お墓参りの花の選び方|種類・色・マナーとタブーを解説
- 2026年08月12日公開
こんにちは、ヨムーノ編集部です。
お墓参りの前に「どの花を持っていけばいいか」「これを供えても失礼にならないか」と迷った経験はありませんか。普段あまり考えないぶん、いざ準備するとなると意外と判断に困るものです。
本記事では、お墓参りの花の選び方を分かりやすく解説します。菊やカーネーションといった定番の種類から、バラや彼岸花など持って行ってはいけないタブーな花の理由、色・本数・向きの基本マナーまで網羅。さらに、四十九日前や盆・彼岸といった場面別の選び方や、造花・プリザーブドフラワー可否の判断基準、購入場所と費用相場、供えた花を長持ちさせるコツまで詳しくご紹介します。
仏花の基本ルールやマナーを事前にしっかり押さえておくことで、お店や現地で迷うことなくスムーズに準備ができるようになりますよ。故人やご先祖様への感謝の気持ちを美しい花に込めて、心地よくお墓参りに臨みましょう。ぜひこれからの参考にしてください。
お墓参りに適した花の種類
仏花として広く使われている定番の花と、季節ごとに選べる旬の花をまとめました。
定番は菊・カーネーション・リンドウ
お墓参りで最もよく選ばれるのが菊(キク)です。白・黄・紫など色のバリエーションが豊富で、1年を通じて入手しやすく、花持ちがいい点が重宝されます。仏事全般に使われる定番として、花屋でも「仏花用」として販売されているほどです。
カーネーションは白・淡いピンクを中心に、柔らかな印象を与えます。母の日のイメージが強い花ですが、仏花としても広く使われています。花屋でもスーパーでも手に入りやすく、価格が比較的手頃なのも選びやすいポイントです。
リンドウは秋を代表する仏花のひとつで、青紫色の凛とした見た目が特徴的です。長持ちする上に、秋のお彼岸やお盆の時期に旬を迎えるため、季節感のある供え花として人気があります。
ユリ・スターチス・グラジオラスも人気
ユリは白や淡いピンクのものが仏花として使われます。花が大きく存在感があるため、菊やカーネーションと組み合わせると見栄えがよくなります。ただし、花粉が多く衣服や周囲を汚すことがあるため、つぼみが開く前や花粉を取り除いて供えるとよいでしょう。
スターチスは小花が密集した形状で、花束のまわりを彩る脇役として使われることが多い花です。乾燥しても形が崩れにくく、長持ちするため、遠方への墓参りや管理が難しい時期に向いています。
グラジオラスは縦に花が並ぶ形状が凛としており、白・淡いピンク・紫系が仏花に合います。夏から秋にかけて流通量が増え、花立てに挿したときに高さが出るため、お盆の供え花として選ばれることが多いです。
季節ごとに選べる旬の花
仏花として使える花は季節によって変わります。旬の花は流通量が多く価格も安定しているため、積極的に活用するとよいでしょう。
- 春(3〜5月):菜の花・スイートピー・チューリップ(白・淡い色)・フリージア
- 夏(6〜8月):グラジオラス・トルコキキョウ・ひまわり(小輪の白系)
- 秋(9〜11月):リンドウ・菊・コスモス(淡い色)
- 冬(12〜2月):菊・千両・葉ボタン・トルコキキョウ
季節の花を選ぶと、供えたときに自然で清潔感のある印象になります。地域の花屋では、時期に合わせた仏花セットが用意されていることも多いので、迷ったときはそちらを選ぶのが手軽です。
お墓参りに持って行ってはいけない花
棘のある花や毒のある花など、仏花として避けるべき花とその理由を説明します。
棘のある花(バラ・アザミなど)はNG
バラやアザミのように棘(とげ)のある花は、お墓参りでは避けるのがマナーです。棘は「争いの象徴」につながるとされており、仏事に持ち込むのはふさわしくないと考えられています。また、お墓の花立てに棘のある茎を挿すのは扱いにくく、他のお参りの方の手を傷つける可能性もあります。
バラは美しく华やかですが、お墓参りよりも贈り物や観賞向きの花として使う場面が多い花です。棘を取り除いても、形式的にNGとされることがあるため、仏花として使わないほうが無難です。
彼岸花・毒のある花が避けられる理由
彼岸花(曼珠沙華)はお彼岸の時期に咲く花ですが、実はお墓参りの供え花としては避けるべきとされています。理由は主にふたつあります。ひとつは球根に毒(リコリン)を含むこと。もうひとつは、「死者の花」「幽霊が出る場所に咲く花」という言い伝えが各地に残っており、縁起が悪いとされているためです。
同様に、毒を持つ植物全般(スズラン・ドクウツギ・ハシリドコロなど)はお墓への供え花として適しません。毒のある花は他の参拝者や動物、周囲の環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
つる性の花・散りやすい花も控える
つる性の花(アサガオ・クレマチスなど)は、「他の墓に巻き付く」「成仏できないほど現世への未練が強い」などの言い伝えから、仏事には不向きとされています。
また、花びらが散りやすい花(アジサイ・桜・ポピーなど)も、墓周辺を汚しやすいため控えるのが望ましいです。アジサイは土を好む植物で「土に帰る」とのイメージから避けられる地域もあります。
迷ったときは「棘がないか」「毒がないか」「散りやすくないか」の3点を確認するだけで、大きなミスは防げます。
花の色・本数・向きの基本マナー
お墓参りの花には、色・本数・飾り方についていくつかの基本的な考え方があります。
色は白・淡いピンク・黄・紫が基本
お墓参りの花の色は、白・淡いピンク・黄・紫が一般的に適しているとされています。これらは穏やかで清楚な印象を与え、故人への敬意を表すのに適した色として広く受け入れられています。
白は清潔さと純粋さの象徴として、仏事では最も使われる色です。淡いピンクや黄、紫は白の代わりに、または組み合わせることで、柔らかく温かみのある印象になります。
一方で、真っ赤や派手なオレンジは日常的に「お祝いの場」でよく使われる色のため、避けたほうが無難という考え方もあります。ただし、故人が赤い花を好んでいた場合は、後述するように気持ちを優先して選ぶことも認められています。地域や宗派によって考え方が異なる部分もあるため、迷う場合は落ち着いた色を選ぶと安心です。
本数は奇数、左右対称に飾るのが目安
仏教では偶数は「割り切れる=縁が切れる」とされるため、花の本数は奇数(3・5・7本など)が目安とされています。ただし、これは絶対的なルールではなく、花束の束数や全体のバランスを重視する考え方もあります。
お墓の花立ては左右に2本あることが多く、左右対称になるよう同じ本数・同じ種類の花を飾るのが基本です。片方だけ豪華にすると見た目のバランスが崩れるため、花束を2束用意して左右に分けて挿すようにしましょう。
花は参拝者側に向けて供える
花を挿す向きについては、花の面が参拝者側(手前)に向くように飾るのが一般的です。「故人があの世から花を見られるように」という考え方から、花をお墓(仏様)のほうに向けるという意見もありますが、現在は参拝者のほうに向けるスタイルが主流です。
地域や家の慣習によって異なる場合もあるため、家族や親族のやり方に合わせるのがベストです。初めてのお墓参りでどちらか分からない場合は、参拝者側に向けておけばまず問題ありません。
場面別の花の選び方
四十九日・お盆・お彼岸など、お参りの時期によって適した花の選び方が変わります。
四十九日前は白い花でまとめる
故人が亡くなってから四十九日を迎えるまでの期間は、白い花でまとめるのが基本的な考え方です。この期間は「忌中(きちゅう)」と呼ばれ、故人の魂がまだこの世にとどまっているとされるため、純白で静かな印象の花が適しているとされています。
菊(白)・カーネーション(白)・ユリ(白)・スターチス(白)などを中心に選ぶと、場の雰囲気に自然になじみます。花屋で「四十九日前のお墓参り用に」と伝えると、適切な花束を提案してもらえることも多いです。
お盆・春秋の彼岸はどんな花が合う?
お盆(8月13〜16日ごろ)は、先祖の霊が戻ってくるとされる時期です。グラジオラス・トルコキキョウ・ミソハギ(禊萩)・お盆用の菊など、夏に旬を迎える花が適しています。ミソハギはお盆の際に霊前に供える習慣があり、仏花売り場でもよく見られます。
春・秋のお彼岸(春分・秋分の日を中心とした1週間)は、年に2回の先祖供養の時期です。春のお彼岸にはフリージア・チューリップ(淡い色)・菜の花、秋のお彼岸にはリンドウ・菊・コスモスなど、その季節らしい花を選ぶと自然です。
故人の好きだった花を供えてもいい?
タブーな花(棘がある・毒がある・つる性・散りやすいなど)に該当しない限り、故人が好きだった花を供えることは問題ありません。むしろ、故人の好みを尊重した花選びは、多くの宗派・地域で受け入れられています。
たとえば、故人がひまわりを好きだったなら、小輪の淡い色のひまわりを選ぶ。バラが好きだったなら、棘を取り除いた白・淡いピンクのバラを使う、という工夫もできます。「マナーを守りながらも、故人らしい花を」という発想で選ぶのが、心のこもった供え方につながります。
造花・プリザーブドフラワーは使ってもいい?
「生花でないといけないのか」という疑問を持つ方も多いですが、造花やプリザーブドフラワーを禁止している宗派や霊園は少数です。管理の手間がかからず、遠方に住んでいてこまめにお墓参りに行けない方や、アレルギーのある方には現実的な選択肢になっています。
造花のメリットは、枯れないため長期間きれいな状態を保てること。また、花粉が出ないため清潔感を維持しやすい点もあります。一方で、「お墓参りには生花を」と考える親族がいる場合や、霊園の規則で生花のみとされている場合は、事前に確認が必要です。
プリザーブドフラワーは生花を特殊加工したものなので、見た目の自然さは造花より高く、仏花として使いやすいという声もあります。ただし、ガラスケースに入れたものや、水が不要なものを選ぶ場合、霊園によっては花立てに挿せないこともあるため注意してください。
迷ったら、定期的にお墓参りができる場合は生花、管理が難しい場合は造花・プリザーブドフラワーという使い分けが現実的です。
花をどこで買う?費用の目安
仏花が買える場所と、それぞれの特徴・価格の目安をまとめました。
花屋・スーパー・霊園売店など購入場所
仏花が買える場所はいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。
| 購入場所 | 特徴 | こんな方に向く |
|---|---|---|
| 花屋 | 種類が豊富。仏花用の束も用意されていることが多い | 見た目や組み合わせにこだわりたい方 |
| スーパー・ホームセンター | 手軽に買える。仏花コーナーがある店舗も多い | ついでに買いたい・価格を抑えたい方 |
| 霊園・墓地の売店 | 仏花専用の品揃え。花立てのサイズに合った長さで売られていることも | 現地で買いたい・忘れた場合のバックアップに |
| ネット通販 | 生花の定期便・造花のセットなど選択肢が広い | 遠方でこまめに行けない方・造花を検討している方 |
お盆やお彼岸の時期は、スーパーや花屋でも仏花のセットが豊富に並ぶため、この時期に合わせて購入するのは特に手軽です。
1束300〜1000円が相場の目安
お墓に供える仏花の費用は、1束あたり300〜1000円前後が相場です。左右2か所の花立てに供える場合は2束必要になるため、合計600〜2000円程度が目安になります。
- スーパー・ホームセンターの仏花セット:300〜600円/束
- 花屋の仏花束(菊中心):500〜1000円/束
- 霊園売店の花:500〜1500円前後(場所によって異なる)
- 季節の旬の花を使ったアレンジ:1000〜2000円前後
お盆・彼岸の時期は需要が増えるため、若干割高になることがあります。霊園内の売店は立地の便利さから価格が高めのこともあるため、あらかじめ花屋やスーパーで購入してから持参するのがコスト面ではおすすめです。
枯れた花の扱い方と長持ちさせるコツ
お墓に供えた花は、時間が経つと枯れてしまいます。枯れたままにしておくと、見た目が悪くなるだけでなく、腐敗して悪臭の原因になったり、墓石を汚したりすることもあります。霊園によっては定期的な清掃が行われますが、自分でも定期的に確認・交換するようにしましょう。
枯れた花の処分方法は、霊園内に設置されているごみ置き場(枯れ花専用の回収場所)に捨てるのが一般的です。持ち帰って自宅のごみとして処分しても問題ありません。川や池には捨てないようにしましょう。
花を長持ちさせるためのポイントは以下のとおりです。
- 水を毎回交換する:花立ての水は腐りやすいため、お参りのたびにきれいな水に替える
- 茎を斜めにカットする:水の吸い上げ面積が広がり、花が長持ちしやすくなる
- 直射日光の当たりにくい場所に供える:夏は特に花が傷みやすいため、日当たりが強い墓石には日よけができる造花を活用するのも選択肢のひとつ
- 花立てをきれいに洗う:藻や汚れが残っていると水が腐りやすくなるため、花を替えるタイミングで軽く洗う
夏場は特に花の痛みが早く、1週間もしないうちに萎れてしまうこともあります。頻繁にお参りに行けない場合は、比較的長持ちするスターチスやリンドウを選ぶか、造花を活用することを検討してみてください。
まとめ|迷ったときのチェックポイント
お墓参りの花は、基本的なポイントを押さえておけば迷う場面はほとんどなくなります。以下のチェックポイントを確認してから花を選ぶと、スムーズに準備できます。
- 定番の花を選ぶ:菊・カーネーション・リンドウ・ユリ・スターチスが安心
- 避ける花を確認する:棘のある花(バラ・アザミ)・毒のある花(彼岸花など)・つる性・散りやすい花はNG
- 色は白・淡いピンク・黄・紫を中心に:落ち着いた色合いが基本
- 本数は奇数、左右対称に:花立てが2か所なら2束準備する
- 四十九日前は白い花でまとめる:忌中は白を基調にする
- 造花・プリザーブドフラワーもOK:霊園の規則を確認の上、管理状況に合わせて選ぶ
- 費用は1束300〜1000円が目安:スーパーや花屋でまとめて購入するとコストを抑えやすい
「何を選べばいいか分からない」と感じたときは、花屋で「お墓参り用の花束を2束ください」と伝えるだけで、相場の価格でバランスのよい仏花を用意してもらえます。花選びに慣れていない方でも、この一言で迷わずに準備できます。
大切なのは形式よりも、故人を思って花を選ぶ気持ちです。基本のマナーを知った上で、その範囲の中で故人らしい花を選べると、より心のこもったお墓参りになるでしょう。
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