【最新版】コロナ禍で収入減になった人「もらえるお金とサポート制度」解説
- 2022年05月12日更新
こんにちは、くふうLive!編集部です。
緊急事態宣言が解除され、徐々にかつてまでの通常の生活が戻ってきていますが、第2波、第3波の危惧もあり、まだまだ予断は許さない状態が続いています。こうした状態が長期にわたることで、今後会社員などは減収、失業などの可能性も出てくるかもしれません。
実際に休業・失業などで大幅に収入減になってしまったとき、カードローンや消費者金融からの借り入れに走るのはご法度です。
さまざまな支援制度があるので、きちんと制度を知っておき、会社に交渉したり、自治体に相談するなどして、制度を使いこなせるように備えておきましょう。
監修・執筆者紹介
【経済ジャーナリスト】酒井富士子[サカイフジコ]
- 金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。 リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。
【コロナ禍で収入減1】店や会社が休業になったが休業手当が払われない場合
「休業手当(新型コロナウイルス感染症対応休業支援金)」を申請できる
「店や会社が休業になったのに、その間の休業手当が払われない場合」は、「休業手当(新型コロナウイルス感染症対応休業支援金)」を申請できます。
会社側の判断で従業員を休ませた場合、平均賃金の6割以上の額が休業手当として、給付されることになっています。しかし、実際、企業側の資金繰りが間に合わないなどの理由で、休業手当を受け取っていない人も多いのではないでしょうか?
今回の新型コロナウイルスに伴って休業手当を支給されていない人を対象に雇用保険の特別措置が講じられることになりました。これによって、 新型コロナウイルスの影響で会社によって休業させられ、かつ休業手当を受け取っていない主に中小企業で働く人に対し、休業前賃金の80%(月額上限33万円)を休業の期間や状況に応じて支払われることになりました。
また雇用保険の被保険者でない人についても、これに準じて給付金が支給されます。休業者は企業から休業証明を受け取り、自らオンラインなどでハローワークに申請する仕組みになる予定。失業手当と同様に従業員の口座に給付金が支払われることになります。
【コロナ禍で収入減2】自営業・フリーランスの人が月の売上が50%以下になった場合
「持続化給付金」を最高100万円うけとれる
「自営業・フリーランスの人が月の売上が50%以下になった場合」は、「持続化給付金」を最高100万円うけとれます。
新型コロナウイルスの影響で経営が悪化した事業会社や個人事業主に対して、事業の継続・再起のために支給されるのが持続化給付金。農業、漁業、製造業、飲食業、小売業、作家・俳優業など幅広い業種が対象で、収入を得ている法人・個人が対象となり、1ヵ月の売上が前年同月比で50%以上減少していれば支給されます。
前年同月に比べ売り上げが半減した月が2020年1月以降で1カ月あれば、その月の売り上げの12倍を2019年の年間売り上げと比べて減少した分を、個人の場合は100万円、法人の場合は200万円が上限として受け取ることができます。
給付対象の主な要件は、
- ①新型コロナウイルス感染症の影響により、ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者。
- ②2019年以前から事業による収入を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者。
- ③法人の場合は、⑴資本金の額又は出資の総額が10億円未満、または⑵上記の定めがない場合、常時使用する従業員の数が2000人以下である事業者
となっています。受付は令和3年1月まで。ネットで申請できるので、当てはまりそうな人は以下のサイトにアクセスしてみましょう。
【コロナ禍で収入減3】子どもの保育園・幼稚園・小学校が休業した場合
会社員なら有給休暇と別枠の有給休暇となる
「子どもの保育園・幼稚園・小学校が休業した場合」は、会社員なら会社が「小学校休業等対応助成金」を申請できます。有給休暇と別枠の有給休暇となります。
臨時休業した小学校や保育園などに通う子どもや、新型コロナウイルスに感染したまたは感染したおそれのある子どもの世話を行うために、仕事を休まざるをえなくなっている会社員の人も多いです。 そういった社員に対して、労働基準法の年次有給休暇とは別に有給休暇を与えた会社に対して支給されるのが助成金。
支給額は有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額で、上限は、令和2年2月27日から3月31日までの分は1日あたり8330円、4月1日から9月30日までの分は1日あたり1万5000円です。申請期間が令和2年12月28日までとなっています。
もし、勤めている会社がこの制度を申請しておらず、学校が休みで働けなかった期間、自分の有給休暇を利用したり、欠勤になっている人がいたら、会社に申請してもらい、別枠の有給休暇扱いにしてもらいましょう。
自営業・フリーランスは「小学校休業等対応支援金」を申請できる
「自営業・フリーランスの場合」は、自分で「小学校休業等対応支援金」を申請します。
小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの世話を行うため、契約した仕事ができなくなっている保護者に対する支援金です。
会社員の場合、上記の「小学校休業等対応助成金」を会社が申請することで、有給休暇を取得できますが、自営業・フリーランスの人はそういった対応を受けられません。そのため、就業できなかった日数に応じて、令和2年2月27日から3月31日までの場合1日あたり4100円、4月1日から9月30日までの場合1日あたり7500円が支給されます。申請期間は「小学校休業等対応助成金」と同様令和2年12月28日までです。
詳しくはこちら
※電話で問い合わせ、申請書は郵送となります。
【コロナ禍で収入減4】どうしても手持ち資金が足りなくなった場合
「個人向け緊急小口資金等の特例」で20万円借りられる
「どうしても手持ち資金が足りなくなった場合」は、「個人向け緊急小口資金等の特例」で市区町村から2人以上なら20万円借りられます。
休業などを理由に突然収入が減り、一時的にお金が足りなくなった場合は、金利が高い無担保ローンやカードローンを借りる前に活用を検討してほしい制度があります。市区町村の社会福祉協議会(社協)が実施している、無利子で保証人不要の「緊急小口資金」です。
新型コロナウイルスをうけて設けられた特例措置によって、貸付上限額は20万円、返済据置期間は1年以内、償還期限は2年以内、貸付利子は無利子と、従来の要件がそれぞれ緩和されています。市区町村社会福祉協議会または住んでいる都道府県内の労働金庫、取扱郵便局が申込窓口です。
【コロナ禍で収入減5】失業などで住居費が支払えなくなった場合
「住居確保給付金」で家賃相当額を支給してくれる
「失業などで住居費が支払えなくなった場合」は、「住居確保給付金」で家賃相当額を支給してくれます。
経済的に困窮し、住居を喪失した、または喪失するおそれのある人を対象に、一定期間家賃相当額を支給する「住居確保給付金」の制度。住居確保給付金も対象者が拡充されていて、これまで「離職・廃業後2年以内の人」が対象でしたが、令和2年4月20日以降、「給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある人」が対象に加わっています。
これによって、離職や廃業には至っていないけれど、こうした状況と同程度の状況に陥り、住居を失うおそれが生じている人も対象となっています。「基準額+家賃額」が一定基準以下である、預貯金額が一定基準以下であるなどの条件があります。基準支給期間は原則3か月で、支給上限額は東京都特別区の目安で、単身世帯なら5万3700円、2人世帯なら6万4000円、 3人世帯なら6万9800円と定められています。
【コロナ禍で収入減6】コロナ禍で会社が倒産、会社を退職する場合
「失業給付」(基本手当)に優遇措置がある
「コロナ禍で会社が倒産、コロナ禍で会社を退職しなければいけなくなった場合」は、「失業給付」(基本手当)に優遇措置があります。
失業給付は、雇用保険の被保険者が離職したときに、失業中の生活を心配せずに新たな仕事を探し、可能な限り早く再就職することを支援するために支給されるものです。失業給付の給付日数は、雇用保険の加入期間や年齢によって90日~330日の間で決まりますが、新型コロナウイルスで求職活動が長期化していることに対応し、受給の給付日数が60日(一部30日)延長できることになりました。
また、家族は新型コロナウイルス感染症に感染した、同居の家族が基本疾患を有する、自分が妊娠している、学校等の休業による子どもの養育などの理由で、会社を自己都合退職をした人は、失業給付の待期期間である3カ月を免除されます。申し出れば、すぐに受給できるようになります。
コロナ禍での収入減を補う「もらえるお金」「サポート制度」を知ろう
コロナ禍で休業&離職&減収になった人、これから可能性のある人は、収入減を補う「もらえるお金」「サポート制度」を知っておきましょう。
自分が会社に勤めていても、パートなどの場合、雇用保険に加入しているか、有給休暇の扱いはどうなっているか、など、意外と知らないことも多いのではないでしょうか? また、会社が対応してくれない場合も制度があることを伝え、交渉してみると、手続きをしてくれることもあるでしょう。
今回の新型コロナウイルス感染の拡大で、多くの制度が新設・拡充されましたが、知らなければその恩恵を受けられないのです。ちょっと、むずかしそうで、面倒そうですが、きちんと把握していざという時に備えるといいですね。
経済ジャーナリスト/
金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。
日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。
リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。
「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。
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