「2日目のカレーも煮込めば安心...」⇒それ違います!!【食中毒対策】管理栄養士が喝っ!正しい食べ方

  • 2025年08月11日公開

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こんにちは、管理栄養士でヨムーノライターの安達春香です。

夏になると無性に食べたくなるカレー。多めに作って2日目のカレーを楽しみにしている人は多いですよね。

ところが、一晩寝かせたカレーは食中毒のリスク大!カレーでの食中毒は毎年発生していて、厚生労働省の報告でも「食中毒の原因ワースト3」に入るほど患者数の多い食中毒菌なんです。

そこで今回は、カレーの食中毒対策についてご紹介します。

100℃で1時間でも菌は死なない!2日目のカレーに注意

この時期に大発生する食中毒。「カレーはぐつぐつ煮込めば菌が死ぬから大丈夫!」と思っている人は多いですよね。

しかし、カレーやシチューに繁殖する「ウェルシュ菌」は、刺激を受けると自らバリアを作りだし、熱に強くなってしまいます。

一度バリアが作られると100℃で1時間加熱しても死滅しないほどの強敵なので、増やさないことが大切。

カレーの温度が50℃ぐらいまで温度が下がると、ウェルシュ菌はバリアを脱ぎ捨てて、 盛んに分裂と増殖を繰り返します。

ウェルシュ菌は細菌界の”F1レーサー”と呼ばれるほど増殖速度が早く、あっという間にカレーが菌まみれに!

ウェルシュ菌の弱点は酸素なのですが、カレーを煮込むとお鍋の底から空気が押し出されて、酸素が少なくなってしまいます。酸素が少なくて温かいカレー鍋の中は、ウェルシュ菌にとって快適な空間なんです。

ウェルシュ菌の怖いところは、増殖しても見た目や味に変化がないこと。気づかずに食べてしまわないよう適切に保存して、食中毒を防ぎましょう。

保冷材+フライパンで急速冷却

ウェルシュ菌は43〜45℃で急激に増えてしまうので、どれだけ早くこの温度帯を通過できるかが重要!
常温で放置した場合冷めるのに2~3時間かかりますが、これから紹介する方法なら、15分ぐらいで冷蔵室に入れられる温度まで下がります。

用意するものはカレー鍋よりも一回り大きなフライパンと保冷材。保冷材がない場合は氷でもOKです。

まず、フライパンに保冷材を入れてお鍋をのせ、横から水を注いで鍋の周りにも保冷材を置きます。あとはウェルシュ菌が苦手な酸素に触れさせるために、しっかりかき混ぜながら冷ましましょう。

小分けがカギ!カレーの保存方法

カレーを保存するときは、保存容器や保存袋で小分けにするのがおすすめ。
鍋のまま冷蔵室に入れると、中心部が10℃以下になるまでに時間がかかり、菌が増えてしまう可能性があります。

冷蔵室に入れてから2日以内に食べきりましょう。

どうしても長く保存したいなら、冷凍がベスト。

じゃがいもとにんじんは凍らせると食感が悪くなるので、取り除くか袋の上からつぶしてから保存してくださいね。

冷凍の場合の保存期間は1週間程度です。

再加熱はぐるぐるかき混ぜながら

カレーを温め直すときは、バリアを作り出す前のウェルシュ菌を「やっつけること」が大切。

カレーやシチューのようにとろっとした食べ物は熱が回りにくいので、ボコボコと沸騰するまでじっくりと火を入れましょう。

また、鍋底からしっかりとかき混ぜることも忘れずに。混ぜるとウェルシュ菌が苦手な酸素が入り、増殖を防げます。温めたらアツアツのうちに食べてくださいね。

夏は急冷と小分け保存で菌をブロック!

2日目のカレーを安全に食べるためには、菌が繁殖しないように急いで冷やして、小分けにして保存するのがポイント。今回ご紹介した方法を取り入れて、食中毒を予防しましょう。

〈参考文献〉 厚生労働省「ウェルシュ菌」

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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