お月見どろぼうとは?由来と2026年の日程・現存する地域を紹介
- 2026年09月15日公開
こんにちは、ヨムーノ編集部です。
「子どもが学校から帰るなり、今年もお月見どろぼうに行きたいと言い出した」「引っ越してきた家に、夜、近所の子どもが『お月見くださーい』と訪ねてきて驚いた」という経験はありませんか。お月見どろぼうは全国一律の行事ではないため、初めて耳にするとどう対応すべきか迷ってしまいますよね。
2026年の中秋の名月は9月25日の金曜日。この日の夜、子どもたちが地域のお家を回り、お供えのお団子やお菓子をもらって歩く風習が「お月見どろぼう」です。
本記事では、一見風変わりな名前の由来をはじめ、現在も行われている主な地域、さらに迎える側と参加する側それぞれが押さえておきたい準備やマナーまで分かりやすくご紹介します。
当日を迎える前にルールや由来を知っておくことで、子どもも大人も安心して伝統行事を楽しめますよ。
お月見どろぼうとは?意味と読み方
お月見どろぼうは「おつきみどろぼう」と読みます。十五夜の夜だけ、子どもが家々に供えられた月見団子やお菓子を持っていってよいとされる風習で、東海地方をはじめ一部の地域に今も残っています。
「盗んでいい」とされる理由と縁起の背景
この行事では、子どもは「お月様の使い」と考えられてきました。子どもが供え物を持っていくのは、お月様が受け取ってくれたのと同じこと。だからこの夜だけは咎められない、というわけです。供え物がたくさん取られた家ほど縁起がよい、翌年の実りがよくなる、と言い伝えられてきた地域もあります。取られて困るのではなく、取られたほうが嬉しい行事なのです。
子どもに説明するときは、難しい由来から入らないほうが伝わります。「今日だけは、お月さまの代わりに子どもがお団子をもらいに行っていい日なんだよ。どろぼうっていう名前だけど、おうちの人が『どうぞ』って用意してくれたものだけね」。この一言で、名前のインパクトと実際のふるまいのギャップは埋められます。
日本版ハロウィンと呼ばれる由来
「日本版ハロウィン」と紹介されるのは、子どもが家々を回ってお菓子をもらう形がトリック・オア・トリートと似ているからです。近年は子ども会や自治会が企画し、参加する家が玄関に目印を出す地域もあります。
ただし成り立ちは別ものです。お月見どろぼうは月への信仰と実りへの感謝から生まれた日本の風習で、仮装もしません。子どもへの説明の入り口に「ハロウィンみたいなもの」と言うのは便利ですが、由来は別と添えておきましょう。
2026年のお月見どろぼうはいつ?中秋の名月との関係
2026年のお月見どろぼうは、中秋の名月にあたる9月25日(金)の夜が基本です。中秋の名月は旧暦の8月15日を指すため、カレンダー上の日付は毎年前後します。「去年と同じ日」ではない点に注意してください。
中秋の名月(9月25日)と満月(9月27日)の違い
国立天文台によると、2026年の中秋の名月は9月25日ですが、月が完全に満ちる満月は9月27日の午前1時49分です。中秋の名月が旧暦8月15日という暦の日付で決まるのに対し、満月は太陽・地球・月の位置関係で決まるため、両者は毎年きれいには重なりません。
とはいえ25日の月も肉眼ではほぼ真ん丸に見えます。お月見どろぼうは中秋の名月の夜の行事なので、2026年は9月25日で問題ありません。
シルバーウィーク・敬老の日との重なり方
2026年の9月は、21日(月)が敬老の日、23日(水)が秋分の日です。19日(土)から21日(月)が3連休で、22日(火)を休めば5連休になります。お月見どろぼうの9月25日は、その直後の金曜日です。
この並びは準備する側に有利で、お菓子の買い出しや飾りの用意を連休中に済ませておけば当日慌てずに済みます。翌日が土曜なので、子どもも夜に出歩きやすい曜日です。ただし地域によっては直前の土日に日程をずらすこともあるので、子ども会や自治会の回覧、学校のお便りを9月中旬までに確認しておきましょう。
お月見どろぼうが今も残る地域と掛け声の違い
お月見どろぼうは全国共通の行事ではありません。かつては各地にあったとされますが、現在も続いているのは一部の地域です。同じ県内でも、隣の学区にはあって自分の地区にはない、ということも珍しくありません。
東海地方(愛知県日進市など)の例
もっともよく知られているのが愛知県日進市です。地域ぐるみで続いており、市の広報などでも取り上げられています。当日は玄関先にお菓子を用意して待つ家が多く、子どもたちがグループで回ります。このほか愛知県内の他市町、岐阜県や三重県の一部にも同様の風習が伝わり、東海地方は今もっとも行事が残っているエリアです。
茨城・山梨・福島・奈良・沖縄などの例
東海以外にも、茨城県、山梨県、福島県、千葉県、奈良県、沖縄県などの一部地域に、十五夜の供え物を子どもが取ってよいとする風習が伝わっています。呼び名や作法は土地ごとに少しずつ違います。
自分の地域にあるかは、ネットで調べても判断がつきにくいものです。確実なのは子ども会や自治会に聞くこと、学校や園のお知らせを確認すること、古くから住むご近所さんにたずねることです。聞ける相手がいなければ、9月に入って近所の玄関先にすすきやかごが出ていないか見ておくとだいたいわかります。
地域によって異なる掛け声のバリエーション
訪ねるときの掛け声にも地域差があります。よく使われるのは次のような言い方です。
- お月見どろぼうです
- お月見くださーい
- お月見ください、お団子ください
呼び名自体も「お月見どろぼう」「月見どろぼう」と揺れがあります。正解を探すより、その地域の子どもが使っている言い方に合わせるのがいちばん。初めてなら経験のある家族について回らせてもらうと、掛け声も回り方も自然に覚えられます。
【迎える側】お菓子の準備とマナー
迎える側が迷うのは「何を、いくつ、どうやって渡すか」の3点です。結論から言えば、個包装の市販菓子を20〜30個、かごに入れて玄関先に置くだけで十分。手の込んだ準備はいりません。
個包装・アレルギー表示に配慮したお菓子選び
お菓子は必ず個包装のものを選びます。袋のまま渡せば衛生的で、原材料表示が残るのでアレルギーのある子の保護者が中身を確認できます。これがいちばん大きな配慮です。逆に、裸のまま配る、手作りを渡すのは避けます。受け取った側が食べさせてよいか判断できず、かえって困らせてしまいます。
小さな子が混じることも想定し、一口サイズの丸いあめやミニゼリーなど、喉に詰まらせる心配があるものは外します。小袋のスナック菓子、ラムネ、クッキーあたりが無難でしょう。数は20〜30個が目安。100円ショップの個包装菓子は1袋20個前後のものが多く、2〜3袋、300円ほどで足ります。人数が読めず不安なら、子ども会の規模を聞いておくと見当がつきます。
玄関先への置き方・渡し方の工夫
渡し方は、かごやざるにまとめて玄関前に出しておく形が主流です。「お月見どろぼうさんへ ひとり1個どうぞ」と書いた紙を添えておけば、留守でも手が離せない時間でも参加できます。ずっと玄関で待つ必要はありません。雰囲気を出したいなら、かごの横にすすきを一本立てるだけで十分。雨の予報なら透明な袋にひとまとめにして軒下に置きます。
参加しない選択も普通にあります。地域によっては、参加する家だけが飾りや明かりを目印に出す運用です。用意がない日に子どもが来たら「ごめんね、今年は用意していないんだ」と一言伝えれば大丈夫。配り終えたら、かごを片付けて終了の合図にします。
【参加する側】訪問のマナーと注意点
参加する側で気をつけたいのは、時間帯・訪ねる範囲・安全の3つです。夜に子どもが住宅街を歩く行事なので、楽しさと同じくらい、近所への配慮と安全対策が大切になります。
訪問してよい時間帯と訪ねる範囲の目安
訪問は暗くなってからの18時ごろから、遅くとも20時までに終えるのが目安です。夕食どきに長居しない、20時を過ぎたら回らないと決めておけば近所迷惑になりません。地域で時刻が決まっていれば、それに従います。
訪ねる範囲は、飾りや「どうぞ」の表示がある家、または子ども会が決めたコースの中だけ。目印のない家のインターホンは押さないことです。もらうのはひとり1個で、後から来る子の分を残せば、翌年も気持ちよく迎えてもらえます。
保護者同伴や声かけで気をつけたいこと
小学校低学年までは保護者が付き添うのが安心です。子どもだけで回る場合も、コースと帰宅時間を決めておきます。夜道なので懐中電灯を持たせ、反射材を身につけさせると車から見つけてもらいやすくなります。走って飛び出さないという声かけも忘れずに。
訪問先では、家の中に上がらない、敷地の奥まで入らないのが原則です。もらったら「ありがとうございます」を言って次の家へ。玄関先で長話をしないほうが、迎える側も気楽でいられます。
アレルギーのある子は、その場で断ると角が立ちやすいので、いったん受け取り、帰宅後に保護者が原材料表示を確認してから食べさせる流れにしておくと安心です。
よくある質問
この記事に関してよく寄せられる質問をまとめました。
お月見どろぼうは全国で行われている行事ですか?
いいえ、全国共通ではありません。現在も続いているのは愛知県日進市をはじめとする東海地方や、茨城県、山梨県、福島県、千葉県、奈良県、沖縄県などの一部地域です。同じ県内でも地区によって有無が分かれるため、子ども会や自治会、学校のお知らせで確認するのが確実です。
お菓子はいくらぐらい用意すればいいですか?
個包装のお菓子20〜30個で、300円前後が目安です。100円ショップの個包装菓子は1袋20個前後入っているものが多く、2〜3袋あれば足ります。何人来るかわからず不安なら、子ども会の人数を聞いてから買うと無駄がありません。
十三夜にもお月見どろぼうをするのですか?
地域によっては、十五夜だけでなく十三夜にも同じように子どもが回ります。十三夜は旧暦9月13日にあたる月見の日で、2026年は10月下旬です。ただし十五夜より実施地域は限られるので、地元の慣習に合わせてください。
まとめ|お月見どろぼうの由来と2026年の日程
お月見どろぼうは、十五夜の夜に子どもがお月様の使いとして家々の供え物をもらって歩く風習です。2026年は9月25日(金)が中秋の名月にあたります。迎える側は個包装のお菓子をかごに入れて玄関先に置くだけ、参加する側は時間帯と範囲を守るだけで、無理なく楽しめます。
- 2026年の中秋の名月は9月25日(金)。満月は27日で、名月とは2日ずれる
- 「盗まれた家ほど縁起がよい」という言い伝えが行事の背景にある
- 全国共通ではなく、東海地方を中心に一部地域で続いている
- 迎える側は個包装菓子20〜30個、300円前後で準備できる
- 参加する側は18時から20時までに、目印のある家だけを回り、ひとり1個
まずは9月中旬までに子ども会や自治会のお知らせを確認し、自分の地域で行われるか把握しておきましょう。実施するとわかったら、連休中に100円ショップでお菓子とかごをそろえれば準備は完了です。玄関先にかごをひとつ出すだけで、子どもたちには忘れられない秋の夜になります。今年の十五夜は、月を見上げながら家族で由来を話してみてください。
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