これ間違ったら家づくり失敗!?一番重要な作業「墨付け」メイン10種の写真実例付き【連載】「セルフビルド冒険の書Vol.8」@千葉県長柄町

  • 2023年05月07日公開

こんにちは、木こりの源です。

木こりでも大工でもなかった”レベル1のど素人”が、木を伐って、加工して、家を建てる!と無謀にやり始めたものだから、そりゃ大変!
師匠に怒られ、最初はボッチで、やっとできた仲間にはなじられ、失敗を積み重ね…。
5年かけてやっと完成するまでの、貴重なノウハウをここに記していきます。

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連載8回目は、伐って製材した仲間をレベルアップさせるための道筋をつける、「墨付け(すみつけ)」を学んでいきましょう。

間違ったらヤバい!一番重要な作業「墨付け」とは

今回解説する「墨付け」とは、柱や梁などを加工するために、出来上がりの形状の線や目印、木材を接続する継手(つぎて)の位置を書くことです。 「刻み」とは、この墨付けの線通りに加工していくことです。

最近は、プレカットという機械加工が主流ですが、丸太はサイズがまちまちで機械では加工できないので、手作業で加工していきます。

個性しかない仲間である、丸太との一期一会を楽しんでいきましょう!

墨付けが必要な場所はこちら!

この、墨付け作業は、丸太の加工で一番重要な作業です。
墨を間違って付けたら、家が組み上がりません。

墨付けが必要な、家の構造材の種類は下記です。

・土台、大引(おおびき)
・柱
・梁
・桁(けた)、母屋(もや)
・小屋束(こやづか)、棟束(むなづか)
・棟木(むなぎ)

柱や小屋束など、簡単な部分の墨は自分達で付けていますが、大部分は大工さんに墨付けしてもらっています。

こちらも設計と同じく、ログテック二級建築士事務所にお願いしております。
各構造材の墨をつける前に、共通した丸太の墨付けの3ステップを、ご紹介します。  

①使う場所(上記構造材)にあった丸太を選ぶ

②丸太の芯墨(しんずみ)をつける

③各構造材を図面の長さに切る

では、それぞれ詳しく説明していきます!

墨付けステップ①使う場所にあった丸太を選ぶ

仲間にした(伐って製材した)丸太をどこで使うか、つまりどの職業に就かせるかを、丸太の個性を見極めながら決めていきます!
職業選択は自由なのです!
製材時にある程度、どこに使うか目星をつけているので、その中から、例えば、タイコ引きしている3mの丸太は壁に囲まれた柱へ、三面引きの4mの丸太は桁へ、といった具合に選んでいきます。

※タイコ引き・三面引きって何?製材の仕方を知りたい方はこちらの記事

墨付けステップ②丸太の芯墨をつける

選んだ丸太の(丸太材の中心線)を決めます。
立派な仲間に育てるには、やはり芯が通ってないとダメなんですね!

一面引きの丸太は、製材した面に感覚で芯を決めます。
そんな適当で良いの?と僕も思ったのですが、芯を設定するとはそういうことなのです。

タイコ引きでは、壁の厚さを考慮して、壁の面が絡んだりする所を微妙に左右に調整しながら芯を設定します。

我々のログハウスは、メインの柱と梁を、180mmの角材を使っていると想定して設計しているので、扇引きと三面引きの材は、製材面から90mmを芯とします。

墨付けステップ③各構造材を図面の長さに切る

芯が決まったら、そこから垂直に材の端を切ります。

150mm程度切り込める一番大きい丸のこを使って切ります。
言わばドラゴン殺しの大剣でぶった切るのです!

さることながら我々の仲間の丸太は180mm以上、こんな大剣でも両断という訳にはいかず切り残しが30mm程度出ます。
そこは補助の剣である"手のこ"で、真っ直ぐに切り落とします。

切った面を基準に寸法を測り、図面にある寸法通りの長さに切ります。

ここまで終わったら、各所に加工のための墨を付けていくことになります。

メインの継手の「墨付け」写真実例10連発!

木材を接続する継手のうち、メインの継手の墨をご紹介します。以下、簡単な順に下記となります。

垂木の転び止め

柱ほぞのオス、メス

蟻つぎのオス、メス

腰掛け蟻つぎのオス、メス

ノッチ

腰掛け鎌つぎのオス、メス

さー、これから本格的に、各材料をレベルアップさせていきますよ!
次回は、「棟木(むなぎ)を作る」です。

▼建築設計していただいたのはこちら 

ログテック二級建築設計事務所 松本 透亮(まつもと ゆきふさ)
(千葉県知事登録第2-0408-6038号)
〒299-3255 千葉県大網白里市みどりが丘1-17-3
 Tel:0475-72-5952
 Fax:0475-72-5962

この記事を書いた人
NPO法人ふるさとネッツ理事/セルフビルドプロデューサー/木こり/移住定住コーディネータ―/長柄町TVディレクター
木こりの源

2017年より、NPO法人ふるさとネッツの理事となり、荒廃林を自ら整備して排出された杉材を使いログハウスをセルフビルド。 このノウハウを活かして、現在は東京と千葉を往復する2拠点生活を実践しながら、「セルフビルドサポーター」の資格制度を作り、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。

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