洗濯物は日光に当てちゃダメ?【間違いだらけの洗濯術】今プロが「タテ型洗濯機」を推す理由

  • 2024年05月07日公開

こんにちは、ヨムーノ編集部です。

実は「洗濯機に洗濯物を入れてスタートボタンを押す」だけでは、服はキレイにならないことをご存知でしょうか?それは、誰も正しい洗濯のしかたを教わる機会なんてなかったからです。

ここでは、横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う洗濯プロ集団の洗濯ブラザーズ著書『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(出版社:アスコム)の中から一部を抜粋・編集してご紹介します。

「その常識、間違ってる!?」洗濯プロ集団からの質問状!

【第1問】「洗濯物は、日光に当てて干すのがいちばんだ」○か×か?

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部屋干しのほうが服が傷まない!
洗濯日和よりという概念は、ボクらプロにはありません。

なぜなら、晴れでも雨でも、部屋干ししたほうが服が傷まないからです。
洗濯物に紫外線を当ててしまうと色が抜けてしまいます。とくに濃い色の服は日光に弱く、色あせてしまう可能性が高くなります。
もし大切な服を外干しするときは、必ず裏返してください。日光が差し込む部屋の中で干すときも、裏返したほうが安心です。
洗濯物は、日光に当てて干さない!

これが正解なのです。

【第2問】「スーツ、カシミヤ、シルクの服など、たいていのものは自宅で洗える」○か×か?

大正解!
皮革や、レーヨン、キュプラ、アセテートなど水に弱い繊維を除いて、ほとんどの衣類は家で洗うことができます。
スーツや学生服、ダウンや羽毛布団、コート、それにウエディングドレスだって可能なのです。
水で洗うとトラブルが起こる生地だけは、ドライクリーニングに出す必要がありますが、それ以外は自宅で洗えます。
これで、クリーニング代を年間10万円も節約した人がいます。
その方法を本書で詳しく紹介していきます。

【第3問】「洗濯機は、タテ型よりドラム式のほうがキレイになる」○か×か?

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タテ型のほうがキレイになる!
タテ型洗濯機は、たっぷりの水流によって服を洗います。
一方、ドラム式洗濯機は、水の量は少なめで、叩き洗いによって汚れを落としています。

日本の水道水は、軟水です。軟水には高い洗浄力があるため、日本では水流で洗うタテ型のほうが、汚れがよく落ちます。
なぜ欧米でドラム式が普及したかというと、欧米の水は洗浄力が低い硬水が多いからです。水流だけでは服がキレイにならないため、叩き洗いで汚れを落とすドラム式が使われてきました。
つまり、日本では、洗浄力という点では、ドラム式を使う理由はないのです。

タテ型とドラム式、どっちを選ぶのがいい?

日本と海外では事情が異なります

日本の洗濯機はずっとタテ型が主流でした。最近は、欧米型のドラム式が増えていますが、シェアでいえばまだ8割以上がタテ型です。
これには理由があります。

日本の水道水は、軟水です。水そのものに高い洗浄力があるのです。
一方、海外は硬水のために汚れが落ちにくく、ドラム式で叩いて汚れを落とす必要があります。だから海外ではドラム式が使われてきました。

ということは、日本ではわざわざ高価なドラム式を使う理由はあまりないのです。
水流で洗う方式のタテ型で充分なのです。

むしろ、ドラム式は水量が少ないので、洗浄力という点で不利になります。
何度も述べたように、いい洗濯のポイントは水量です。タテ型は満水にすれば大丈夫ですが、ドラム式は最大量にしてもまだ足りません。

でも、乾燥に関しては、やはりドラム式が優れています。タテ型で乾燥できるタイプもありますが、機能的にやはり弱いです。共働きのご家庭など、ライフスタイルによっては、ドラム式も便利であることはうなずけます。

結論として、せっかく買うならタテ型の洗濯機がおすすめ。洗浄力に優れており、自分で設定を変えやすいことが大きな理由です。より洗濯を楽しみたい方や、服を大切にしたい方には、こちらが合っています。

乾燥機能も欲しいなら、乾燥専用の機械を別に買うのがいいでしょう。乾燥機も今はすごく発達していて、ホームセンターで売っている1万円台の小型サイズのものでも充分乾きます。

その洗濯機の使い方、間違いかも!プロ集団が教える「正しい洗濯」

日本の洗濯機は節水モード。水の量は多めに設定しよう

水の量が少ないと、汚れが繊維にもどってしまう

クリーニング業に携わっている人たちの間で、よくこんな言葉が交わされます。

「家庭では、キレイなすすぎはできないからね」

すすぎに対する本気度が、プロと家庭とでは大きく違います。
何が違うのかというと水です。水の質と、水の量。
近ごろ、「オゾン水」という特別な水で洗うクリーニング屋も増えてきました。オゾン水は、それ自体に殺菌・漂白効果があり、洗浄力の高さと、繊維へのやさしさを兼ね備えている理想的な水です。

ただし、家庭でこれを真似るのは、とても難しいです。高額な設備が必要です。
でも、水の量なら変えられます。

ほとんどの人が、全自動洗濯機を使っていると思います。
全自動洗濯機は洗濯槽にセンサーがついていて、洗濯物の重さと体積を測って、自動で水の量を計算し、スタートボタンを押すと水がジャーッと流れてきます。
とても便利ですが、「汚れをしっかり落とす」という観点では、この便利さが仇になっていると言わざるを得ません。

なぜなら、日本の洗濯機は自動的に節水モードになっているからです。ボクらプロから見ると、圧倒的に水の量が足りないのです。

節水はとても大切なことですが、洗いの段階で水が少ないと、汚れがしっかり浮き上がってくれません。

さらに、肝心なすすぎのときに水が不足していると、せっかく離れた汚れが、また繊維に戻って(!)しまいます。
部屋干しのイヤな臭いや、黄ばみ、黒ずみは、このせいで起こります。
だからプロは、水量の設定をすごく大事にしています。ここが本洗いのいちばんのポイントです。
家庭用の洗濯機なら、基本設定より水量を一段階上げるか、いっそ満水にしてもいいくらいです(洗濯物が少ない日も、です)。

そうすると洗濯槽の中で服がよく動くので、汚れがしっかり落ちてくれます。
またドラム式洗濯機はすすぎのとき水が少ないので、すすぎの設定を「注水」にするのがおすすめです。ふつうは洗濯槽にたまった水ですすぐのですが、注水は、新しい水をどんどん注ぎ入れながらすすいでくれるので、そのぶん使用する水が多めになります。

時短コースはオススメできません

ボクたちは以前、洗濯機の各メーカーさんに電話して、水量設定の根拠をヒアリングしたことがあります。ところが、どのメーカーさんも明確な根拠がありませんでした。「節水」を追求するあまり、理想の洗いやすすぎについての研究は二の次なのかな、という印象を持ちました。

言うまでもありませんが、洗濯機は「洗濯」のためのものです。
汚れや臭いが落ちない、黄ばみや黒ずみになりやすいなど、洗濯に少しでも不満があるなら、これからはちょっとめんどうでも、自分で水量を多めに設定してほしいと思います。

洗濯機の時短コースは、ふつうの設定よりさらに水量を少なくしていることがあるので、とくに気をつけてください。
すすぎの回数自体は増やす必要はありません。ほとんどの洗濯機がすすぎ2回の設定になっていると思います。使っている洗剤に「すすぎ1回」と書いてあったとしても、すすぎは2回にするのが理想的です。

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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