エアコンの電気代を節約する7つの方法|今日からできる冷房・暖房の使い方
- 2026年07月09日公開
こんにちは、ヨムーノ編集部です。
電気料金が上がり続けるなか、エアコンをつけるたびに「今月の請求はいくらになるんだろう」と不安になりますよね。かといって使用を我慢すれば、熱中症や体調不良のリスクも心配で、板挟みになっている方も多いはずです。しかも「つけっぱなしが得」「こまめに消すのが得」と真逆の情報が飛び交い、結局どうすればいいのか分からないという声もよく聞きます。
この記事では、お金をかけずに今日からできるエアコンの節約運用術を、根拠となる数値とともに詳しくご紹介します。我慢して暑さに耐えるのではなく、快適さを保ったまま無理なく電気代を下げるのがゴールです。
まずは自宅の電気代を試算できる計算式から、よくある疑問の解消、そして今すぐ実践できる7つの節約方法まで一気にわかります。
気になる7つの方法の全体像は、以下のとおりです。
- 設定温度の見直し
- 風量は自動運転
- 短時間の外出はつけっぱなし
- サーキュレーターの併用
- フィルター掃除
- 室外機の環境改善
- カーテン・湿度の工夫
この順番でていねいに解説していきますので、読み進めながら今日から手をつけられるところをぜひ見つけてみてくださいね。
エアコンの電気代は何で決まる?計算方法と目安額
節約の前に、まずは自宅のエアコンが1時間・1ヶ月でいくらかかっているのかを把握しておくと、対策の効果が実感しやすくなります。ここでは誰でもできる簡単な計算式と、冷房・暖房・除湿での違いを見ていきます。
電気代の計算式(消費電力kW×時間×31円/kWh)
エアコンの電気代は、次の式で計算できます。 電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(時間)×電気料金単価(円/kWh) 電気料金単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている31円/kWhで計算するとわかりやすいです。消費電力は、お使いのエアコンの本体や取扱説明書、メーカーサイトの仕様表に「消費電力(W)」として書かれています。たとえば「冷房 消費電力600W」とあれば、0.6kWと読み替えます。 1000Wが1kWなので、Wの数字を1000で割ればkWになります。難しく感じるかもしれませんが、電卓に数字を入れるだけなので1分ほどで終わります。
1時間・1日・1ヶ月の電気代の目安
実際に、消費電力600W(0.6kW)のエアコンを例に計算してみましょう。 あくまで消費電力が一定という前提の概算です。実際のエアコンは、室温を設定温度に近づける立ち上がり時にもっとも電力を使い、その後は少ない電力で運転します。そのため、実際の請求はこの数字より安くなることが多いです。逆に、設定温度と室温の差が大きいほど電力を多く使うので、真夏や真冬はこの目安に近づく、と考えておくと現実的です。
冷房・暖房・除湿で電気代はどう違う?
同じエアコンでも、運転モードによって電気代は変わります。一般的には、外気温との差が大きくなりやすい暖房がもっとも電気代が高くなりがちです。冬は外が5℃前後まで下がることもあり、室温との差が20℃近くになるため、その分エアコンががんばって電力を使います。 冷房は、夏の外気温との差が10℃前後にとどまることが多く、暖房ほどは電気を使いません。除湿は方式によって差が大きく、後半の「冷房と除湿はどっちが安い?」で詳しく解説します。まずは「暖房のほうがお金がかかりやすい」と覚えておくと、冬の節約意識につながります。
エアコンの電気代を節約する7つの方法
ここからは、道具をそろえなくても今日から始められる運用術を7つ紹介します。どれか1つでも効果はありますが、組み合わせるほど節約幅は大きくなります。無理なく続けられそうなものから試してみてください。
1. 設定温度は夏28℃・冬20℃が目安(1℃で冷房13%・暖房10%削減)
もっとも効果が大きいのが設定温度の見直しです。環境省は、冷房時の室温を28℃、暖房時の室温を20℃にすることを目安として推奨しています。資源エネルギー庁の試算では、冷房の設定温度を1℃上げると約13%、暖房を1℃下げると約10%の消費電力を削減できるとされています。 たとえば冷房を26℃から28℃に上げるだけで、単純計算で2割以上の節約になります。とはいえ「28℃なんて暑くて無理」と感じる方も多いはずです。そこで大切なのが、このあと紹介する扇風機の併用や湿度の調整です。体感温度を下げる工夫と組み合わせれば、設定温度を上げても十分に快適に過ごせます。まずは今より1℃だけ緩める、から始めてみてください。
2. 風量は「自動運転」が最も効率的
電気代を気にして風量を「弱」に固定していませんか。実はこれ、逆効果になることがあります。弱風のままだと部屋がなかなか設定温度に届かず、エアコンが長時間だらだらと運転を続けてしまうためです。 もっとも効率がよいのは「自動運転」です。自動運転は、立ち上がりは強い風で一気に設定温度まで近づけ、そのあとは弱い風に切り替えて効率よく温度を保ちます。エアコンが賢く判断してくれるので、こちらは設定するだけ。「弱にしたほうが節約になりそう」という思い込みは、いったん手放して大丈夫です。
3. 30分程度の外出ならつけっぱなしが得
「こまめに消すべき?つけっぱなしにすべき?」という永遠の疑問。結論は、外出時間の長さで判断するのが正解です。 エアコンは、電源を入れて室温を設定温度まで近づける立ち上がり時にもっとも電力を使います。そのため、30分程度のちょっとした買い物やゴミ出しなら、消さずにつけっぱなしにしたほうが電気代を抑えられることが多いです。一方で、2時間以上のお出かけなど長時間家を空けるなら、こまめに消したほうがお得になります。日中の気温が高い時間帯ほどつけっぱなしが有利になりやすいので、「ちょっとそこまで」ならそのまま、「しっかり出かける」なら消す、と覚えておきましょう。
4. サーキュレーター・扇風機の併用で温度ムラを解消
冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまる性質があります。そのため、冷房中は床付近だけ冷えて上は暑い、暖房中は足元が寒いのに顔まわりだけ暖かい、という温度ムラが起きがちです。 そこで役立つのがサーキュレーターや扇風機です。空気をかき混ぜて部屋全体の温度を均一にすることで、設定温度を控えめにしても快適に過ごせます。冷房時はエアコンに向けて上向きに、暖房時は天井にたまった暖気を下ろすように風を送るのがコツです。扇風機やサーキュレーターの消費電力はエアコンよりずっと小さいので、併用しても電気代への影響はわずか。方法1の「設定温度を上げる」を無理なく実現するための、心強い相棒になります。
5. フィルター掃除は2週間に1度(年間約990円節約)
フィルターにホコリがたまると、風の通りが悪くなり、エアコンが余計に電力を使ってしまいます。資源エネルギー庁によると、フィルターを月1〜2回掃除することで、年間で冷房約860円・暖房約130円、合計約990円の電気代を節約できるとされています。 掃除の目安は2週間に1度。掃除機でホコリを吸い取り、汚れがひどければ水洗いして完全に乾かすだけです。「面倒そう」と感じるかもしれませんが、実際にかかる時間は5分ほど。ゴミ出しの日など、タイミングを決めておくと続けやすくなります。節電だけでなく、カビやいやなニオイの予防にもなり、一石二鳥です。
6. 室外機は日陰に置き吹き出し口をふさがない
見落としがちなのが屋外の室外機です。室外機は熱を外に逃がす役割を担っているため、直射日光で熱くなったり、吹き出し口がふさがれたりすると、放熱がうまくいかず効率が落ちてしまいます。 対策はシンプルです。室外機に直射日光が当たるなら、すだれやよしずで日陰をつくってあげましょう。このとき、室外機本体を布などで覆ってしまうと放熱を妨げて逆効果になるので、あくまで日差しをさえぎるだけにします。また、室外機の前に植木鉢や物を置いて風の通り道をふさがないことも大切です。周りをすっきりさせておくだけで、余計な電力を使わずにすみます。
7. カーテン・すだれと湿度40〜60%で体感温度を下げる
窓から出入りする熱をさえぎるのも効果的です。夏は日差しがそのまま室温を上げてしまうので、遮光カーテンやすだれ、断熱シートで日光をブロックしましょう。冬は厚手のカーテンを床まで届く長さにすると、窓からの冷気を防げます。 さらに意識したいのが湿度です。同じ室温でも、湿度が高いと蒸し暑く、低いと涼しく感じます。夏は湿度を40〜60%に保つと、設定温度が高めでも快適に過ごせます。除湿機能を上手に使うのがポイントです。逆に冬は加湿すると体感温度が上がり、暖房を控えめにできます。窓と湿度の工夫を組み合わせれば、我慢せずに設定温度を緩められます。
冷房と除湿はどっちが安い?よくある疑問を解決
節約に取り組もうとすると、必ずぶつかるのが「除湿と冷房どっちがお得?」「自動運転って本当に安いの?」といった疑問です。ここでネットの真逆情報に惑わされないよう、はっきり整理しておきます。
冷房・弱冷房除湿・再熱除湿の電気代の違い
「除湿は冷房より安い」と思われがちですが、実は除湿の方式によって変わります。除湿には大きく2種類あります。 弱冷房除湿:湿度を下げながら空気も少し冷やす方式。消費電力が小さく、冷房より安くなることが多い。 再熱除湿:一度冷やして除湿した空気を、設定温度まで温め直してから戻す方式。快適だが電力を多く使い、冷房より高くなることがある。 電気代の安い順に並べると、おおむね「弱冷房除湿 < 冷房 < 再熱除湿」の傾向です。お使いのエアコンがどちらの除湿方式かは、取扱説明書やメーカーサイトで確認できます。とにかく電気代を抑えたいなら弱冷房除湿、じめじめ感を確実に取りたいなら再熱除湿、と使い分けると失敗しません。
自動運転は電気代が高いのか安いのか
「自動運転は強い風でスタートするから電気代が高そう」というイメージを持つ方は多いですが、これは誤解です。前述のとおり、自動運転は立ち上がりだけ強く運転し、設定温度に達したら自動で弱運転に切り替えます。結果として、最初から弱風で運転するよりトータルの消費電力を抑えられることが多いのです。 風量で迷ったら、自動運転を選んでおけば失敗しません。エアコンにおまかせするのが、いちばん手軽で効率のよい選び方です。
冬の暖房が夏の冷房より高くなる理由
「夏より冬のほうが電気代が高い」と感じたことはありませんか。これは気のせいではありません。理由は、室温と外気温の差にあります。 夏の冷房は、外気温35℃を室温28℃にする、つまり7℃ほど下げるだけですみます。一方、冬の暖房は外気温5℃を室温20℃まで、15℃も上げなければなりません。温度差が大きいほどエアコンは電力を使うため、暖房のほうが電気代がかさむのです。冬こそ、設定温度を1℃下げる・厚着や加湿で体感温度を上げるといった工夫が効いてきます。
やりがちな失敗と節約時の注意点
よかれと思ってやっていることが、実は電気代を上げていたり、健康を損ねたりすることもあります。節約に夢中になりすぎて体調を崩しては本末転倒です。ここでは避けたい失敗と、家族の健康を守るための注意点をまとめます。
こまめなオンオフや設定温度の下げすぎは逆効果
「節電のためにこまめに消す」を徹底しすぎると、かえって電気代が増えることがあります。エアコンは運転を再開するたびに立ち上がりで多くの電力を使うため、短時間の消灯を繰り返すのは非効率です。前述の「30分程度ならつけっぱなし」を思い出してください。 また、早く涼しく・暖かくしたいからと設定温度を極端に下げたり上げたりするのも逆効果です。冷房を18℃に設定しても、部屋が28℃を通り越して18℃まで一気に涼しくなるわけではなく、余計に電力を使って冷やし続けるだけ。最初から適温を設定し、風量は自動運転にまかせるのが、いちばん無駄のない使い方です。
赤ちゃん・高齢者がいる家庭の温度と我慢しすぎない目安
節約は大切ですが、赤ちゃんや高齢者がいるご家庭では健康を最優先にしてください。赤ちゃんは体温調節がまだ未熟で、高齢者は暑さ・寒さを感じにくくなっているため、大人が「まだ大丈夫」と思う環境でも体に負担がかかっていることがあります。 夏は室温28℃・湿度50〜60%を上限の目安に、暑さがこもらないよう気をつけましょう。冬は室温20℃前後を保ち、乾燥しすぎないよう加湿もあわせて行うと安心です。「電気代が気になるから」と我慢しすぎるのは禁物。エアコンは命を守る道具でもあります。健康を守ったうえで、これまで紹介した運用術で無駄を削る、という順番を忘れないでください。
運用術で足りないときの根本的な節約策
ここまでの工夫を試しても電気代がなかなか下がらないときは、もう一歩踏み込んだ対策も検討してみましょう。すぐにお金がかかるものもありますが、長い目で見れば大きな節約につながります。
古いエアコンから最新省エネ機種への買い替え(年約6,000円削減)
10年以上前のエアコンを使っているなら、買い替えが有力な選択肢です。エアコンの省エネ性能はこの数十年で大きく向上しており、資源エネルギー庁の試算では、10年前の機種から最新の省エネ機種に買い替えることで、年間の電気代を数千円規模で削減できるとされています(機種や使用状況により異なります)。 本体価格を考えると「元が取れるの?」と迷うかもしれません。判断の目安は、毎日長時間使う部屋のエアコンかどうか。使用時間が長いほど省エネ効果が積み上がり、投資回収も早まります。頻繁に使う部屋から順に見直すと失敗しません。
電力会社・料金プランの見直し
意外と見落とされがちなのが、契約している電力会社や料金プランの見直しです。使い方は同じでも、契約を変えるだけで電気代が下がることがあります。 たとえば、日中は外出していて夜に電気を多く使う家庭なら、夜間の料金が安いプランが向いています。電力会社の切り替えは、多くの場合ネットで申し込むだけで工事も不要。比較サイトで自宅の使用量を入力すれば、どのプランがお得か簡単に試算できます。運用術と違ってこちらは一度手続きすれば効果が続くので、まだ見直していない方は一度チェックしてみる価値があります。
エアコン以外の家電も含めた家全体の節電
電気代を本気で下げたいなら、エアコンだけでなく家全体で考えるのが近道です。家庭で電気を多く使う家電は、エアコンのほかに冷蔵庫・照明・給湯などがあります。 冷蔵庫は詰め込みすぎない、照明はLEDに替える、使っていない家電の待機電力をこまめに切る。こうした小さな積み重ねが、月々の請求額をじわじわ押し下げます。エアコンの運用術と合わせて取り組めば、我慢に頼らずに家計へのインパクトを大きくできます。
よくある質問
この記事に関してよく寄せられる質問をまとめました。
エアコンはつけっぱなしと消すのはどちらが電気代が安いですか?
外出時間の長さで判断します。30分程度の短い外出なら、消さずにつけっぱなしのほうが安くなることが多いです。エアコンは運転の立ち上がりにもっとも電力を使うため、こまめにオンオフを繰り返すと逆効果になります。一方、2時間以上家を空けるなら消したほうがお得です。
設定温度は何度にすればいちばん節約できますか?
環境省の目安では、冷房は室温28℃、暖房は室温20℃です。冷房を1℃上げると約13%、暖房を1℃下げると約10%の消費電力を削減できます。ただし無理に我慢すると健康を損なうため、扇風機の併用や湿度の調整で体感温度を下げながら、快適に過ごせる範囲で設定してください。
除湿と冷房はどちらが電気代が安いですか?
除湿の方式によります。空気を少し冷やしながら湿度を下げる「弱冷房除湿」は冷房より安くなることが多いですが、除湿した空気を温め直す「再熱除湿」は冷房より高くなることがあります。安い順は「弱冷房除湿 < 冷房 < 再熱除湿」が目安です。
フィルター掃除はどのくらいの頻度でやればいいですか?
2週間に1度が目安です。月1〜2回の掃除で、年間約990円の電気代節約につながるとされています。掃除機でホコリを吸うだけなら5分ほどで終わり、カビやニオイの予防にもなります。
電気代を我慢せずに下げる方法はありますか?
あります。設定温度を1℃緩めつつ、扇風機やサーキュレーターで体感温度を調整し、夏は湿度を40〜60%に保つことで、快適さを保ったまま消費電力を抑えられます。フィルター掃除や室外機の環境改善など、我慢を伴わない工夫から始めるのがおすすめです。
まとめ:今日からできる運用術で無理なく電気代を下げよう
エアコンの電気代は、我慢しなくても工夫次第でしっかり下げられます。まずは自宅の電気代を計算式で把握し、そのうえで今日からできる運用術を取り入れてみてください。 設定温度は夏28℃・冬20℃を目安に(1℃で冷房13%・暖房10%削減) 風量は「自動運転」がもっとも効率的 30分程度の外出ならつけっぱなしが得 サーキュレーターや扇風機で温度ムラを解消し、設定温度を無理なく緩める フィルター掃除は2週間に1度(年間約990円節約) 室外機は日陰に置き、吹き出し口をふさがない カーテン・すだれと湿度40〜60%で体感温度を下げる まずは「設定温度を1℃だけ緩める」「フィルターを掃除する」など、取り組みやすいものを1つ選んで今日から始めてみましょう。それでも電気代が気になるときは、料金プランの見直しや省エネ機種への買い替えも検討する価値があります。大切なのは、我慢して耐えることではなく、快適さと健康を守りながら無駄を減らすこと。小さな工夫の積み重ねが、毎月の請求額をきっと軽くしてくれます。