ケチったら失敗!?意外と知らない「家づくりの基礎の"基礎"」作り方5STEPを徹底解説【連載】「セルフビルド冒険の書Vol.15」@千葉県長柄町

  • 2024年08月09日公開

こんにちは、木こりの源です。

木こりでも大工でもなかった”レベル1のど素人”が、木を伐って、加工して、家を建てる!と無謀にやり始めたものだから、そりゃ大変!
師匠に怒られ、最初はボッチで、やっとできた仲間にはなじられ、失敗を積み重ね…。 5年かけてやっと完成するまでの、貴重なノウハウをここに記していきます。

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連載16回目は、お待たせいたしました、お待たせしすぎたかもしれません!
新章「建て方」編の開始です。
新章の最初は「基礎工事」から!

家を建てるには、まず「基礎工事」からスタート

家の「基礎」とは、建物の重さを支え、地面とつなぐ部分のことを指します。 この支え部分をつくる工事を「基礎工事」といいます。

「基礎」にはいくつかの種類があり、その建物の大きさや、建てる地盤の硬さなどによって、工法も変わってきます。

というわけで、「基礎」の基礎を学んでいきましょう!

建物の「基礎」には3種類がある!

一般の住宅で使われる「基礎」には、大きく分けて3種類あります。
・独立基礎
・布基礎
・ベタ基礎

「独立基礎」は、石や小さいコンクリートで作る、一つ一つの柱を支える基礎です。

古民家は、石の上に柱が立っていたりしている、独立基礎の代表例です。
現在では、小屋などの小さい建物は、独立基礎でつくることが多いです。

「布基礎」は、逆T字状の断面を持つ鉄筋入りのコンクリートを、柱や壁などの下に流し込んで作る基礎です。

「ベタ基礎」は、家の下の地盤全体にまんべんなく、鉄筋入りのコンクリートを流し込んでつくる基礎です。

じゅもんに例えるなら、独立基礎は”単体防御呪文”、布基礎は”グループ防御呪文”、ベタ基礎は”全体防御呪文”にあたります。

布基礎、ベタ基礎、共に一般住宅に使われますが、ボス戦ではMPをいくら消費してでも全ての防御呪文をかけておきたいもの。 同様に、家を建てるのに選ぶとしたら、コストは掛かりますが、耐震性・湿気対策・シロアリ対策を考えても、絶対的に「ベタ基礎」をオススメします。

家の根本となる基礎、ここはケチらないことです!

コンクリートを流し込む作業は、本当にツラく大変です。 例えるならⅡの最後のダンジョン…落とし穴に無限ループ、正に鬼畜の作業…。

1坪、2坪の小屋を作るための基礎工事なら自分たちでやりますが、今回、この「ビルドクエスト」で作る家は20坪以上です。 プロにお任せしましょう!

さて、前置きはこれくらいとして、実際のつくり方を見ていきましょう。

家の「基礎」つくり方は、5ステップ!

「基礎」の作り方5ステップはコチラ!

1.抜根(ばっこん)・整地
2.家の位置決め・掘削(くっさく)工事
3.レベル出し・捨てコンクリート
4.配筋(はいきん)
5.型枠(かたわく)組み、コンクリート流し込み

何やら難しいワードが並んでるように見えますかね!? さっそく、1つずつわかりやすく解説していきます。

STEP1:抜根(ばっこん)・整地

我々が家を建てる場所には、木を伐採したあとの土地もあります。
そんな場合は、伐木後に大きな根っこがたくさん残っていて、これを抜かなければなりません。

この”抜根”作業はm人力ではとても無理! 10人いても、何日かかるかわかりません。

そんな時は、怪力モンスター「ユンボ」召喚です!
このモンスターは、人の何百倍もの力で土を掘ってくれたり、木を運んでくれたりします。

伐木や、丸太の集材作業でよく使う大きさは、3トン級のユンボが多いのですが、抜根作業は深く広範囲に掘らなければならないので、大きめのユンボで立ち向かいたいところです。

モンスター並みのパワーでガンガン抜根

ユンボの大きさは、「コンマ〇」という単位で表すことが多いです。
コンマは、「0.◯」の略で、例えばコンマ1は「0.1㎥」を表します。
これはユンボのシャベル部分の容量を指しており、つまりシャベルの容量がユンボの大きさを表す単位になっているんですね!

■ユンボの大きさ単位
・コンマ1 :3トンクラス
・コンマ2:5トンクラス
・コンマ2.5:7トンクラス

これ以上の大きさのユンボもありますが、「コンマ2」か「コンマ2.5」あたりのユンボをレンタルして、抜根と整地作業をしていきましょう。

STEP2:家の位置決め・掘削(くっさく)工事

ある程度、土地が整地されたら、家の位置を決めていきます。
「地縄張り」という、実際の敷地に縄やビニール紐などを張って建物の位置を確認する作業を行います。 着工後、最初の工程で、とても重要な作業です。

掘削工事は「根切り」とも呼ばれます。
基礎をつくるために、地盤を掘り起こします。
ここでもユンボ召喚です!

ここでのユンボは小さくても大丈夫!

STEP3:レベル出し・捨てコンクリート

掘削工事(根切り)後に、「基礎」の高さの基準となるレベルを決めるために、「丁張り(ちょうはり)」をします。

「丁張り」とは、建築や土木・建設工事の前段階として、杭や木の板、水糸を用いて“施工の基準となる木の枠“を造る作業のことです。

この木の枠は、建築物の配置、水平方向の高さを決める基準となります。

この木の枠が「丁張り」

「砕石(さいせき)」と呼ばれる石を敷き詰め、転圧機で転圧をかけて地盤を締め固めます。
地盤をしっかりと締め固めることで、基礎が沈んでしまうことを防止します。

その後、建物の基準を書いたり、作業がしやすくなるように、下地のコンクリートを流すことを「捨てコンクリート」と呼びます。

STEP4:配筋(はいきん)

コンクリートは、圧縮には強いが、引張(外側に向かって引っ張られる力)に弱いという性質があります。
その弱点を補うために鉄筋を入れます。

配筋は、鉄筋コンクリートに必要な鉄筋(鉄の棒)を、建築基準に沿うように図面通りに組んでいく作業です。

STEP5:型枠(かたわく)組み・コンクリート流し込み

型枠とは、コンクリートを流しこむ為の枠のことで、木製や鉄製などの枠が使われます。

型枠を設計図通りに組み立てた後、アンカーボルトと呼ばれる、建物の構造材と「基礎」をつなぐ金属製の部材を設置します。

その後、型枠の中にコンクリートを流し込む「コンクリート打設」を行い、一定の日数を置き、型枠を外したら基礎の完成となります。

今回は、ここまでで
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次回は「土台の据え付け」です!
To Be Continued

この記事を書いた人
NPO法人ふるさとネッツ理事/セルフビルドプロデューサー/木こり/移住定住コーディネータ―/長柄町TVディレクター
木こりの源

2017年より、NPO法人ふるさとネッツの理事となり、荒廃林を自ら整備して排出された杉材を使いログハウスをセルフビルド。 このノウハウを活かして、現在は東京と千葉を往復する2拠点生活を実践しながら、「セルフビルドサポーター」の資格制度を作り、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。

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