じつはこれも悪臭の原因になっていたりします。

例えば、スポンジはどれくらいの周期で変えていますか?

――1か月くらい……でしょうか。

「1か月くらいかな~」なんて答える人に限って、もっと長い間取り取りかえていなかったりします(笑)。
家族構成や自炊の頻度、油ものが多いか、ヘルシー思考なのかなど、状況によってスポンジなどの周期は変わりますが、目安として2週間たったら、一度そのスポンジの形状チェックをして勝負をつけてみてください。

――勝負ですか!?なるほど、「負け」はどのような状態ですか?

「泡が立ちづらくなった」「ちぎれている」「持ち具合が変わってきたな」など、何か変化があったら、それはスポンジ交換のサインです。2週間たってチェックした日から、1カ月の間に勝負をつけましょう。 勝負がつき、捨てる場合は「お掃除グッズ」にしても良いです。花道を作ってあげるみたいなイメージで、ね。

スポンジの保管方法で最も良くないのは、泡を残したまま置いていること。除菌洗剤を使っているからと、スポンジほどきれいなものはないと信じていませんか?
この中の方には食べ残しや油のカスが入っていたりするので、よくすすいで絞って通期の良いところに置いておきましょう。

さらに台ふきん。包丁で指を切ってしまった時など、台ふきんで傷口をふいたりしていませんか?そんな危険なことはありません。
台ふきんは、酢水に1晩つけておきましょう。

――酢水とは?

ボウルに、酢1に対して水9の割合で混ぜ、酢水をつくります。汚れがひどい時には5:5でも良いです。酢にはぬめりやニオイを取る効果があるんです。取り出したら水ですすぎ、固く絞って乾かしましょう。

水分のあるところにカビは必ずいます。今この部屋にも。
カビや汚れは「お顔のシミ」と一緒で、見えたらおしまいです。見えないうちに手当てをすることが大事。それによって長持ちしたり、掃除の手間暇やコスト削減、節約にもなります。

人生何でも、見えてからでは遅いんです。愛も見たくなったら、おしまいです。

――お、恐ろしいです……(笑)ありがとうございました!

家事代行ならベアーズ
Bears

画像協力:ハンズデザイン一級建築士事務所
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この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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