「2日目のカレーも煮込めば安心...」⇒それ違います!!【食中毒対策】管理栄養士が喝っ!正しい食べ方

  • 2023年08月13日公開

こんにちは、管理栄養士でくふうLive!ライターの安達春香です。

夏になると無性に食べたくなるカレー。多めに作って2日目のカレーを楽しみにしている人は多いですよね。

ところが、一晩寝かせたカレーは食中毒のリスク大!カレーでの食中毒は毎年発生していて、厚生労働省の報告でも「食中毒の原因ワースト3」に入るほど患者数の多い食中毒菌なんです。

そこで今回は、カレーの食中毒対策についてご紹介します。

100℃で1時間でも菌は死なない!2日目のカレーに注意

この時期に大発生する食中毒。「カレーはぐつぐつ煮込めば菌が死ぬから大丈夫!」と思っている人は多いですよね。

しかし、カレーやシチューに繁殖する「ウェルシュ菌」は、刺激を受けると自らバリアを作りだし、熱に強くなってしまいます。

一度バリアが作られると100℃で1時間加熱しても死滅しないほどの強敵なので、増やさないことが大切。

カレーの温度が50℃ぐらいまで温度が下がると、ウェルシュ菌はバリアを脱ぎ捨てて、 盛んに分裂と増殖を繰り返します。

ウェルシュ菌は細菌界の”F1レーサー”と呼ばれるほど増殖速度が早く、あっという間にカレーが菌まみれに!

ウェルシュ菌の弱点は酸素なのですが、カレーを煮込むとお鍋の底から空気が押し出されて、酸素が少なくなってしまいます。酸素が少なくて温かいカレー鍋の中は、ウェルシュ菌にとって快適な空間なんです。

ウェルシュ菌の怖いところは、増殖しても見た目や味に変化がないこと。気づかずに食べてしまわないよう適切に保存して、食中毒を防ぎましょう。

保冷材+フライパンで急速冷却

ウェルシュ菌は43〜45℃で急激に増えてしまうので、どれだけ早くこの温度帯を通過できるかが重要!
常温で放置した場合冷めるのに2~3時間かかりますが、これから紹介する方法なら、15分ぐらいで冷蔵室に入れられる温度まで下がります。

用意するものはカレー鍋よりも一回り大きなフライパンと保冷材。保冷材がない場合は氷でもOKです。

まず、フライパンに保冷材を入れてお鍋をのせ、横から水を注いで鍋の周りにも保冷材を置きます。あとはウェルシュ菌が苦手な酸素に触れさせるために、しっかりかき混ぜながら冷ましましょう。

小分けがカギ!カレーの保存方法

カレーを保存するときは、保存容器や保存袋で小分けにするのがおすすめ。
鍋のまま冷蔵室に入れると、中心部が10℃以下になるまでに時間がかかり、菌が増えてしまう可能性があります。

冷蔵室に入れてから2日以内に食べきりましょう。

どうしても長く保存したいなら、冷凍がベスト。

じゃがいもとにんじんは凍らせると食感が悪くなるので、取り除くか袋の上からつぶしてから保存してくださいね。

冷凍の場合の保存期間は1週間程度です。

再加熱はぐるぐるかき混ぜながら

カレーを温め直すときは、バリアを作り出す前のウェルシュ菌を「やっつけること」が大切。

カレーやシチューのようにとろっとした食べ物は熱が回りにくいので、ボコボコと沸騰するまでじっくりと火を入れましょう。

また、鍋底からしっかりとかき混ぜることも忘れずに。混ぜるとウェルシュ菌が苦手な酸素が入り、増殖を防げます。温めたらアツアツのうちに食べてくださいね。

夏は急冷と小分け保存で菌をブロック!

2日目のカレーを安全に食べるためには、菌が繁殖しないように急いで冷やして、小分けにして保存するのがポイント。今回ご紹介した方法を取り入れて、食中毒を予防しましょう。

〈参考文献〉

この記事を書いた人
おいしいと健康を両立させたい管理栄養士ライター
安達春香

趣味は旅行と食べること。好きなものを一生健康に食べていたくて管理栄養士免許を取得しました。「おいしいものはガマンしない」をモットーに、栄養の知識やお悩み解決食材などをわかりやすくお伝えします!

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