「ワンオペで多忙なテレビ出演…乗り越えられたのは“段取り力”」人気料理家・稲垣飛鳥さん「人生を豊かにする時間の使い方」【後編】

  • 2025年09月14日公開

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こんにちは、ヨムーノ編集部です。

ヨムーノでは、関わってくださる方々の人生に注目し、その半生を紐解くことで人生をより豊かにするヒントを見つけてご紹介します。

今回ご紹介するのは、再現レシピ研究家・料理家として活躍し、シャトレーゼマニアやドン・キホーテマニアとしても知られる稲垣飛鳥さん。ブログやYouTubeを通じても幅広く情報を発信しています。

「稲垣飛鳥の作り方」として前編・後編の2回にわたってお届けします。

後半では、主婦業や子育てをこなしつつ仕事を効率よく進めるための工夫や好きなことの見つけ方、これからやりたいことなどについて詳しくお伺いしました。

稲垣飛鳥さんインタビュー<前編>はこちら

稲垣飛鳥(いながきあすか)さんプロフィール

1976年京都生まれ、香川育ち。
ホリプロ所属の再現料理研究家・料理家。シャトレーゼ・ドン・キホーテなどショップマニアとしてもメディアで活動中。自身のYouTube『再現レシピ稲垣飛鳥のasucafe channel』で紹介した再現レシピは再生回数150万回超え。ヨムーノライターとしても人気記事を量産。
高3の息子と中3の娘をもつ2児の母。

限られた時間を有効に使う秘訣は“段取り”

――現在はお子さんが高校生と中学生になられていますが、料理の仕事を始めた頃はまだ幼かったですよね。子育てをしながら、テレビ、読者モデル、ブログと、複数のことをする時間を確保するのは大変ではなかったですか? 

稲垣さん:夫の仕事がとても忙しく、土日も仕事なのが当たり前でした。だから、出産直後から子どもとずっと二人きり。完全にワンオペだったのですが、子育てにあまり手がかからなかったんです。

それもこれも、高校時代にフルートを教えてくれた先生からのアドバイスのおかげ。子どもが生後2ヵ月の頃から毎日夜8時に寝かせる習慣をつけたところ、1歳になって歩けるようになる頃には、息子は自分で布団まで歩いて寝に行ってました(笑)。私、トントンしながら寝かしつけたことが1度もないんですよ。

子どもが寝たら自分の時間があったので、読者モデルの活動もできたり、なんならお菓子作りも余裕でできた。テレビの仕事が加わったときも、子どもを8時に寝かせる習慣はずっと続けていて、どんなことがあっても子どもとの生活バランスだけは崩さないように気をつけていましたね。

稲垣さん:ただ、テレビで県外ロケが入ったり、書籍出版のお話をいただくようになったりして、かなり忙しくなってしまって。そこで、どうしたら今まで通りの生活を続けられるかと考えた結果、時間の使い方を工夫するようにしました。

時間が命!早寝早起きと“家事貯金”でやりたいことを全部やる

――どのような工夫をされ、時間を作っていたのですか?

稲垣さん:まずは段取りですね。好きな言葉はって聞かれたら、「段取り」ってくらい好きなんですよ(笑)。フリーランスなので、自分次第でいくらでも時間を作れるし、逆もまた然り。だから「時間が命」だと思っています。

時間を生み出すための基本は、早寝早起きで「家事貯金」をすること。
朝早く起きて、その日の家事をある程度済ませておけば、日中の時間を仕事や自分のために使えるようになります。

――では具体的に、家族のスケジュール管理や家事はどうされていましたか?

稲垣さん:まずは子どもと仕事の予定を1週間単位で把握し、どのように動くかを決めます。その際に、やるべきことはカレンダーの余白に全部書き出して、終わったら消していく。こうやってタスクを“見える化”するだけで、頭の中がすっきりして効率がぐっと上がるんです。

また、料理をすることが仕事なので、作ったものを活用して食事のメニューを決めたりも。料理ってこだわると時間がかかるので、完璧を求めずある程度のところで妥協することも大事かもしれません。

「自分のやることが全てネタになる」と思って生きているので、無駄な時間ってほとんどないんです。子どもとの時間も、家事も、全部が仕事につながっている感覚です。

稲垣さん:あとは、ママ友との協力体制づくりも大切にしていました。普段から友だちの子どもを家に招いたり預かったりして、いつでもうちの子を預かってもらえる環境を作っていました。
ひと夏に4回もお泊まり会をすることもあってバタバタすることもあったけど、たくさんの子が遊びに来てくれるのは最高の時間でした!

積極的に友だちを作るのは“人への興味”から

――ママ友トラブルを危惧して、ママ友を作らない人も多いと聞きます。稲垣さんはママ友との関係で悩んだことはないですか?

全くないです。子どものクラス替えがあるたびに、次はどんなママ友に出会えるのだろうって楽しみでした。小学校の役員も張り切ってやってたくらい、すごく楽しかったです。

稲垣さん:もちろんモヤモヤすることもあったり、自分とは合わないと思う人はいます。そんな人とは少しずつ距離を置いていけばいいだけですから。

――大人になると友だちを作ることをむずかしいと感じる人が多いと思いますが、稲垣さんはママ友はどのように作っていますか?

稲垣さん:ママ友に限らず、友だちになりたいと思ったら、すぐに声をかけます。「どこ出身なの?何歳?嫌だったら答えなくてもいいよ〜」みたいな感じで(笑)。私がいろいろ聞くから、もしかして嫌な思いをしている人がいるかもしれないけれど、私自身はあまりそういうことが気にならなくて……。

稲垣さん:いろいろ聞いて共通項を見つけたいんですよ。出身地が近かったり、年代が一緒だったりすれば同じ話題ができるし。共通項が見つからなかったら、「お子さん何歳ですか?」って子どものことを聞いたりして。
それで絶対に連絡先の交換をして、すぐに「いつランチしますか?」とお誘いします。

その人がどんな人生を歩んできたかという話を聞くのが好き。人への興味が強いのかもしれませんね。私、大人になってからのほうが友だちが増えていますよ。

少しでも興味を持ったことはとりあえずやってみる

――興味といえば、シャトレーゼ、ドン・キホーテ、ロピア、久世福など、いろいろなお店のマニアでもありますね。どのように自分が好きだと思うものを見つけるのですか?

稲垣さん:「おうち外食」の企画も編集長からお声がけいただいたように、きっかけは人から「やってみない?」って言われることが多いです。やってみて、「意外と好きかも」って思うこともあるし、興味を持てないことも。

好きだと思っていても、長く続けていると正直飽きちゃうこともあります。でも何かに飽きているときって、ちょうどいい具合に新しい分野に興味を持ち始めることが多いんですよ。新しいことに手を出してある程度攻略した頃に、元の興味に戻るみたいな感じです。だから、私ってマニアが散らかっているんですよ(笑)。

稲垣さん:普段何気なく通っているスーパーでも、少し目線を変えるだけですごく面白いんです。例えば、ここのスーパーは縦陳列で棚の深さがないからすっきり見やすいとか、通路が広くて通りやすいとか、客観的な目線で見ていいと思ったことをテレビのディレクターさんにお伝えしたり、SNSで発信したりしています。

まず動くことが“好き”を見つける近道

――稲垣さんと同じように自分の“好き”を見つけて発信したい人はどうしたらいいのでしょうか?

自分の“好き”が見つからないのなら、まずは興味を持ったことに手を出してみたり、人からすすめられたことがあれば試してみること。その中からきっと攻略したくなるほど興味を持てることがあるはずです。

稲垣さん:昔、『サンキュ!』の編集長に「今ある生活を最大限楽しめる天才」と言っていただいたことがあるんですが、それが最高に嬉しくて。ネタや面白いこと、喜びって、実は自分の周りにたくさんあるんですよね。

今の時代は恵まれすぎて、かえってそれに気づきにくくなっているのかもしれません。私は子どもの頃、家が貧乏だった経験から、工夫することで毎日をキラキラさせることを学びました。その視点があれば、きっと夢中になれることに出会えるはずです。

誰かの力になれる発信をしたい!

――最後に将来の夢や目標を教えてください。

いろいろと模索する中で、私の使命は「発信」だということに気づきました。私の発信が誰かのヒントになったり、生きる力になれたりしたら──こんなに嬉しいことはないと、最近つくづく思うんです。

稲垣さん:そのために、まずは私自身がしっかりと自分と向き合っていこうと思っています。

目標に向かって前向きに突き進む力が未来を切り開く

音楽家、タレント、読者モデル、料理家と、その時々で夢や目標を設定し、それを実現して自分自身をアップデートし続けている稲垣さん。彼女が自己実現できているのは、問題に直面しても前向きであろうと努力し、常にひと一倍行動しているから。そんな彼女の姿に魅力を感じ、多くの人がサポートした結果なのかもしれません。


撮影/野口マサヒロ(WIND) 取材・文/水浦裕美

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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