地震で家が全壊しても、地震保険に入っていれば安心?
- 2023年06月27日更新
日本は世界の中でも有数の地震大国です。ひとたび大地震が発生すれば、自分達の住んでいる住宅が最悪の場合には全壊するなど、大変な被害をこうむる可能性がでてきます。その対策のひとつとして地震保険への加入があります。地震保険は揺れによる倒壊や火災によって失われたマイホームや家財の損害を保証してくれる保険ですが、内容をどこまで正しく理解しているでしょうか?
いざという時の為に地震保険の仕組みや補償内容を詳しく知って賢明な選択をしましょう。
もし地震が来て家が全壊しても、地震保険に加入していれば全額補償される?
地震保険は火災保険と一緒に入る必要があり、単独では加入できません。地震保険は原則、火災保険の保険金額の30~50%の範囲で設定することになっており、「建物」は5000万円、「家財」は1000万円を超えることはできません。
ただし、実際にもらえる保険料の金額は、契約した損害保険会社で建物や家屋の損害の状況を確認し、損害を3区分に分類して、以下の程度に応じた保険料が支払われます。
<損害の程度の3区分>・全壊=保証額の100%
・半壊=50%
・一部損=5%
保険料を損害額ではなく損害の程度に分類しているのは、短期間に大量の損害調査を行い、公正に保険料を支払う必要があるためです。
ただし、地震保険の保険料は全国一律ではありません。建物の構造と所在地によって保険料は異なり、マンションなどの耐火物件と木造家屋などの非耐火物件の保険料が都道府県ごとに決められています。
現在の地震保険の加入率は?地域差は?
日本は地震大国といわれているにも関わらず、加入者はそう多くありません。1995年の阪神淡路大震災以降は地震保険の必要性の意識が高まった一方で、損害保険料率算出機構によると2012年の全国保険加入平均率は27.1%にとどまっているのが現状です。
都道府県別にみると加入率が最も高いのは宮城県の48.5%と、東日本大震災後の東北においては加入率が上昇しています。一方、一番低い県が長崎県の12.9%でした。また、大規模な地震が今後警戒される地域(東海地方)では比較的加入傾向が高くなっています。
地震保険は火災保険に比べて保険料が高めであること、また補償額が火災保険の最大50%までなので、全壊した場合を除き損害をカバーしきれないことなどが、加入率が少ない原因のようです。その一方で、近年の度重なる大地震の影響などで着実に地震保険の加入率は上昇してきています。
もし地震保険に入っていないと、どれだけ大変なことになるの?
保険料が高めでも地震保険に加入するメリットは十分あります。住宅ローン返済中の家屋が地震や噴火の被害により住めなくなった場合を考えると、家の返済に加え、新たな住まいの家賃を払う二重の負担が発生するかもしれません。地震保険の保証があれば、当面のローンの支払いや生活を立て直すための資金に充てることができます。
災害時に生活を立て直すための貴重な助けとなるので、住宅の新築、または購入を考えているなら、地震保険への加入をお薦めします。
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