作業着だけのファッションショー!?建築職人さん向けのブランドが誕生!!

  • 2023年06月27日更新

作業着と聞くと、誰もが地味なイメージを持つのではないだろうか。私はあのねずみ色のダボダボズボンやつなぎを思い浮かべてしまう。しかしそんなイメージを覆す、作業着専用ブランドが登場したらしい。2016年7月12日、そのブランドのファッションショーが開催されると聞いて見に行ってきた。

ひと味違うファッションショー!?

私が向かったのは「リフォーム産業フェア」という、リフォームやリノベーションを扱う企業がさまざまな自社商品などを出展しているイベント。今回このイベント内で行われたのが、『建築職人ファッションショー』である。私は、作業着といえば先ほども言ったように下のイメージ画像のようなものしか想像できない。

個人的なイメージ画像

▲個人的なイメージ画像

作業着でファッションショーを行うとはどういうことなのだろうか。それではさっそく、現場の模様を見て行こう。

まず、ファションショーのステージがこちらである。周りにはなぜか木の小屋やフレームなどがある。いったいどのようなショーになるのか、この時はまだ検討もつかなかった。

ファッションショーのステージ。一体何が始まるのだろうか?

▲ファッションショーのステージ。一体何が始まるのだろうか?

ブランド名は「GREEN SPRUCE(http://garedu-isi.wix.com/greenspruce)」というようだ。ちなみにSPRUCEとは「世界最古の木・ヨーロッパトウヒ」と、「身なりを整える」という意味らしい。

手掛けたのは株式会社Gare du nord(ガルデノール)

▲手掛けたのは株式会社Gare du nord(ガルデノール)

いよいよファッションショーがスタート……、と思いきやモデルさんと思われる人がステージから出てくるやいなや、謎の作業を始めたのだ。どうやら寸法をとっているようだ。

現場監督っぽい人

▲現場監督っぽい人。

次に出てきた女性も、突然小屋にペンキを塗り始めた。

女性がローラーでペンキ塗りをしている

▲女性がローラーでペンキ塗りをしている。楽しそう。

実はこのファッションショー、現役の建築職人さんたちが「GREEN SPRUCE」の服を着た状態で作業に取り掛かる様子を見せているのである。なるほど、実際に作業風景を見せることで、デザイン性だけでなく機能性もアピールということか。

そして続々と「GREEN SPRUCE」の服を身にまとった建築職人さんたちが登場してきた。

男性の建築職人さん

▲男性の建築職人さん。パーカーが快適そう。

女性陣

▲女性陣。建築現場が和みそうだ。

次々と建築職人さんが登場

▲次々と建築職人さんが登場。

奥の男性のファッション、このまま出歩いていても作業着には見えないだろう

▲奥の男性のファッション、このまま出歩いていても作業着には見えないだろう。

カジュアル&ラフな感じで作業着の暑苦しさを感じさせない、ストリートファッション的な雰囲気だ。特に女性用の作業着はなかなか可愛らしい。建築現場の作業着には到底見えないだろう。

男性陣もファッション誌に載っていそうな、イマドキのカジュアルスタイルである。どれも動きやすさはそのままに、従来の作業着のイメージとは異なる、いろんな着回しを楽しめそうだ。

女性用作業着

▲女性用作業着。ワンポイントの帽子が可愛い。ジーンズ素材なのもgood。

奥の男性の帽子はミリタリー感があってカッコイイ

▲奥の男性の帽子はミリタリー感があってカッコイイ。

全員集合した図

▲全員集合した図。服の種類も豊富そうだ。

建築業界を盛り上げたい。そんな思いから生まれた作業着ブランド誕生秘話

ファッションショーが終わった後、この作業着をデザインした沼㞍(ぬまじり)さんという方にお話を聞いた。「GREEN SPRUCE」の発端について伺ったところ、古くからある作業着として親しまれてきたジーンズなどは今やタウンウェアになり、専門服としての機能が発揮されておらず、オシャレ着としてしか認知されていない。そんな現状を打破するため、本来は機能性と審美性を兼ね備えた素晴らしいデザインである作業着を、誇りを持った職人さんに着てもらい輝いてほしい。現在のヒトの体型や動きに合ったパターンを追求し、作業服の魅力を呼び覚ましたい。という思いから生まれたようだ。

今回のファッションショーは、今までダサいイメージがあった作業着をイマドキ風の「見せる服」としてアピールすることで、若い人たちが建築業界に興味を持つきっかけになれば、という目的ではじめたと語っていた。近年建築職人が不足しており、今後が期待される若い世代や跡取りがいない状況を解消できればとのこと。

デザインのこだわりポイントを聞いたところ、つくった服を実際に働いている建築職人さんに試着してもらい、現場の意見を取り入れることで、機能性も損なわれることがないようデザインしたことだとおっしゃっていた。

また今まで女性用の作業着というのはほとんどなく、男性用の作業着を無理して着ていた人もいたそうだ。そのため機能性は失われ、作業に支障が出ることも。そこで今回、女性の体に合わせた作業着もデザインしたそうだ。

ただデザインをイマドキ風にしただけではなく、今まで長い間愛されてきた作業着の良いところも取り入れアレンジしたそう。今後の目標は、このブランドをきっかけに日本の建築職人をもっと増やすことだそうだ。

この記事を書いた人
オウチーノ編集部 住みっ娘

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