お年玉は喪中でも渡せる?知っておきたいマナーと注意点

  • 2025年12月26日公開

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こんにちは、ヨムーノ編集部です。

喪中の時期に新年を迎えると、お年玉を渡してもよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。身内に不幸があった年は、お祝い事を控えるべきだと考える一方で、子どもたちにお年玉を渡さないのもかわいそうだと感じることもあります。

実は、喪中であってもお年玉を渡すこと自体は問題ありません。ただし、渡し方や袋の選び方、表書きの書き方など、いくつかのマナーや注意点があります。相手への配慮を忘れずに、適切な方法でお年玉を渡すことが大切です。

この記事では、喪中のお年玉に関する基本的なマナーから、袋の選び方、表書きの書き方、自分が喪中の場合や相手が喪中の場合の対応方法まで、詳しく解説します。喪中のお年玉で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

喪中のお年玉は渡してもいい?基本的なマナー

喪中の時期にお年玉を渡してもよいのかという疑問について、基本的な考え方とマナーを解説します。喪中と忌中の違いも理解しておくことが大切です。

お年玉は喪中でも渡せる理由

お年玉は喪中でも渡すことができます。その理由は、お年玉が本来「お祝い事」ではなく、子どもたちへの気遣いや生活支援の意味合いを持つものだからです。

喪中に控えるべきとされているのは、結婚式や成人式などの明確なお祝い事や、華やかな新年の挨拶です。一方、お年玉は新年を祝う行事というよりも、子どもたちの成長を応援する習慣として定着しています。

ただし、渡し方には配慮が必要です。「あけましておめでとうございます」といった祝賀の言葉は避け、「今年もよろしくね」「元気に過ごしてね」といった言葉を添えるとよいでしょう。

喪中であることを理由にお年玉を完全に止めてしまうと、子どもたちががっかりしてしまう可能性もあります。マナーを守りながら渡すことで、子どもたちへの思いやりを示すことができます。

喪中と忌中の違いを理解する

喪中と忌中は混同されがちですが、期間や意味合いが異なります。忌中は故人が亡くなってから四十九日までの期間を指し、特に厳格な服喪期間とされています。

一方、喪中は一般的に一年間の服喪期間を指します。この期間中は派手な行動やお祝い事への参加を控えることが習慣となっていますが、日常生活は通常通り送ることができます。

お年玉に関しては、忌中の期間中は控えた方が無難です。特に亡くなって間もない時期は、遺族の心情を最優先に考えるべきでしょう。四十九日を過ぎた喪中の期間であれば、配慮しながらお年玉を渡すことは問題ありません。

自分が喪中の場合も相手が喪中の場合も、忌中と喪中の違いを理解しておくことで、適切な対応ができるようになります。

喪中期間はいつまで続くのか

喪中期間は一般的に一年間とされていますが、故人との関係性によって期間が異なる場合もあります。最も近い親族である配偶者や親、子どもが亡くなった場合は一年間の喪中とするのが一般的です。

祖父母や兄弟姉妹が亡くなった場合も一年間とすることが多いですが、地域や家庭によっては半年程度にする場合もあります。同居していたかどうかも、喪中期間を決める際の判断材料になります。

喪中期間が明けるのは、故人が亡くなった日から数えて一年後です。例えば2024年3月15日に亡くなった場合、2025年3月14日までが喪中期間となります。ただし、年が明けた1月1日からは通常の生活に戻る家庭もあります。

喪中期間の考え方は家庭や地域によって異なるため、不安な場合は親族と相談して決めるとよいでしょう。

お年玉を喪中に渡す場合の正しい方法と注意点

喪中にお年玉を渡す場合は、通常とは異なる配慮が必要です。ここでは渡し方のポイントと注意点を詳しく説明します。

おめでとうという言葉は避ける

喪中にお年玉を渡す際は、「あけましておめでとうございます」といった祝賀の言葉を避けることが最も重要です。この言葉は新年を祝う表現であり、喪中の時期には不適切とされています。

代わりに「今年もよろしくお願いします」「元気に過ごしてね」「健やかに育ってね」といった言葉を添えるとよいでしょう。子どもに対しては「勉強がんばってね」「たくさん遊んでね」といった声かけも適切です。

また、お年玉を渡す際の雰囲気も控えめにすることを心がけましょう。通常のように大げさに盛り上げるのではなく、静かに手渡すのがマナーです。

言葉選びに迷った場合は、何も言わずにそっと手渡すという方法もあります。言葉よりも気持ちが大切だということを忘れないようにしましょう。

渡すタイミングは1月7日以降がおすすめ

喪中の場合は、1月7日以降に渡すのがおすすめです。1月1日から1月6日までは「松の内」と呼ばれる新年を祝う期間とされており、この期間を避けることで喪中への配慮を示すことができます。

1月7日は「人日の節句」で松の内が明ける日とされています。この日以降であれば、新年のお祝いムードも落ち着いているため、喪中でも気兼ねなく渡すことができます。

ただし、地域によっては松の内が1月15日までとされる場合もあります。自分の住む地域の習慣を確認しておくとよいでしょう。関西地方などでは1月15日までが松の内とされています。

どうしても年始に会う機会しかない場合は、その時に渡しても問題ありません。タイミングよりも、相手への配慮と気持ちの方が大切です。

お小遣いとして渡す方法もある

喪中の時期には、「お年玉」という名目ではなく「お小遣い」として渡すという方法もあります。これにより、新年のお祝いという要素を取り除くことができます。

お小遣いとして渡す場合は、「ちょっとしたお小遣いだよ」「好きなものを買ってね」といった言葉を添えると自然です。子どもたちも、特別な行事というよりは日常的な贈り物として受け取ることができます。

また、誕生日が近い子どもには、誕生日プレゼントの前倒しという形で渡すこともできます。この方法であれば、お年玉という概念から完全に離れることができます。

大切なのは形式ではなく、子どもたちへの思いやりの気持ちです。名目を変えることで、喪中でも気持ちよく渡すことができるでしょう。

喪中でお年玉を渡す際の袋の選び方と注意点

喪中の時期にお年玉を渡す際は、袋の選び方にも注意が必要です。ここでは適切な袋の選び方を解説します。

ポチ袋は使わない方が無難

華やかなデザインのポチ袋は喪中には適していません。一般的なお年玉用のポチ袋には、「おめでとう」「Happy New Year」といった祝賀の言葉や、干支のイラスト、縁起物のデザインが描かれていることが多いためです。

特に赤や金色などの華やかな色使いのポチ袋は、お祝いの雰囲気が強いため避けるべきでしょう。キャラクターものやかわいいデザインのポチ袋も、喪中の時期には派手すぎると感じられる可能性があります。

どうしてもポチ袋を使いたい場合は、無地に近いシンプルなデザインのものを選びましょう。ただし、それでも「お年玉」という文字が印刷されている場合が多いため注意が必要です。

喪中の際は、ポチ袋以外の選択肢を検討した方が安心です。次の項目で紹介する白い封筒が最も適しています。

白い無地の封筒を使う

喪中にお年玉を渡す際は、白い無地の封筒を使うのが最も適切です。白い封筒はシンプルで落ち着いた印象を与え、喪中の時期にもふさわしい選択となります。

文房具店やコンビニエンスストアで販売されている一般的な白封筒で十分です。サイズは小さめのものを選ぶと、お年玉を入れるのにちょうどよいでしょう。長形4号や洋形2号などのサイズが適しています。

封筒には何も書かずに渡すか、シンプルに子どもの名前だけを書くとよいでしょう。「お年玉」や「お小遣い」といった言葉を書く場合は、黒のペンで丁寧に書きます。

白い封筒を使うことで、喪中への配慮を示しながらも、子どもたちへの気遣いを伝えることができます。見た目はシンプルですが、中身の気持ちは変わりません。

お年玉袋のイラストやデザインに注意

もし市販のお年玉袋を使う場合は、イラストやデザインに細心の注意を払いましょう。鶴や亀、松竹梅などの縁起物、干支の動物、富士山などのおめでたいモチーフは避けるべきです。

また、「福」「寿」「賀」といった漢字が使われているデザインも、お祝いの意味が強いため不適切です。金色や赤色の装飾が施されたものも、華やかすぎるため避けましょう。

どうしても市販の袋を使いたい場合は、パステルカラーや淡い色合いの、イラストが最小限のものを選びます。動物や植物のイラストでも、縁起物でなければ許容範囲と考えられます。

判断に迷う場合は、白い無地の封筒を使うのが最も確実で安全な選択です。デザインよりも、相手への配慮を優先することが大切です。

喪中のお年玉の表書きはどう書く?マナーと注意点

喪中の時期にお年玉を渡す際は、封筒の表書きにも配慮が必要です。ここでは適切な表書きの書き方を紹介します。

「お年玉」ではなく「お小遣い」と書く

喪中の場合は、表書きに「お年玉」ではなく「お小遣い」と書くのが一般的なマナーです。「お年玉」という言葉には新年を祝う意味が含まれているため、喪中の時期には不適切とされています。

「お小遣い」と書くことで、新年のお祝いという要素を取り除き、日常的な贈り物としての意味合いを強めることができます。子どもたちにとっても、特別な行事というよりは普段のご褒美として受け取りやすくなります。

書く際は黒のペンを使い、封筒の表面中央に丁寧に書きましょう。筆ペンを使う必要はなく、普通のボールペンでも問題ありません。文字の大きさは封筒のサイズに合わせて調整します。

裏面には渡す人の名前を書くこともできますが、書かなくても失礼にはあたりません。家族内で渡す場合は、特に裏書きをする必要はないでしょう。

「文具代」や「書籍代」と書く方法もある

より具体的な用途を示す方法として、「文具代」「書籍代」「学用品代」などと書くこともできます。この方法は、お祝いの要素を完全に排除し、実用的な贈り物としての性格を明確にします。

「文具代」と書けば、学校で使う文房具を買うためのお金という意味になります。「書籍代」であれば、本を買うためのお金として渡すことになります。こうした表現であれば、喪中でも全く問題ありません。

子どもの年齢や状況に合わせて、適切な用途を選ぶとよいでしょう。小学生なら「文具代」や「図書代」、中高生なら「書籍代」や「参考書代」などが適しています。

ただし、子どもたちは実際には自由に使うことが多いため、用途を限定しすぎる必要はありません。気持ちを伝える一つの方法として考えましょう。

何も書かずに渡すのも一つの方法

封筒に何も書かずに渡すという方法も、実は喪中には適しています。表書きに悩んだり、不適切な言葉を使ってしまう心配がないためです。

何も書かれていない白い封筒であれば、見た目も非常にシンプルで控えめな印象を与えます。喪中という特別な状況下では、このシンプルさが逆に適切な配慮として受け取られることがあります。

渡す際に「ちょっとしたお小遣いだよ」「好きなものを買ってね」と口頭で伝えれば、封筒に書かなくても意図は十分に伝わります。特に親しい親族間では、この方法で問題ありません。

ただし、複数の子どもに渡す場合は、誰宛てのものか分かるように名前だけは書いておいた方がよいでしょう。表面に子どもの名前だけを書くという方法もあります。

自分が喪中のときお年玉はどうする?渡す側のマナーと注意点

自分が喪中の立場でお年玉を渡す場合の対応方法について解説します。渡す側としての配慮とマナーを確認しましょう。

自分が喪中でもお年玉は渡せる

自分が喪中であっても、お年玉を渡すことは問題ありません。喪中は自分の行動を慎む期間ではありますが、子どもたちへの気遣いまで制限する必要はないという考え方が一般的です。

特に毎年お年玉を渡している甥や姪、孫などがいる場合、喪中を理由に突然渡さなくなると、子どもたちが混乱したり悲しんだりする可能性があります。継続性を保つことも大切な配慮の一つです。

ただし、忌中の期間、特に亡くなって間もない時期は、お年玉を渡すことを控えた方がよい場合もあります。自分自身の気持ちの整理がついていない時期に無理をする必要はありません。

四十九日を過ぎた喪中の期間であれば、マナーに配慮しながらお年玉を渡すことで、日常生活への復帰の一歩とすることもできるでしょう。

お祝い事ではなく子どもへの気遣いと考える

喪中にお年玉を渡す際は、これを「お祝い事」ではなく「子どもへの日常的な気遣い」と考えることが重要です。この考え方の転換により、喪中でも気兼ねなく渡すことができます。

お年玉の本来の意味は、子どもたちの成長を願い、生活を支援することにあります。新年を祝うという要素は付随的なものであり、本質ではありません。この本質を大切にすれば、喪中でも問題ないと理解できます。

渡す際には「いつもありがとう」「元気でいてね」といった日常的な言葉を添えることで、お祝いではなく日頃の感謝や気遣いであることを示せます。

子どもたちにとっても、喪中という難しい時期に大人が普段通りに接してくれることは、安心感につながります。適切な配慮をしながら、自然に接することが大切です。

派手な演出は控えめにする

自分が喪中の場合は、お年玉を渡す際の演出を控えめにすることを心がけましょう。通常のように大げさに盛り上げたり、華やかな雰囲気を作ったりすることは避けるべきです。

例えば、複数の子どもが集まる場所で一斉にお年玉を配るといった派手な渡し方ではなく、一人ずつ静かに手渡す方が適切です。また、「お年玉だよ!」と大きな声で言うのではなく、そっと渡すようにします。

袋の選び方も、前述のように白い無地の封筒など、シンプルなものを選びましょう。金額も、例年と比べて特別に増やすといったことは控え、通常通りか少し控えめにするのが無難です。

控えめな態度を保つことで、喪中への配慮を示しながらも、子どもたちへの思いやりを伝えることができます。バランスを取ることが大切です。

喪中にお年玉をもらった場合の対応マナーと注意点

自分が喪中の時にお年玉をもらった場合の対応方法について説明します。受け取る側としてのマナーを確認しましょう。

喪中でもお年玉を受け取って問題ない

自分が喪中であっても、お年玉を受け取ることは全く問題ありません。お年玉を受け取ることが喪中のマナーに反するという決まりはなく、相手の善意を素直に受け取ることが適切です。

特に子どもが喪中の場合、親がお年玉を辞退してしまうと、子どもががっかりしてしまいます。喪中は大人の事情であり、子どもに過度な制限を課す必要はないという考え方もあります。

ただし、忌中の期間や、特に悲しみが深い時期には、受け取りを遠慮したいという気持ちになることもあるでしょう。その場合は、相手に丁寧に事情を説明して辞退することもできます。

大切なのは、相手の気持ちと自分の気持ちの両方を尊重することです。無理に受け取る必要もなければ、無理に断る必要もありません。

お礼の伝え方に配慮する

喪中にお年玉をもらった際は、お礼の伝え方に配慮が必要です。通常のように「あけましておめでとうございます、ありがとうございます」という言い方は避けましょう。

「ありがとうございます」「いつもお気遣いいただき感謝します」「大切に使わせていただきます」といった言葉でお礼を伝えるのが適切です。新年の挨拶を含めない形で感謝の気持ちを表現します。

子どもが受け取る場合は、親が代わって「ありがとうございます。子どもが喜びます」とお礼を述べるとよいでしょう。子ども自身にも「ありがとうございます」と言わせることで、感謝の気持ちを学ばせることができます。

後日、電話やメールでお礼を伝える場合も、喪中であることを踏まえた言葉選びを心がけましょう。相手への配慮と感謝の両方を示すことが大切です。

お返しは必要ないが感謝を伝える

お年玉をもらった場合、基本的にお返しは必要ありません。お年玉は子どもへの一方的な贈り物という性質があり、お返しを期待して渡すものではないためです。

ただし、感謝の気持ちをしっかりと伝えることは重要です。その場でのお礼に加えて、後日電話やメールで改めて感謝を伝えると、より丁寧な印象を与えることができます。

喪中の時期であっても、感謝の気持ちを示すことは問題ありません。むしろ、相手の配慮に対して感謝を示すことで、良好な関係を維持することができます。

子どもがもらった場合は、後日その子どもに手紙を書かせるという方法もあります。お年玉を使って買ったものの報告などを含めると、相手も喜んでくれるでしょう。

相手が喪中のときお年玉は渡していい?知っておきたいマナーと注意点

相手が喪中の場合にお年玉を渡してもよいのか、配慮すべきポイントについて解説します。

相手が喪中でもお年玉は渡せる

相手が喪中であっても、お年玉を渡すことは可能です。特に毎年渡している関係性であれば、継続して渡すことが相手への気遣いになります。

相手が喪中だからといってお年玉を渡さないと、かえって気を使わせてしまったり、子どもたちを悲しませたりする可能性があります。喪中であっても日常生活は続いているため、普段通りの付き合いを大切にすることも一つの配慮です。

ただし、相手が忌中の期間、特に亡くなって間もない時期は、様子を見た方がよい場合もあります。四十九日を過ぎてから渡すなど、タイミングを調整することも検討しましょう。

渡す際は、前述のように白い封筒を使い、「お小遣い」などの表書きにするなど、喪中への配慮を忘れないようにします。

渡す前に相手の状況を確認する

相手が喪中の場合は、渡す前に相手の状況や気持ちを確認することが大切です。喪中の受け止め方は人それぞれであり、画一的な対応では適切でない場合もあります。

可能であれば、事前に「お年玉を渡してもよいか」と相手に確認するのが最も確実です。電話やメールで「今年もお年玉を用意しているのですが、ご迷惑でなければお渡ししたいのですが」と伝えてみましょう。

相手の反応を見て判断することで、失礼にならずに済みます。多くの場合、相手は「お気遣いありがとうございます」と受け取ってくれるでしょう。

確認が難しい場合は、渡す際に「もしご迷惑でなければ」と前置きをして渡すという方法もあります。相手が辞退した場合は、無理に渡さず気持ちだけを伝えましょう。

強制せず相手の気持ちを尊重する

相手が喪中の場合は、お年玉を受け取るかどうかを相手に委ねることが重要です。こちらの善意を押し付けるのではなく、相手の気持ちを最優先に考えましょう。

もし相手が受け取りを遠慮した場合は、その気持ちを尊重して引き下がることが大切です。「気持ちだけでも受け取ってください」と無理に渡そうとすると、かえって相手を困らせてしまいます。

一度断られた場合は、「分かりました。また落ち着いた頃に」と言って引き下がり、後日改めて渡す機会を探すのもよいでしょう。タイミングを変えることで、相手も受け取りやすくなる場合があります。

大切なのは形式ではなく、相手への思いやりです。柔軟に対応することで、良好な関係を保つことができます。

忌中と喪中の違いは?お年玉を渡す際の注意点

忌中と喪中の違いを理解することで、お年玉を渡す際の適切な判断ができます。それぞれの期間における対応を確認しましょう。

忌中は四十九日までの期間

忌中とは、故人が亡くなってから四十九日までの期間を指します。この期間は特に厳格な服喪期間とされ、様々な行動が制限されると考えられています。

仏教では、故人の魂が四十九日間この世にとどまり、その後極楽浄土へ旅立つと考えられています。そのため、遺族はこの期間中は故人の供養に専念し、派手な行動やお祝い事への参加を控えるのが習わしです。

忌中の期間中は、神社への参拝も控えるべきとされています。また、結婚式などの慶事への参加も基本的には遠慮します。日常生活においても、できるだけ静かに過ごすことが望ましいとされています。

お年玉に関しても、忌中の期間中は渡すことを控えた方が無難です。特に新年が忌中の期間と重なる場合は、慎重に判断する必要があります。

喪中は一年間の服喪期間

喪中は、故人が亡くなってから一年間の服喪期間を指します。忌中よりも長い期間ですが、制限は比較的緩やかになります。

喪中の期間中は、年賀状を出さない、初詣を控えるといった習慣がありますが、日常生活は通常通り送ることができます。仕事や学校にも普通に通いますし、買い物や外出も問題ありません。

お祝い事への参加は控えるべきとされていますが、どこまで厳格に守るかは家庭や個人の考え方によって異なります。最近では、喪中であっても社会生活を優先する傾向が強くなっています。

お年玉については、喪中の期間であれば、適切な配慮をしながら渡すことが可能です。忌中ほど厳格に考える必要はありません。

忌中はお年玉を控えた方がよい

忌中の期間、特に新年が忌中と重なる場合は、お年玉を控えた方が無難です。この時期は遺族の悲しみも深く、お祝い事に関わることは避けるべきとされています。

例えば、12月中旬に身内が亡くなった場合、新年は忌中の期間に当たります。この場合、通常のお年玉は渡さず、時期をずらして「お小遣い」として渡すという方法が考えられます。

ただし、子どもたちのことを考えると、完全にお年玉をなくしてしまうのも心苦しいものです。親族で相談し、1月7日以降や四十九日を過ぎてから渡すなど、タイミングを調整するのもよいでしょう。

忌中の期間は家庭や宗派によって考え方が異なるため、不安な場合は親族や菩提寺に相談することをおすすめします。

喪中のお年玉で新札は使っていい?マナーと注意点

喪中のお年玉で新札を使ってもよいのか、お金の準備に関するマナーを確認しましょう。

新札を使っても問題ない

喪中であっても、お年玉に新札を使うことは問題ありません。新札を使うことは相手への敬意や清潔さを示すものであり、お祝いの意味だけではないためです。

お年玉に新札を使う習慣は、子どもたちに清潔で状態の良いお金を渡したいという配慮から生まれたものです。この配慮は喪中であっても変わりません。むしろ、しわくちゃのお札を渡す方が失礼に当たる場合もあります。

ただし、新札を用意することに抵抗がある場合は、使用済みであっても比較的きれいなお札を選んで渡すという方法もあります。汚れていたり破れていたりするお札は避けましょう。

大切なのは、相手への敬意と清潔さです。新札を使うかどうかよりも、状態の良いお金を用意することを心がけましょう。

お金は清潔なものを用意する

喪中のお年玉では、新札でなくても、できるだけ清潔で状態の良いお金を用意することが大切です。これは喪中に限らず、お金を渡す際の基本的なマナーです。

使用済みのお札でも、折り目が少なく、汚れや破れがないものを選びましょう。特に子どもに渡す場合は、清潔感のあるお金を用意することで、お金を大切に扱うことの重要性を教えることにもつながります。

硬貨を渡す場合も、できるだけ新しく光沢のあるものを選ぶとよいでしょう。銀行で新札や新しい硬貨に両替してもらうこともできます。

お金の状態に気を配ることは、相手への配慮の表れです。喪中であっても、この基本的なマナーは変わりません。

気になる場合は使用済みのお札でもよい

もし新札を使うことに抵抗がある場合は、使用済みのお札を使っても全く問題ありません。特に喪中という特別な状況では、新札にこだわる必要はないという考え方もあります。

使用済みのお札を選ぶ際は、比較的新しく、折り目が少ないものを選びましょう。財布の中から状態の良いお札を選んで使うという方法で十分です。

子どもたちにとっては、お札が新札かどうかよりも、もらえること自体が嬉しいものです。形式にこだわりすぎず、気持ちを大切にすることの方が重要です。

どちらを選ぶにしても、清潔で状態の良いお金を渡すという基本は守りましょう。それが相手への最低限の配慮となります。

亡くなって初めての正月のお年玉マナーと注意点

身内が亡くなって初めて迎える正月は、特に配慮が必要です。初めての正月のお年玉について解説します。

初めての正月は特に配慮が必要

身内が亡くなって初めての正月は、特に慎重な配慮が必要です。この時期は遺族の悲しみもまだ深く、通常の新年のお祝いムードには違和感を感じる可能性が高いためです。

初めての正月は「新盆」ならぬ「新正月」として、特別な意味を持つと考える地域もあります。故人がいない最初の正月を迎えることは、遺族にとって感慨深いものです。

お年玉を渡す場合も、通常以上に控えめな態度を心がけましょう。華やかな雰囲気は避け、静かに手渡すことが大切です。また、故人を偲ぶ言葉を添えることも、遺族への配慮となります。

初めての正月だからこそ、相手の気持ちに寄り添った対応が求められます。形式よりも心配りを優先しましょう。

遺族の気持ちを最優先に考える

亡くなって初めての正月では、遺族の気持ちを最優先に考えることが何よりも重要です。お年玉を渡すかどうかも、遺族の状況や気持ちを確認してから判断しましょう。

遺族によっては、通常通りの生活を送ることで気持ちを前向きにしようとしている人もいれば、まだ悲しみが深く静かに過ごしたいと考えている人もいます。その人の状況に合わせた対応が必要です。

可能であれば、事前に「お年玉をどうしたらよいか」と相談してみるのもよいでしょう。相手の意向を直接聞くことで、最も適切な対応ができます。

また、遺族の子どもに渡す場合は、親の意向を確認することが特に重要です。親が辞退したいと考えている場合は、その気持ちを尊重しましょう。

お年玉を控えるか相談して決める

初めての正月では、お年玉を渡すかどうかを親族で相談して決めるという方法もあります。複数の親族が関わる場合は、対応を統一することでトラブルを避けられます。

親族で話し合い、「今年はお年玉を控える」「時期をずらして渡す」「通常通り渡す」など、方針を決めておくとよいでしょう。統一した対応をすることで、遺族も混乱せずに済みます。

もし親族間で意見が分かれる場合は、遺族に最も近い立場の人の意見を優先するのが無難です。配偶者や子どもなど、故人と最も親しかった人の気持ちを尊重しましょう。

決まりがないからこそ、話し合いが大切になります。コミュニケーションを取りながら、最適な方法を見つけていきましょう。

喪中にやってはいけないこととお年玉の関係

喪中に避けるべき行動とお年玉の関係について、整理して説明します。

お祝い事への参加は控える

喪中の期間中は、結婚式や成人式などのお祝い事への参加を控えるのが一般的です。これらは明確な慶事であり、喪中の立場で参加することは不適切とされています。

結婚式に招待された場合は、喪中であることを伝えて欠席するのがマナーです。ただし、どうしても参加しなければならない場合は、主催者に相談して判断を仰ぐこともできます。

成人式や卒業式などの人生の節目の行事については、参加してもよいとする考え方もあります。これらは個人の成長を祝うものであり、純粋な慶事とは異なるという解釈です。

一方、お年玉はこうしたお祝い事とは性質が異なります。子どもへの日常的な気遣いであり、慶事への参加とは別に考えることができます。

年賀状は出さない

喪中の最も一般的なマナーは、年賀状を出さないことです。新年のお祝いを伝える年賀状は、喪中の時期には不適切とされています。

年賀状の代わりに、喪中はがきを11月から12月初旬に送ることで、年賀状を送らないことを事前に知らせます。喪中はがきには、誰がいつ亡くなったかを簡潔に記載します。

もし年賀状を受け取った場合は、松の内が明けてから寒中見舞いを送るのがマナーです。寒中見舞いには、年賀状を送れなかったことへのお詫びと、年賀状へのお礼を記載します。

年賀状を出さないことと、お年玉を渡すことは別の問題です。年賀状は控えても、お年玉は配慮しながら渡すことができます。

お年玉は祝い事ではないため問題ない

前述の通り、お年玉は本来の意味において「祝い事」ではありません。そのため、喪中であっても適切な配慮をすれば渡すことができるのです。

お年玉は江戸時代から続く習慣で、もともとは新年に家長が家族や使用人に餅を配ったことが起源とされています。つまり、新年を祝うというよりも、日頃の感謝や労いの意味が強いのです。

現代では子どもへの励ましや応援、生活支援という意味合いが中心です。こうした本質を理解すれば、喪中でもお年玉を渡すことに問題がないことが分かります。

ただし、渡し方や袋の選び方、言葉選びには配慮が必要です。形式を整えることで、喪中でも適切にお年玉を渡すことができます。

喪中のお年玉に関するよくある質問と注意点

喪中のお年玉について、よくある疑問に答えます。実践的な情報を確認しましょう。

喪中はお年玉をあげない方がいい?

喪中であっても、適切な配慮をすればお年玉をあげて問題ありません。完全にやめる必要はなく、渡し方を工夫することで対応できます。

特に毎年お年玉をもらっている子どもにとって、突然もらえなくなることは大きな disappointment になります。喪中を理由に完全にやめるよりも、方法を調整して継続する方が、子どもたちへの配慮になります。

白い封筒を使う、「お小遣い」という名目にする、時期を少しずらすなど、喪中への配慮を示しながら渡す方法はいくつもあります。状況に応じて最適な方法を選びましょう。

ただし、忌中の期間や、遺族が明確に辞退している場合は、その意向を尊重することが大切です。

喪中の正月に親戚が集まってもいい?

喪中であっても、親戚が集まること自体は問題ありません。ただし、通常の新年会のような華やかな集まりではなく、控えめな雰囲気で過ごすことが望ましいとされています。

故人を偲びながら、親戚で静かに過ごすという形であれば、むしろ喪中にふさわしい過ごし方と言えます。お互いの近況を報告し合ったり、故人の思い出を語り合ったりする機会にもなります。

集まる際は、お正月飾りは控え、おせち料理も派手なものは避けるなど、喪中への配慮を示しましょう。お酒を飲む場合も、騒がしくならないよう注意が必要です。

親戚が集まった際にお年玉を渡す場合も、一人ずつ静かに渡すなど、控えめな方法を選びましょう。

喪中のおせち料理はどうする?

喪中でもおせち料理を食べることは可能ですが、内容や見た目を控えめにすることが一般的です。紅白のかまぼこや伊達巻など、お祝いの色が強い料理は避ける傾向があります。

喪中のおせちでは、黒豆や煮しめなど、比較的地味な色合いの料理を中心にすることが多いです。また、重箱に詰めずに普通の器に盛り付けるという方法もあります。

最近では、おせち料理自体を作らず、普段通りの食事で過ごす家庭も増えています。喪中の過ごし方は家庭によって様々であり、絶対的なルールはありません。

おせち料理の有無と、お年玉を渡すかどうかは別の問題です。おせちを控えても、お年玉は渡すという選択もできます。

喪中に初詣に行ってもいい?

喪中の期間中は、神社への初詣は控えるのが一般的とされています。神道では死を穢れとして捉えるため、喪中の人が神社に参拝することは避けるべきとされているためです。

ただし、お寺への参拝は問題ないとされています。仏教では死を穢れとは考えないため、喪中でもお寺にお参りすることができます。初詣に行きたい場合は、神社ではなくお寺を選ぶとよいでしょう。

忌中が明けた後であれば、神社への参拝も可能という考え方もあります。四十九日を過ぎてから初詣に行くという方法もあります。

初詣を控えることと、お年玉を渡すことは別の習慣です。初詣には行かなくても、お年玉は配慮しながら渡すことができます。

【まとめ】お年玉は喪中でも渡せる?マナーと注意点の総まとめ

喪中の時期にお年玉を渡すことは、適切な配慮をすれば問題ありません。お年玉は本来「お祝い事」ではなく、子どもたちへの日常的な気遣いや応援の意味を持つため、喪中であっても渡すことができるのです。

ただし、渡し方にはいくつかの注意点があります。華やかなポチ袋ではなく白い無地の封筒を使い、表書きは「お年玉」ではなく「お小遣い」とするのが適切です。また、「あけましておめでとうございます」といった祝賀の言葉は避け、「今年もよろしくね」「元気に過ごしてね」といった言葉を添えましょう。

渡すタイミングは、松の内が明ける1月7日以降がおすすめです。忌中の期間、特に四十九日前は控えた方が無難ですが、四十九日を過ぎた喪中の期間であれば、配慮しながら渡すことができます。

自分が喪中の場合も相手が喪中の場合も、まずは相手の気持ちを確認することが大切です。無理に渡したり、無理に断ったりせず、お互いの状況を尊重しながら柔軟に対応しましょう。

喪中のお年玉で最も重要なのは、形式よりも相手への思いやりです。子どもたちへの励ましの気持ちを大切にしながら、喪中への配慮も忘れないバランスの取れた対応を心がけましょう。

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

「くらしをもっと楽しく!かしこく!」をコンセプトに、マニア発「今使えるトレンド情報」をお届け中!話題のショップからグルメ・家事・マネー・ファッション・エンタメまで、くらし全方位を網羅。

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