もしかして"隠れ不眠"?薬剤師さんに聞いた「寝る前に絶対にやってはいけないこと」2選

  • 2024年11月03日公開

こんにちは、ヨムーノ編集部です。

「布団に入ってもなかなか寝付けない」「眠っている間に何度も目覚めたり、早く起きすぎたりしてしまう」このような症状だけが「不眠症」だと思っていませんか?

実は不眠症は、不眠そのものに加え「日中に疲れを感じるなどの不調が出現すること」も指しています。今回は、そんな「不眠から解放される体づくりの方法」を、薬剤師の杉岡弥幸さんに教えてもらいました。

私ってもしかして隠れ不眠?チェックリスト

日本人の睡眠時間の平均は7時間程度ですが、人によって最適な睡眠時間には個人差があります。不眠症とは、睡眠の質の問題で昼間の生活に支障がでることを示しており、隠れ不眠の人も少なくありません。

アテネ不眠尺度(AIS)を使えば、自分が不眠症かどうかを簡単にチェックすることができます。 この方法は、世界保健機関(WHO)による「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠症の判定方法です。

では、以下の項目をチェックし、体の状態や生活習慣が、不眠症チェックリストにいくつ当てはまるか数えてみましょう。以下のことが最近1か月の間に、少なくとも週3回以上あったかどうか思い出し、チェックしてください。

  1. 夜すぐに寝付けないと感じますか?
  2. 夜間、睡眠途中に目が覚めることはありますか?
  3. 希望する起床時刻よりも早く目が覚め、それ以上眠れないことはありますか?
  4. 睡眠時間が足りていないと感じますか?
  5. 睡眠の質が悪いと感じますか?
  6. 日中に憂鬱な気分になることはありますか?
  7. 日中に心と体の調子が悪いと感じることがありますか?
  8. 日中に眠気を感じますか?

いくつ当てはまりましたか?
1~4つ当てはまる方は、若干不眠の傾向があるようですね。4つ以上当てはまっていた方は、不眠体質といえるでしょう。 1つでも当てはまっていた方は、次に紹介する睡眠改善の方法を試してみてくださいね。

不眠体質の方が「寝る前にやってはいけないこと」2選

1.30分以上の昼寝

昼寝は午後の眠気の解消や活力・集中力アップが期待できますが、30分以上の昼寝は反対に深い睡眠に達してしまいます。そうすると、眠気が残り、夜の睡眠にも悪影響を及ぼします。

昼寝をするなら、午前11時から午後3時の間に15分程度の長さが最適です。 午後3時以降に昼寝をすると、夜の眠りを妨げてしまうので注意しましょう。

2.就寝2時間前にスマホやパソコンの使用

寝る前にスマホやパソコンを使用すると、スマホやパソコンから発せられるブルーライトを含む光によって、脳が明るい昼間と錯覚します。そうすると、体内時計に深く関わる睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌量が抑制され、脳の覚醒・眠りが浅いなどの睡眠障害を引き起こしやすくなるのです。

どうしても就寝2時間前に使用を控えるのが難しい人は、ブルーライトカットメガネを使用しましょう。

不眠体質の方が「寝る前にやるといいこと」2選

1.入浴で睡眠の質を上げる

寝る前の入浴で一時的に体温を上げることで、睡眠の質が高まります。
寝る2~3時間前に少しぬるめ(40℃程度)の湯船に20分~30分ゆったりつかりましょう。半身浴もおすすめです。 自分の体調や好みに合った入浴で不眠の軽減が期待できます。

寝る直前の入浴や42℃以上の熱い湯船につかると、交感神経が高ぶってしまい、睡眠の質が下がるため注意しましょう。

2.目覚めの朝に太陽光を浴びる

太陽光を浴びると、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が規則正しくなり、体内時計が調節されます。起床直後の太陽光が最も効果的なので、起きたらまずカーテンを開けて気持ちのよい朝を迎えましょう。

さらに、昼間に太陽光を浴びることで、昼と夜のメリハリを付けて、メラトニンの分泌量が増える効果が知られています。 まずは10分、太陽光を浴びるために朝や昼間に散歩するのもいいですね。規則正しい生活を心がけて、快適な毎日を送りましょう。

漢方薬を飲んで体質から不眠解消を目指す

「健康のために時間や労力をかけられない」「生活習慣を変えるのはムリ!」という方におすすめなのが、漢方薬です。 漢方薬は、もともと備わっている「免疫力」や「自然治癒力」といった”健康力”を引き出すために、薬の働きで体全体を整えてくれるものです。

もし、不眠により体調不良に悩まされているのなら、それは体質によることが多いのですが、漢方薬はこの体質を「不眠になりにくい体質」に変えるために心身全体に作用します。
もちろん、バランスの取れた食事や、体質に合った運動をこなせば、それに越したことはありませんが、たとえ理想どおりに行かなくても、自分に合った漢方薬を毎日続けることで、望ましい健康状態を手に入れることはできるでしょう。

不眠を解消したい方におすすめの漢方

  • 疲れやストレスを感じやすく胃腸が弱い方:加味帰脾湯(かみきひとう)

血を補い気を巡らせて、精神を安定させる漢方薬です。

  • イライラしがちで、寝つきが悪い方:柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

気を巡らせ、体にこもった熱を冷まし、自律神経の乱れを安定させる漢方薬です。ストレスからくる不眠に用いられます。

ただ、注意しなければならないのは、選んだ漢方薬が自分の今の状態や体質に合っているかどうかということです。もし合っていなければ、目指している健康状態を手に入れられないばかりか、副作用がおきることもあります。
自分に合う漢方薬を手軽に見つけるための専門サービスとして、A Iを利用した「あんしん漢方」が話題になっています。そういったサービスを活用するなどして、漢方に精通した専門家に相談することをおすすめします。

不眠から解放されて、キラキラした生活を手に入れよう

日本人の5人に1人は感じているといわれる「不眠」。
長引く不眠症状を放っておくと、うつ病や糖尿病、高血圧など病気のリスクが上がります。 そうならないためにも、ぜひ、今回ご紹介したセルフケアや漢方を日頃の生活に取り入れて、快適な毎日を手に入れましょう。

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸
 
薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。⇒あんしん漢方(オンラインAI漢方)
この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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