【調査】57.5%が、乳幼児期の「スマホ育児」に反対!いつから子どもにスマホを持たせる?

  • 2023年06月27日更新

スマートフォンが普及し、子育て中に活用する人も増えてきました。それに伴って巷では、「スマートフォンやタブレット、テレビなどの液晶に子守りをさせてはいけない」という声が挙がり、「スマホ育児」という言葉も生まれました。実際、親たちは子育てにおけるスマートフォンの活用をどう考えているのでしょうか。

57.5%が、乳幼児期の「スマホ育児」に反対!

「スマホ育児」に賛成?はじめに「乳幼児期の『スマホ育児(子どもに端末を見せたり遊ばせておく、しつけや知育用のアプリを利用すること)』に賛成ですか?」という質問をしました。結果、「賛成」という人が14.6%、「どちらかというと賛成」が27.9%、「どちらかというと反対」が35.3%、「反対」が22.2%でした。合わせると、「賛成派」は42.5%、「反対派」は57.5%と、過半数が「スマホ育児」に反対だということが分かりました。「賛成派」を年代別に見ると、20代が59.9%、30代が50.9%、40代が35.9%、50代が24.9%と、年代が下がるにつれ「賛成派」は多くなり、50代は20代の半分以下に留まる結果となりました。40代以上は、育児をしていたころにはまだスマートフォンが普及していなかった人も多いため、「スマホ育児」への見方が厳しいのかもしれません。

「賛成派」の人にその理由を聞きました。最も多く挙がったのが「学習になると思うから」で、具体的には「教育に相応しい動画やアプリも多く、時間を決めて使用すれば良いと思う」(24歳/女性)や「手と頭を使うから」(38歳/男性)、「遊びのなかで勉強になることも多いと思うから」(42歳/女性)などが挙がりました。次いで「どうしても手が放せない時があるから」という理由が多く、例えば「母親だけで家事・育児を全てこなすのは無理だから」(53歳/女性)や「少しでもスマホに頼れればその間に家事などを要領よくこなせるから」(24歳/女性)などが聞かれました。他には「これからの時代、それが当たり前になると思うから」(39歳/男性)や「外出先で迷惑をかけるよりは良いと思うから」(31歳/女性)などが挙げられました。

「反対派」の理由としては「目に悪いから」が最も多く、具体的には「視力が発達していないうちに見せるのは気が引けるから」(27歳/女性)や「ブルーライトなど、目や脳への悪影響が不安だから」(55歳/女性)などが挙がりました。次いで「コミュニケーション能力の低下やコミュニケーション不足への懸念」が多く、例えば「幼いうちこそ親とのコミュニケーションが大切だと考えるから」(46歳/女性)や「人間同士の双方向のやり取りが子どもの成長に欠かせないと思うから」(54歳/男性)などが聞かれました。他には「時に子どもの変化に気づくのが遅れてしまうのではないかと思うから」(46歳/男性)や「直接物に触ったり現物を見たりなど、仮想体験よりも実体験を重視すべきだから」(57歳/男性)などが挙げられました。

20代・30代の親の63.2%が、育児中、スマホやタブレットに助けられていた。

スマホやタブレットに助けられた次に20歳~39歳を対象に、「育児中、スマートフォンやタブレットに助けられたことはありますか?」と聞きました。結果、「よくある」という人が26.9%、「時々ある」が36.3%、「あまりない」が8.6%、「全くない」が28.2%だった。合わせると63.2%が育児中にスマートフォンやタブレットに助けられたことが「ある」ということが分かりました。

それでは具体的にどのような時に助けられたのでしょうか。最も多く挙がったのは「外出先で静かにして欲しい時」で、具体的には「電車など、他のお客さんに迷惑をかけたくない時」(30歳/男性)や「病院の長い待ち時間やランチ会など、子どもが飽きてしまう時」(28歳/女性)などが聞かれました。次いで「泣いている時」が多く、例えば「何をしても泣き止まない時に動画を見せるだけで嘘のように泣き止んだ」(26歳/女性)や「泣き止まない時や、言うことを聞かない時に見せるとおとなしくなる」(39歳/男性)などが挙がりました。他には「家事をしたい時」という声も多く、「夕飯の支度の時など、家事が忙しい間に静かにしてくれると助かる」(36歳/女性)や「30分限定だが、その間に家事を進められる」(38歳/男性)などが具体的に挙げられました。また、「自分の体調が悪い時」(29歳/女性)や「上の子の用事に合わせ、下の子も振り回してしまう時」(34歳/女性)なども聞かれました。

3人に1人が、小学生の問にスマートフォン・携帯電話を持たせ始める!

最後に、全員を対象に「いつから『子ども本人用』のスマートフォンや携帯電話を持たせますか?もしくは持たせましたか?」と聞きました。結果、「乳幼児期」と回答した人が5.0%、「小学校低学年」が14.0%、「小学校高学年」が18.3%、「中学生」が26.8%、「高校生以上」が15.4%、「親のお金では持たせない」が4.0%、「分からない」が16.5%でした。「小学校低学年」と「小学校高学年」を合わせると32.3%で、3人に1人が小学生の子どもにスマートフォンや携帯電話を持たせている、もしくは持たせようと思っていることが分かりました。また、20代で「乳幼児期」に持たせると回答した人は14.8%と、他の年代(30代:4.9%、40代:0.9%、50代:1.4%)に比べ突出していました。子どもが小学生以下のうちに持たせるという人は20代が45.0%、30代が41.6%、40代が35.7%、50代が27.4%でした。20代では自分自身が幼少期から「本人用の携帯電話」などを持っていた人も多いのでしょう。そのため、幼いころから子どもにスマートフォンや携帯電話を持たせることに抵抗が少ないのかもしれません。

まず「小学校低学年」から持たせると回答した人にその理由を聞きました。「防犯のため」が突出しており、「このご時世、子どもが巻き込まれる事件などが多いので、キッズケータイを渡す予定」(22歳/女性)や「防犯ブザーと位置検知と着信発信の制限が掛かっているものを持たせた」(48歳/男性)などが具体的に挙がりました。次いで「共働きだから」という声が多く、例えば「共働きで子ども1人で留守番することも多く、緊急時のことを考えて持たせていた」(43歳/女性)や「共働きで家には固定電話がないから」(38歳/男性)などが聞かれました。他には「電車通学していたから」(55歳/男性)や「出先で迷子になると困るから」(47歳/男性)などが挙げられました。

「小学校高学年」では、「塾や習い事に通わせ始めたから」という理由が最も多く、具体的には「塾の送り迎えで必要だから」(51歳/男性)や「習い事に1人で通わせるようになり、安全確認のため」(39歳/女性)などが挙がりました。次いで「行動範囲が広がるから」が多く、例えば「子ども同士や1人で遠出するようになると、公衆電話が無い場所では家に連絡ができなくなるから」(53歳/女性)や「1人で交通機関を使って行動できるようになったから」(49歳/女性)などが聞かれました。他には「学童保育が利用できなくなるから」(33歳/女性)や「GPSも兼ねて」(37歳/男性)などが挙げられました。

また、「中学生」では「周りが持ち始めるから」という声が最も多く、具体的には「周りがほとんど持っていて、『自分だけLINEで連絡がとれない』と言われたから」(39歳/女性)や「持っていないことで仲間外れになったら困るから」(49歳/女性)などが挙がりました。次いで、「物事の分別がつく年だと思うから」という理由が多く、例えば「自分で考えて判断し行動できると思うから」(26歳/女性)や「情報リテラシーがある程度身についていると思うから」(38歳/男性)などが聞かれました。他には「友だちと電車で遊びに行くようになったから」(51歳/女性)や「部活などで帰りが遅くなると思うから」(32歳/男性)などが挙げられました。

スマートフォンや携帯電話は、使用用途を間違えなければ子育てにおける利点も多い。今回の調査では、20代・30代の「乳幼児期の『スマホ育児』賛成派」は過半数を超えました。また、2015年のスマートフォン・携帯電話の所有・利用率(※)は小学生が50.2%、中学生が60.9%、高校生では96.7%と非常に高く、スマートフォン・携帯電話利用の若年化はこれからも進んでいくでしょう。

※内閣府「平成28年版 子供・若者白書」

※調査概要
有効回答 子どもがいる首都圏在住で20歳~59歳男女1,390名(学生は除く)
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2016年12月7日(水)~12月11日(日)

この記事を書いた人
編集部 池田

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